続いては山野之義氏の活動を紹介する。まずは告示日の夜に金沢市内で開いた個人演説会を訪ねると、山野氏が妻とともに入り口で参加者たちを出迎えていた。山野氏は家族総出で選挙を行っており、長男が「本人の長男」「本人の娘」というたすきを着けて沿道で手を振る姿も見られた。この日の個人演説会場には約100人が出席。山野氏を支援する「有志の会」の会長は、会場に向かってこう呼びかけた。
「今日ご来場いただきました皆様方は、これまで小林誠を支援している小林誠の後援会の方々が大多数だと思っております」
小林誠氏とは、石川維新の会幹事長だ。有志の会の会長は、小林誠連合後援会の副会長でもあるという。小林氏自身は党本部との関係もあり、なかなか表には出られない。
「維新は今回の選挙では別の候補者(馳浩氏)を推薦いたしましたが、小林誠後援会は結束し、山野之義を全面的に応援いたします!」
会場から大きな拍手が起きると、山野氏は立ち上がって参加者に深々と頭を下げた。そしてマイクを持ち、金沢市長時代の実績を次のように話した。
「ちょっと生意気なことを言いますけど、金沢市長として一定の評価をいただける仕事をしてきたという自負もありました」

山野氏が聴衆にアピールしたのは徹底的な現場主義だ。
「僕は365日休みませんでした。休まないと決めて仕事をしてきました。徹底的に現場にこだわった仕事をしてきました。なぜか。現場にこそ、いろいろな課題があります。現場にこそ、課題を解決するヒントがあります。現場にこそ、汗を流している方たちの思いがあるからです」
山野氏のキャッチコピーは「未来への約束を果たすために これからも現場に一番近く」だ。配布されたビラには「移動知事室を準備して石川県内走り回ります(※通信機器を完備し移動しながら知事執務が可能な公用車)」とのイラストが大きく描かれていた。
「金沢市長は金沢市の都市経営者。今度は石川県という県のマネージャーとして、県のマネジメントを行っていく。知事に就任したら、県、市長と町長の定期的な意見交換会を行っていく。県と市と町が共通の危機感、共通の問題意識を持って、県民の皆さんに迅速に伝える。それによって県民の皆さんに安心感を持ってもらう。僕はこれからのコロナ対策で最も大切なことは、そのことだと思っています」

その翌日、山野氏の事務所を訪ねると、手伝いに来ていた自民党の喜多浩一金沢市議が話をしてくれた。
「自民党の地方議員は、県会議員、市会議員、町会議員で2〜300人いるけど、うちに来たのは10人おるかおらんか。正直、少ないです。でもね、山野さんは自民党系といっても、ベタベタの自民党ではない。ずっと組織に頼らない戦い方をしてきた人。山野さんは根っからの営業マンで、自分の足だけで、市議、市長にステップアップしてきた。一人ひとりが手をつないでやっていく選挙です。だから心配はしていません」
それにしても、応援する地方議員があまりにも少なくありませんか?
「自民党から『山野応援したら除名や』って言われてるんでね(笑)。まあ、『処分や』という話ですけど、私は『こいや。いつでも処分受けるぞ』と思ってます。あっち側は大所帯だけど、そんなの関係ねえから。とにかく面白い選挙ですよ(笑)」
喜多市議は「あ、いかんいかん。しゃべりすぎだ」と言って去っていった。

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