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復帰50周年の沖縄は選挙イヤー 相次ぐ大型選挙の行方は?(宮原ジェフリー)

2022/1/14

宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

今年2022年5月15日、沖縄県は米軍による統治から離れ、日本国に復帰してから50年を迎えます。そんな記念すべき年に沖縄県内では大型選挙が多数控えています。

全国的には来年、2023年が4年に一度の統一地方選挙にあたりますが、沖縄県では日本国憲法施行の1年前、1946年9月に琉球列島米国軍政府のもと地方議会・首長選挙が行われたため、現在に至るまで本土より1年早く、多くの市町村議会の選挙が行われています。

2022年 沖縄 選挙一覧1
2022年 沖縄 選挙一覧2

それに加えて今回については3年に一度、半数が改選される参議院議員選挙も重なり、沖縄県だけで合計で50の選挙が執り行われる見込みとなっています。

今回は、その中でも国政への影響も及ぼしうる注目の選挙をピックアップしてご紹介します。

名護市長選挙(1月23日投開票)〜辺野古新基地と経済の立て直し

名護市議会議員を5期勤め、4年前の選挙では2期務めた現職市長を破って当選を果たした現職市長の渡具知武豊氏(自民・公明推薦)と、現在まで名護市議会議員を4期務めている岸本洋平氏(共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦)の一騎討ちとなる見込みです。

普天間飛行場の代替施設を建設する場所として、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸が唯一だ、とする一貫した立場を取っている政府・与党としては、建設反対派の市長を当選させないために、これまでの名護市長選挙では人口6万人強の市長選挙としては党の要職や大臣らを応援演説に送るなど異例の規模で自公推薦候補を応援してきました。

一方で、対立する「オール沖縄」(革新政党に保守派の一部を含んだ枠組み)としては、自民党を離れて新基地建設に反対した故翁長雄志前知事の遺志や、2019年の県民投票で示された民意を後ろ盾に、明確に基地建設に反対しています。

 今回オール沖縄推薦で立候補を予定してる岸本洋平氏の父、建男氏はかつて自公の推薦で市長に当選し、キャンプ・シュワブ沿岸へのヘリポート建設を受け入れたもの、15年の使用期限や日米地位協定の改善などの厳しい条件をつけ、その後、名護市の頭越しに日米で合意された案を否定した、という経緯があり、洋平氏自身も市議会の中で保守系の会派に所属しており、単純に保守vs革新という構図になっているわけではないことに注意が必要です。

南城市長選挙(1月23日投開票)〜前回65票差からの再戦

4年前の選挙ではわずか65票差(有効得票の0.3%)で決着が決まった南城市長選挙。今回もオール沖縄が推す現職で2期目を目指す瑞慶覧長敏氏(立民、共産、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦)と返り咲きを目指す3期務めた元市長、古謝景春氏(自民、公明推薦)と同じ顔ぶれでの一騎討ちが見込まれています。

前回僅差で決まった選挙だっただけに、現職の瑞慶覧氏としてはこの4年間の実績がシビアに評価される選挙に、前職の古謝氏としては自身の実績を強調して瑞慶覧市政とは異なるビジョンを市民に示す必要に迫られています。

名護市長選挙と同様に、選挙イヤーの最初に行われる選挙であるため、その後の参議院議員選挙や県知事選挙を占う選挙として、自公・オール沖縄両陣営の力が入る選挙になるでしょう。

参議院議員選挙(7月25日任期満了)〜オール沖縄2議席キープか、自民奪還か

1人区である参議院沖縄県選挙区では、今回改選となる伊波洋一氏、非改選の高良鉄美氏ともにオール沖縄の推薦で当選しています。

自民党としては昨年の衆院選では4選挙区のうち、2選挙区で勝利し、残りの選挙区で立候補した2名も復活当選、公明党も前県議を比例区で当選させた勢いに乗って、議席奪還を目指します。オール沖縄としては伊波氏が再選を目指して立候補する見込みである一方、自公としては1月中旬現在まで候補者が定まっておらず、県知事選挙と合わせて早めの選定と活動が勝敗の鍵を握るものと考えられます。

また、沖縄県出身者としては全国比例での立候補が見込まれている現職の今井絵理子氏(自民)も今回の選挙が改選となります。

沖縄県知事選挙(9月29日任期満了)〜玉城県政4年間の評価は

4年前の県知事選挙は、前任・翁長雄志氏の急逝を受けて行われ、後継となる玉城デニー氏が対立候補に10ポイント以上の差をつけて当選をしました。玉城氏が2期目に挑戦する見込みですが、この4年間でオール沖縄の枠組みから財界や一部保守系の勢力が離脱。新型コロナでも沖縄県は多くの感染者を出し、経済を支える観光業に大きなダメージを受けました。

昨年10月の琉球新報社と共同通信社の合同世論調査では玉城県政を「評価する・どちらかといえば評価する」が69.2%と支持率が高い状況が続いていますが、自公が擁立する候補者やその運動次第で結果は変わってくるでしょう。

那覇市長選挙(11月15日任期満了)〜県都のリーダーは

昨年行われた那覇市議会議員選挙では、城間市政を支持する与党系(オール沖縄陣営)が現職が4人落選し、1議席減らした一方、自民党が4議席を増やすなど野党系は6議席増やす結果となり、城間幹子市長としては厳しい結果となり、絶大な影響力を誇った翁長雄志前市長のような立ち回りができず苦慮している様子が伺えます。

城間市長は現時点で進退を明らかにしておらず、各陣営から市議・県議ら複数名の名前が挙がっていますが、まだ候補者について確定的な情報はありません。

先行する参院選、知事選や、新型コロナウイルスの感染状況次第で大きく情勢が変化する可能性があります。

2010年の鳩山内閣の総辞職のきっかけになったのが、普天間飛行場の代替施設建設・辺野古新基地建設容認に伴う社民党の連立離脱だったように、沖縄の政治状況が全国の政治に大きく影響する構図は今も変わっていません。いずれの選挙にもぜひ注目してください。

今後、各選挙での現地からのレポートもお送りする予定でいますので、そちらもお楽しみに!

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宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ライター、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。著書に『沖縄〈泡沫候補〉バトルロイヤル』(ボーダーインク)がある。

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