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「共産党の市長はNO」でザワついた 京都市長選の背景をぐぐんと深堀り! 選挙ドットコムちゃんねるダイジェスト

2020/2/11

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

「共産党の市長はNO」のネガティブ新聞広告でザワついた京都市長選がとうとう決着したことは、ご存じの通り。選挙ドットコムちゃんねるでは、単にその結果をお伝えするだけでなく、選挙ドットコムが独自に行った支持政党・年代別の出口調査でわかった興味深い有権者の動向を、ぐぐんと深堀り!

すると「京都ならでは」の事情や投票行動の裏側が見えてきます。選挙って、本当に奥が深い!

さて番組内容を、ダイジェストでお伝えしていきましょう。

突出して再生回数が伸びた京都市長選ネタ

乙武 「さあ、今回のテーマはこちらっ!京都市長選の結果を読み解くと?ということですけれども」

千葉 「はい。前回、門川陣営が京都新聞に出した広告が大きな波紋を広げたとお伝えしました京都市長選挙。それに対抗して福山氏サイドも広告を打って話題を呼ぶなど、激しい戦いが繰り広げられました」

乙武 「これね、何がすごいって視聴回数。伸びたんですよ。他のが1000いくかどうかって時に、1週間で1.8万回いったんだからね!」

松田 「やっぱりそこはね」

乙武 「今回またやるんでしょ」(笑)

松田 「味わい尽くしとかないとね!」

千葉 「ということで結果です。現職の門川さんが当選されました」

乙武 「これはどう受け止めたらいいんですかね? 門川さん21万票と福山さん16万票、そして村山さんが9万5000票ということですけれども。松田さん、これは圧勝なのか、接戦で辛勝なのか、どちらでもないのか?」

松田 「一般的にですね、得票率が下に書いてあるんですけど、得票率で10ポイント差がつけば完勝って言われています。5ポイントくらいだと接戦、競り合ったな~って感じになりますけど、今回は10ポイント離れてますから、やはり完勝でいいのかなと。

ただですね、選挙期間序盤の情勢報道では『門川氏先行』という言葉が使われていましたよね。先行という場合は、たいて15ポイント以上開いているような情勢のイメージなんですよね」

乙武 「そういう意味では選挙終盤になって5ポイント以上、福山さんが詰めたのかな」

松田 「そういう見方もできます。ただ一方で、以前、その情勢報道について京都で長く選挙に関わっていらっしゃる方に聞いたことがあるんですが『共産党候補は情勢報道だと少し弱めに出てしまうことが多い』そうなんです。

実際、共産党を支持されている方の投票率が非常に高いので、それと調査で回答する方の数がちょっとずれてしまって、調査の数字では若干弱く出てしまうと。最終的には3万票から5万票くらいのズレにおさまるというようなことをおっしゃっていて、それを考慮すると今回の結果は、あまり意外性がないのかなあという風にも見えるんです。

あれだけTwitterやネットなどで盛り上がったように見える一方で、実際の票では差はさほど縮まらなかったという見方もできるというわけです」

乙武 「僕の純粋な感想としては立憲や国民まで門川さん側について、福山さんには共産党とれいわ。れいわは勢いはあってもまだ票をほとんど持っていない、そんななかで福山さんはけっこう伸ばしたのかな、っていうイメージだったんですよ」

松田 「そうですね。まあもともと共産党が非常に強い土地柄という面もありますが……」

選挙に行った10代だけで見ると、福山氏の勝ち!?

千葉 「じゃあこの結果に関するほかのデータも見ていきましょう」

乙武 「はい」

千葉 「出口調査の年代別回答が、こちらになります」

乙武 「これは紫が門川さん、ブルーが村山さん、緑が福山さんですね。あ、10代は福山さんが勝ってる!」

千葉 「福山さんが半分くらいとっていますね」

松田 「そうですね。ただ10代といっても投票できるのは18歳と19歳ですから。
この表は100%棒グラフで示しているので、ほかの世代と同じくらい数があるように見えますが、全体的にみるとボリュームが圧倒的に少ないんです」

乙武 「福山さんが10代に支持された理由は何なんですかね」

松田 「どのあたりにあるんでしょうかね。よく言われるのは、京都は非常に大学の数が多い地域特性がありまして、またその中で京都大学や同志社大学など、どちらかというと教えていらっしゃる教授の方がリベラルと呼ばれる層で、校風的にもリベラル系だというところがあって、そうした学生街ならではの気風みたいなものもあるかもしれませんね」

乙武 「もうひとつ興味深いのは、40代は村山さんが1位なんですね。これは同世代ってことも関係あるんですか?」

松田 「同世代の票がそのまま同世代の候補に行くかというと、一般的にはそうでもなくて。これは村山さんの主張とか政策といったものが受け入れられた結果なのかなと思います。

あとはいわゆる共産党 対 非共産党の構図の中で、そのやりとり(広告バトルとか)に少しウンザリしているというか、どちらでもない第三の選択肢として、村山さんが40代から支持を集めたのではないかという気もします。

京都は関西地区ということで、30代、40代のとくに男性の場合は、お隣の大阪府や大阪市で非常に維新の支持が高い地域なんですね。だから既存政党ではない第三極が支持されやすいという面もあるかもしれません」

立憲・国民に推薦されても、支持層の票は確約されない?

