2021/10/11
墨田区との縁が深く、江戸時代に、世界でもっとも早く、障がい者教育の場を作った杉山検校(けんぎょう)について、私はかねてより注目し、多くの人に知ってもらいたいと思っていましたが、墨田区の小中学校の社会科の副読本「ふるさとすみだ」に来年度から掲載されると聞き、大変うれしくなりました。
杉山検校の本名は杉山和一であり、「検校」とは、江戸時代、盲人に与えられた最も高い地位の名称です。
杉山検校は、将軍 徳川綱吉の「お抱え」で鍼(はり)治療にあたった超一流の鍼灸師でした。
綱吉の難病を治し、回復後、「何か欲しいものはないか」と問われ、杉山検校が「一つ、目が欲しいです」と答えたところ、「本所一ツ目」に土地と屋敷を与えられました。当時は隅田川から東に一ツ目、二ツ目と地名があり、現在は都道の三ツ目通りと四ツ目通りが地名として残っています。
墨田区千歳にある江島杉山神社こそ「本所一ツ目」であり、杉山検校は綱吉から与えられたこの地に、杉山流鍼治導引稽古所をつくりました。視覚障がい者に鍼、按摩(あんま)の技術を教える、世界でもっとも早い障がい者教育の場でした。
神社の敷地に杉山検校の記念館と鍼・按摩の治療所を建設する際、私は補助金探しに走り回り、日本宝くじ協会の助成金の採択を勝ち取りました。そして、杉山検校の功績について学校の教科書で取り上げて、世に知らせてほしいと訴えてきました。
「ふるさとすみだ」には小学校3・4年生用、小学校5・6年生用、中学生用の3種類がありますが、令和4年から全ての副読本に掲載されるそうです。これにより、墨田区の子供たちみんなに杉山検校の功績を知ってもらうことができます。ゆくゆくは全国の教科書で取り上げてもらうことを楽しみにしています。
「ふるさとすみだ」には、墨田区にゆかりのある歴史上の人物として、王貞治、吉良上野介、松尾芭蕉、榎本武揚、勝海舟などが掲載されています。
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