2025/5/17
大阪・関西万博のチリのナショナルデーに合わせて、ボリッチ大統領や上下両院議員が来日し、私は日本チリ友好議連会長として諸行事に出席しました。
ナショナルデーの式典は、12日、万博のナショナルデーホールで行われ、イースター島出身の女性ピアニストの演奏や、国立舞踊団による伝統的なダンスも披露されました。
続いて午餐会が会場内の迎賓館で行われました。
日本側の出席者は、宮路拓馬外務副大臣(政府代表)、私、石毛博行博覧会協会事務総長(経済産業省OB)、日智経済委員会の垣内威彦委員長(三菱商事会長)、林渉・元チリ大使など。チリからはボリッチ大統領、クラベレン外務大臣、チリ・日本友好議連会長であるカストロ下院議長や、昨年、日本の旭日中綬章を受章したチャウアン上院議員ら。15人ずつでした。
私は、「昨日は石破総理との70分に及ぶ会見で、地震、津波、火山噴火など防災協力の『KIZUNA』プロジェクトについて、第三ステージ『復興』に入ることが決まったと伺っております。まさにこれは、日本の科学技術を伝える三角協力として最高の成功例だと思います」と述べ、太平洋を挟んだ両国の関係のさらなる発展を願う挨拶をしました。
私は、2019年5月にチリを訪問し、サンティアゴの国家緊急対策庁で「KIZUNAプロジェクト」について、長官と会談しました。2015年に始まったプロジェクトは、チリを拠点として、中南米の25ヵ国が参加し、これまで5169人の防災人材を養成しています。
「その時、長官が、『ここへは24時間以上かけて来られたでしょう。しかし、津波はわずか数時間で到達してしまいます』と言われたことが印象に残っています」と話すと、一同から共感の声が上がりました。
大統領一行は午餐会の後、日本館、チリ館などを視察し、私もチリ館視察に同行しました。「マクン」という先住民族の大きな手織物が会場の目玉であり、迫力がありました。
東京では、日本チリ友好議連同士の会合を14日、国会内で開催し、チリからは下院議員が9人参加してくれました。(上院議員は大統領とともに訪中)
会長のカストロ下院議長は「これほどの人数が、一度に日本を訪れるのは初めてです」と述べ、日本側からも出席した衆議院議員(参議院は本会議にぶつかってしまいました)が順に歓迎の挨拶を述べました。
チリ大使公邸で開かれた同夜のレセプションには、参議院議員も多数参加しました。
隣国ペルーでは、中国から多額の出資を受けた港が開港するなど、南米でも中国の影響力が増す中、チリへの投資を官民一体となって推進していくことなどを話しました。現在、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、チリを横断して太西洋と大平洋を結ぶ道路が建設中です。完成すればブラジルやパラグアイの農産物などを、チリの港からアジアに向けて輸出する上で便利になりますが、その港に中国の力が及ぶようなことがあっては大変です。チリは、銅やリチウムの世界有数の産出国であり、また、サーモンやワインも日本に輸出しています。
6月にはチリ海軍の美しい帆船の練習艦「エスメラルダ」が大阪港に寄港します。
私がチリを訪れた際、「海を共通項とする、時代を超えた協力」をもうひとつ、バルパライソの海軍学校で見ました。
1880年代から90年代にかけ、日本はチリの巡洋艦を購入し、日清、日露2つの戦争を戦い、チリの巡洋艦「エスメラルダ」は「和泉」として日本海海戦で大活躍しました。今回寄港する練習艦はその「エスメラルダ」の名を受け継いでいます。また、チリ海軍学校で、東郷平八郎提督の像に出会ったときは胸が熱くなりました。
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