公明党・竹谷とし子は新橋駅前で与党としての実績を強調した。聴衆の中心は年配の女性が多いが、若い女性も集まっている。スタッフが選挙運動員用の腕章を手渡すと、若い女性の二人組は腕章をつけてビラ配りに参加した。
「お昼休みにお手伝いに来たんですか?」
私がその二人組に声をかけると、2人は戸惑いながら「ええ」と答えた。彼女たちが手伝うのは新橋だけだという。演説会が終了すると、腕章を外してスタッフに返していた。
竹谷とし子のポスターは非常にやわらかい表情だ。しかし、演説は力強い。しかも、時間が立つにつれて力がどんどんこもっていく。

最初は「公明党が実現しました」と演説していたが、後半になるとどんどんヒートアップ。「1日2億円の税金のムダの削減」「ガソリン補助金、物価高対策の政策」「予備費も確保」。これらは「竹谷とし子が実現しました!」と言っていた。
演説終了後、竹谷は聴衆と丁寧に握手をしてまわる。聴衆との写真撮影にもにこやかに応じる。演説会場ではよくみられる、なごやかな風景だ。
しかし、その雰囲気が突然一変した。街宣車の近くで一人の男性が、竹谷陣営のスタッフに対して大きな声をあげたのだ。
「公明党はいつから自民党の腰巾着になったんだ! このまま行ったら駄目になるぞ!」
陣営スタッフが竹谷候補との間に4人で壁を作る。男性は竹谷にではなく、スタッフに対して厳しく声をあげていた。
「戸田(城聖)先生も、池田(大作)先生も、『大衆のために』だろう! ちゃんとやれ! 池田先生が作った党だから、おれたちはやってるんだ! やってやってるとは言わねえよ。でもな、池田先生の教えはこんなもんじゃねえだろう!」
スタッフが男性をなだめるように頭を下げる。竹谷が街宣車に乗って会場を後にすると、スタッフたちも男性に一礼してその場を去った。
私は大声を上げていた男性を走って追いかけて話を聞いた。男性の眼力は強い。体格もいい。威厳がある、とはこういうことだろう。男性は私の目を見てこう言った。
「お前が学会員かどうかは知らねえけど、池田先生の教えはあんなもんじゃないんだよ! 公明党は池田先生の教えを忘れている! 誰かが厳しく言わなきゃダメなんだよ。厳しいことを言って聞かせるためにも、お前自身が影響力を持たなきゃダメだ。お前、もっと頑張れよ!」
最後は励まされた。近くに停まっている黒塗りの高級車に乗り込むと思われた男性は、その手前に停められた自転車に乗って去っていった。
江戸川区議会議員を5期18年経験しているNHK党公認、動物愛護党推薦・田中けんには出馬表明記者会見で初めて挨拶をした。今回は「ネットを中心に選挙運動をします。街頭演説は地元である江戸川区中心です」と語った。公示日にも選管で会ったが、足早に都庁を後にした。

今回、田中けんは動物愛護党の推薦を受けている。しかし、出馬表明記者会見では「国防について訴えたい」と言って国防政策について多くの時間を割いた。政策は多岐にわたり、「償還済み高速道路の無料化」「医療費抑制」「食品添加物を欧米並みに規制強化」することも訴えている。
日本改革党・くつざわ亮治の演説は八王子駅で見た。駅を降りると街宣車が大音量で同党の政策を訴えている。
「くつざわ亮治、NHKスクランブル」「くつざわ亮治、マンガアニメの規制反対」「くつざわ亮治、9条廃止」「くつざわ亮治、核武装」「くつざわ亮治、移民反対」「くつざわ亮治、外国人生活保護廃止」「くつざわ亮治、スパイ防止法制定」

自分で三脚を立て、演説の様子を撮影しようと準備をしている、くつざわ亮治に話しかけた。このアナウンスに対する有権者の反応はどうですか。
「核武装っていうのを聞いた人はけっこう、ぎょっとしてますよね」
街宣車のまわりには10人ほどの支持者が集まっていた。夫婦で連れ立ってきている人もいる。いったい、どこに惹かれたのか。話を聞くと女性が答える。
「夫が観ていたYouTubeを横から見ていたら、私のほうがハマっちゃってファンになりました」
それを聞いていた別の女性も答える。
「ブレないところが魅力ですね。体を壊されたので心配していたんですけど、やっぱり日本人のために働いてもらいたいと思って。日本人が優遇されないのはおかしいと思います」
最初に答えた女性がまた答える。
「SNSで言及したら、すぐフォローしてくれたんです。それに、くつざわさんのことをTwitterに書くと、すぐにイイネを押してくれるんです」
くつざわ亮治は演説が終わった後も一人ひとりにとても丁寧に握手をして回る。支援者がくつざわ亮治にポチ袋を手渡すシーンを3回は見た。中に何が入っているかは知らないが、くつざわの胸ポケットは膨らんでいた。主張は激しいが、一対一で対すると非常に腰が低く、有権者との対応はまめまめしい。ここが人気の秘密なのかもしれない。
核融合党・桑島康文には公示日翌日に電話をかけた。公示日当日にも選挙管理委員会で姿を見かけたが、他の候補者を取材しているうちに桑島は都庁を後にしてしまったからだ。6月23日の早朝に電話をかけると、慌ただしい雰囲気の中で本人がこう話す。

「一人でやっているので、取材を受けている時間がありません。選挙運動は街宣車で大きな駅前などを巡回して連呼します。選挙ポスターも自分で公営掲示板に貼っていきます。1万4千か所以上あるのであまり進んでいません。電話や選挙ハガキ、パンフレット配りをする余裕もありません。政策はポスターを見てほしいと思います」
核融合発電は原子力発電とは違い、燃料は海水中の重水素である。放射性廃棄物も原発に比べて低レベルであり、二酸化炭素の排出がない。そのため、未来のエネルギーとして期待されている。桑島には電話を切られてしまったが、後日あらためて電話をすると出てくれたが、「忙しいので取材は結構です」とまた断られてしまった。
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