千葉 「続きまして、支持政党別の出口調査を見てみましょう。これはまあ自民は、ほぼ門川さんに投票していますね」

松田 「そうですね。ただ村山さんも一定数食い込んでますね」

乙武 「確かに」

松田 「このグラフの見方のポイントなんですが、当日の出口調査で回答された人の支持政党がカッコの中のパーセント数なんです。この数字が、どの政党を支持しますかと電話で聞く事前調査の結果とね、実際に投票に行った人との割合が、かなりズレるんですよ」

千葉 「うーん、たしかに」

松田 「例えば選挙ドットコムがやっているハイブリッド調査とかでも、無党派層が自民党支持層より非常に大きいという結果が出ていたんですが、実際に投票に行った人の割合でみると、自民党支持の割合が一番多くなる。

だいたいこうなるんですね。つまり無党派層はあまり投票に行かないということが、こういう数字からもわかりますし、共産党が12%というところからは、共産党支持の方が非常に熱心に投票所に足を運んでいるということも見えてきます」

乙武 「面白いのは、立憲と国民は門川さんに推薦出しているじゃないですか。だけどこれらの党を支持していると答えた人の票はほぼ3等分。若干、立憲支持者の福山さんへの票が少ないですけど、けっこう3等分に近いくらいバラけてますよね。

だけど公明党は同じく門川さん推薦で、その支持層はほぼほぼ、きっちり門川さんに入れている。立憲と国民、どんだけガバナンス効いてないんだよって話ですよね?」(笑)

松田 「立憲と国民はその支持層に対して、きっちり投票先を合致させるというのをなかなかきっちりとは徹底できないんですね。

都道府県連といわれる立憲や国民の各京都府連とか京都市連なんかが指示を出したところで、その支持層はですね、府連・市連が指示しているから投票するよ、といった投票行動にはなかなか結び付かない」

乙武 「ってことになるとさ、今度立候補する側、今度選挙に出ようかなって思っている人からすると、このデータを見たら『立憲や国民の推薦もらっても意味ねーな』ってなりませんか?」

松田 「ただ推薦をもらっておかないと、票がもっと他に行っちゃう可能性もあるわけですよ。推薦を取ってその組織内の議員さんや支持団体の方とかに、門川市長の再選を支持しますということを伝えているからこそ、あの程度で済んでいるということも考えられるんですね。推薦をもし取っていなかったら、もっと票をよそに持っていかれているかもしれない」

乙武 「そうか、なるほどね」

「共産党NO」に福山側も広告で応酬 結局 一番得をしたのは京都新聞!?

千葉 「この選挙では、先ほどもご紹介しましたが、京都新聞に掲載した広告が非常に話題を呼びました。
まずこちらが前回ご紹介しました『共産党の市長NO』と書かれたこの広告です」

乙武 「Twitterとかでも盛んに取り上げられていましたね」

千葉 「そしてこの広告に対抗して、福山氏陣営が京都新聞に掲載した広告がこちらです。『大切な京都だから全ての市民の声を聞く市長にYES』と」

松田 「カウンター広告ってことですね」

千葉 「デザインも門川陣営のものとよく似ていますね」

乙武 「おぉ、これ、あえて寄せていったんでしょうね」

松田 「選挙中の非常に忙しい中で、新聞広告の出稿ってけっこう手間がかかるんですけど、短い時間でよく出したなーというところで、なかなか大したもんだと思います。

ところがこの後に、さらに門川陣営ももう1回広告を出してます。前回の『共産党の市長はNO』というところを変えて、門川さんの実績とか今後の4年間でやりたいことなどが入った全面広告を出しまして」

千葉 「新聞広告対決ですね!」

松田 「そう。結果的に京都新聞がすごく儲かったという(笑)。まぁそういう盛り上がりがあったこともきっかけになって、投票率が5ポイント以上あがったんです。これはやはり今回の新聞広告に端を発して、選挙に関心が高まったというところは確かにあると思います。

