選挙ドットコム

福岡政界はなぜ「三国志」と呼ばれる?麻生太郎・古賀誠・山崎拓、同盟と対立の政争史~旧「三国志」編~

2026/8/31

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

福岡政界では、麻生太郎氏、古賀誠氏、山崎拓氏という3人の実力者が、長年にわたって主導権を争ってきました。

3人を中心とする政争は「福岡三国志」とも呼ばれ、選挙や政局ごとに同盟と対立を繰り返してきました。

近年は武田良太氏や蔵内勇夫氏らも存在感を強め、「新・福岡三国志」と呼べる時代へ移りつつあります。永田町と福岡を舞台に繰り広げられてきた、実力者たちの政争の歴史を振り返ります。

福岡政界を動かした「三国志」の英雄たち

麻生氏、古賀氏、山崎氏はいずれも福岡を地盤に、自民党の派閥や政権運営で存在感を示してきました。

三国志と同じく、福岡政界でも敵味方は入れ替わります。国政で対立しながら、地元では同じ候補を支えることもありました。

昨日の敵と手を組み、かつての盟友と争う。永田町と福岡という二つの舞台で、複雑な人間関係が展開されてきました。

古賀氏と山崎氏が国会議員を引退した後は、麻生氏に加え、田川を地盤とする武田氏と、福岡県政界で強い影響力を持つ蔵内氏が台頭。「新・福岡三国志」の勢力図が形成されていきます。

昨日の敵は今日の味方 永田町で始まった三つどもえ

「福岡三国志」の序章ともいえるのが、2000年の「加藤の乱」です。山崎氏は加藤紘一氏とともに森喜朗政権の退陣を迫りましたが、古賀氏は加藤派の切り崩しに動き、倒閣の試みは失敗しました。

2005年の郵政民営化をめぐっては、麻生氏と山崎氏が小泉純一郎政権を支える一方、古賀氏は法案採決を棄権し、慎重な姿勢を示しました。2008年の総裁選では古賀氏が麻生氏を支援しますが、翌年の衆議院解散には古賀氏と山崎氏が慎重姿勢を示しました。

3人は政局ごとに利害を見極め、組む相手を変えていたのです。

大きな転機となったのが2012年の自民党総裁選でした。麻生氏が安倍晋三氏、山崎氏が石原伸晃氏を支援する一方、古賀氏は1回目の投票で同じ宏池会系の林芳正氏を推し、林氏が決選投票に進まなければ石原氏を支える構えでした。

結果的に決選投票は安倍氏と石破茂氏の争いとなり、安倍氏が勝利しました。

安倍氏が長期政権を築くと、副総理兼財務大臣となった麻生氏の力も増し、福岡政界は「麻生一強」ともいえる時代に入ります。

旧三国志から新三国志へ 福岡6区の保守分裂

転換点となったのが、2016年の衆議院福岡6区補欠選挙です。

鳩山邦夫氏の死去に伴う選挙に、県政界の実力者・蔵内勇夫氏の息子である蔵内謙氏と、鳩山氏の次男・鳩山二郎氏が立候補しました。

自民党福岡県連が推薦した蔵内氏を麻生氏と古賀氏が支援。一方、県連の推薦を得ずに無所属で出馬した鳩山氏を武田氏が支え、その背後には山崎氏もいました。党本部は両氏を公認せず、当選者を追加公認する異例の対応を取りました。

この選挙は、福岡の有力者たちの威信を懸けた代理戦争でもありました。

結果は鳩山氏の勝利。支援した武田氏の存在感も高まり、旧三国志の争いから新たなプレイヤーが浮上したのです。

「赤壁」敗北からの麻生太郎氏の巻き返し

福岡三国志の勢力図を大きく動かしたのが、2019年の福岡県知事選です。麻生氏に古賀氏と山崎氏が連携して立ちはだかった構図は、曹操の大軍を孫権・劉備の連合軍が退けた「赤壁の戦い」を思わせます。

安倍政権のナンバー2だった麻生氏は、2016年の福岡6区補選で蔵内謙氏を応援するよう求めたにもかかわらず、中立を保った小川洋知事に反発。2019年の知事選では小川氏の続投を認めず、元厚生労働省官僚の武内和久氏の擁立に動きました。

古賀氏と山崎氏は小川氏を支援し、麻生一強を止めるため共闘しました。選挙は小川氏が大差で勝利し、麻生氏は地元福岡で手痛い敗北を喫しました。

しかし、麻生氏はそのまま退場しません。小川氏の辞職に伴う2021年知事選では、蔵内勇夫氏らが副知事の服部誠太郎氏を推し、麻生氏も支持。武田氏らが模索した対抗候補の擁立は実現せず、服部氏が初当選しました。

2023年の北九州市長選では、自民党県連が推す候補への党本部推薦に麻生氏が署名せず、2019年に麻生氏が支えた武内氏が勝利します。

福岡県知事の服部氏、福岡市長の高島宗一郎氏、北九州市長の武内氏と、県内の主要な首長はいずれも麻生氏と接点を持つ人物となりました。

2019年の「赤壁」から4年。麻生氏は再び、福岡政界の主導権を握ったのです。

福岡三国志に終わりはない

現在も麻生氏が強い影響力を持つ一方、福岡三国志の勝者が決まったとは言い切れません。

古賀氏と山崎氏は国会議員を引退した後も、自民党総裁選や候補者擁立を通じて存在感を残しています。武田氏も2024年の衆院選で落選しましたが、地元を回り続け、2026年の衆院選で国政復帰を果たしました。

福岡9区で強固な地盤を築く緒方林太郎氏など、既存の陣営に属さない実力者も現れています。

今後の焦点は、80代となった麻生氏の後継問題です。麻生氏の地盤を息子が継ぐのか。そのとき武田氏はどう動くのか。後継者選びをきっかけに、勢力図が再び塗り替えられる可能性もあります。

勝っても戦いは終わらず、負けても簡単には消えない。昨日の敵は今日の味方となり、再び敵として向かい合う。魏・呉・蜀が長く覇権を争ったように、福岡政界でもまだ主導権争いの決着はついていません。

~「新福岡三国志」へつづく~

動画本編はこちら!

この詳細は、ぜひ動画本編でご確認ください!

選挙ドットコムちゃんねる、ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!


政治家限定!
選挙の最新情報をLINEで配信中友だち追加


有権者の心に響く第一印象を。選挙ドットコムで、あなたの情報を掲載しませんか?

選挙ドットコムの政治家情報ページには、顔写真やSNSアカウントへのリンクなどを完全無料で掲載いただけます。

有権者の皆さまにとって、こうした情報は候補者一人ひとりを知るための大切な第一歩になります。

ぜひ、あなたのページを充実させて、有権者の皆さまとの距離をぐっと縮めてみませんか?

情報掲載をご希望の際は、こちらのフォームよりお送りください。皆さまからの情報をお待ちしております!
※申請は「政治家・候補者本人」または「政治家・候補者本人から承諾を得ている方」に限ります。承諾がない場合は掲載できませんこと、予めご了承ください。

この記事をシェアする

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

採用情報

記事ランキング

ホーム記事・コラム福岡政界はなぜ「三国志」と呼ばれる?麻生太郎・古賀誠・山崎拓、同盟と対立の政争史~旧「三国志」編~

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtubeicon_postcode