ただ、投票率に関していうと投票率が上がれば、今回の構図で言えば福山さんが有利・票が増えるという見方が多かったですけど、一概にはそうとも言えないんですよね。

たとえば、騒動前、自民党支持層や公明党支持層の中には『どうせ門川さんが勝つんだから行かなくてもいいや』っていう人たちも少なからずいたと思うんです。ところが、今回あの新聞広告トラブルがあったことでかなり危機感が高まって『やっぱり投票に行っとかなきゃ』となったと」

千葉 「なるほどね」

松田 「さらにもう一回全面広告を出すくらいだから、油断したら負けるぞというメッセージも伝わってきて、自民・公明党支持層はかなり気が引き締まったというか。なので、自民・公明支持層の組織票も少なからず上積みして、投票率があがったとも分析できるわけです。

もちろん、新聞広告が話題になったことをきっかけに、無党派層が投票に行ったという要素も大きいと思いますが」

乙武 「うーん、なにがどう作用するか、わからないですねえ」

松田 「わからないんですよ。そのあたりは、結果を見てからならいろいろ分析もできるんですけど、選挙をやっている最中には、本当に確信が持てない中で知恵を絞ってやっていくんです。

この選挙、個人的には村山祥栄さんが若手の議員として昔から活躍されていて、地域政党も作って今回の選挙は12年ぶり2回目に市長に挑戦されたことに注目していたんです。

結局、この新聞対決の中でどちらからもスルーされるような形になってしまって埋没してしまったんですけど、得票率は20%ということでですね、立派な得票率だったなと思っています。

今回の三極の中での京都市民の選択が、今後どうなっていくのかを注目していきたいなと思います」

乙武 「ちなみにもし村山さんが出なくて、門川さん対福山さんの直接対決という構図になっていたら、結果はどっち寄りになったんですか?」

松田 「そうですね。ここも分析が難しいんですが、出口調査で見ると自民党支持層に村山さんが一定数食い込んでいると。自民党支持層は、共産党の福山さんに入れる可能性は非常に低いですから、共産党アレルギーが強い人が多いので。となると、自民党支持層の部分での上積み票が、門川さんにけっこうあると思うんです。

無党派層に関しては村山さんに入れた人が両方にバラけるから、福山さんの票が増える要素もありますね。ただトータルで見ると、たぶん一騎打ちだったら門川さんはもっと大差をつけて勝ったんではないか。この政党別の出口調査データを見る限りでは、そういう印象があります」

乙武 「今回はかなり珍しいケースだと思うんですけど、立憲や国民は国政として対立関係にある自民・公明側に乗っかった。この構図が、今後の国政選挙に与える影響はどうでしょう?」

松田 「実際にやはり共産党側は、非常に不快感を表明しています。書記局長の小池晃さんも立憲や国民に対しては不快感を露わにしておられる。

一方で立憲の枝野さんは京都府連など地方組織がやっていることなので、党本部は関係ありませんよというスタンスで、あまり大ごとにしないようにしているんですけど。

まあ京都の地域柄から、共産党に対しては対決姿勢を表さなきゃだめなんだという事情が、中央とは違うという意識もすごく強く残っているとは思いますが、党本部の代表が全く知らないよ~というのは、ちょっとないんじゃないかなと。あんだけTwitterとかやっといてね。

若干、逃げている印象はありますよね。まぁ、どこかで手打ちはされるんでしょうけど。微妙にしこりを残すんじゃないかなと」

候補者が6人に増えた前橋市長選とN国、しょぼい党の各党首が名乗りを上げた衆院補欠選挙

乙武 「じゃあ、今後の注目選挙も見ておきましょう」

千葉 「今後の注目選挙の1つめは、2月9日投開票の前橋市長選挙です。3選を目指す現職の山本龍さんに新人5人が挑む構図になっています」

乙武 「あれ、こないだより1名増えました?」

松田 「エビネあらたさんという方が、あらたに加わりましたね」

千葉 「そしてもう1つ。これは少し先ですが4月26日投開票の衆議院補欠選挙。各党、次の衆院選を見越して、さまざまな思惑がある中で、N国の立花隆党首も出馬を予定しています」

乙武 「あれ? 一番右の矢内さんって、この前八王子市長選に出てた人の……」

松田 「そうそう、その候補が所属するしょぼい政党の党首ですね」

乙武 「いよいよ党首のお出ましか!」

松田 「ここでN国としょぼい政党が対決と。まぁどういうことになるのかわからないですけど、共産党では島津さん、田中さんという方は国民推薦で出られるようで、立憲民主党は今のところ候補者を立てないスタンスのようですが。

この補欠選挙では共産と野党が力を合わせる野党共闘とは少し違う形の中で、N国やしょぼい政党という2つの新興政党も加わって、どんな戦いになるのか……」

乙武 「注目ですね!今回はこちらまでとなります。チャンネル登録と高評価、よろしくお願いします」

 

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