リサーチのために三原じゅん子氏のTwitterを見ていたときです。
「上手いな!」と思ったので即取り入れました。
【拡散希望】
野党共闘に屈してはいけません‼️ pic.twitter.com/efvCLxycf6— 三原じゅん子 (@miharajunco) July 5, 2019
演説する本人ではなく、聴衆を真ん中に配置して撮影していたのです。
立候補者が演説する様子を正面から撮影すると、スタンドアローン状態になって寂しい感じを与えてしまいます。
選挙期間中に必要なのは「たくさんの有権者に支持されている様子」です。
そこで聴衆や有権者の姿が入った動画や写真を撮りました。
せっかく人を動員するのですから、現地だけでなくインターネットでも効果的に活用しましょう。
とくに地方選挙では、まだまだこの発想はありません。
規模の小さい選挙ほど、人が集まっている様子は有権者にとって貴重な判断材料になります。
撮影アングルを少し工夫するだけで印象が大きく変わるので、地方選挙では仲間やボランティアを上手に活用して撮影していきましょう。
ここまで永野が実践してきた作業の一部を解説しました。
あらためて箇条書きにすると…
・公式ホームページ制作のアドバイス
・公式ブログ管理運用
・Facebook個人、Facebookページ管理運用
・Twitter管理運用
・Instagram管理運用
・Googleマイビジネス管理運用
・LINE公式アカウント管理運用
・選挙ツール「ボネクタ」管理運用
・YouTube管理運用
・Facebook広告管理運用
・写真や動画の撮影
・ライブ配信
・動画編集
・画像加工
タスクレベルの業務はざっくりとこんな感じ。
ライバル候補のリサーチ・チェックと対策考案やほかの地域のリサーチなど、タスクレベル以上の業務も同時に行っていました。
目次
立候補者本人が永野が実践した内容をすべて実行するのは絶対に不可能です。
まず理解していただきたいのは、選挙でインターネットを使う場合は先のようなタスクが発生する事実です。
そして立候補者本人はまず…
TwitterとYouTubeを始めてください。
とくに重要視すべきは、Twitterです。
Twitterにアップできる動画は2分弱で、尺の短い動画しかアップできません。
だから、逆に動画で発信する練習に最適です。
しかもTwitterはGoogleなど検索にも強い。
そもそも140文字しか書けないため、最小の負担で検索において大きく目立てるのがTwitterなのです。
文字数が少ないですから、SNSとして運用するのも負担が少ないのです。
まずは短くてもいいから発信の練習として、Twitterを活用しましょう。
議員は別名「弁士」と呼ばれます。
言葉を操って自分の思いや気持ちを伝える専門家です。
しかし弁士は集会や辻立ちで話すのだけが仕事ではありません。
弁士と名乗る以上、文字や動画すべてにおいて伝えるという行動に妥協すべきではないと、僕は思います。
昔ながらの組織票やドブ板選挙は、どんどん通用しなくなってきています。
以前は立候補者の情報を得る手段はポスターくらいで、人の意見を参考にするしかなかった。
しかし今は、手のひらにあるスマホで有権者が自由に情報収集できる時代になったのです。
立候補者本人が発信している文章や動画・SNSを誰でも簡単に見られます。
立候補者本人の一次情報を簡単に見られるようになったのです。
有権者を組織票でがんじがらめにできる時代は終わりました。
そして一人ひとりが投票先を判断する材料が揃ってきているのです。
れいわ新撰組やN国党から参議院議員が生まれたのは、ネットで情報収集した有権者がこぞって彼らに投票したからです。
選挙前、彼らはまったく注目されずマスメディアにもほとんど登場しませんでした。
れいわ新撰組やN国党の情報に触れられるのは、インターネットだけでしたから。
だからこそ立候補者は自ら一次情報の発信に注力していかねばなりません。
そうしないと、そもそも有権者が判断する土俵にすら上がれなくなってきているのです。
インターネット上に本人の豊かな一次情報がなければ、投票以前にそもそも立候補者として認識されない時代がもうすぐそこまで来ています。
しかし立候補者みずからがワンストップで情報発信するのは、非常に負担が大きいですよね?
僕は選挙における地上戦を決して軽視していません。
むしろ地上戦の熱量が無ければ、空中戦つまりインターネット選挙広報いくら頑張ってもムダであると考えています。
立候補者は全力で熱量を持って地上戦をやり切る。
いっぽうで同時に地上戦の様子をインターネットで逐一発信する。
地上戦・空中線を両輪のように回すのが理想です。
ですから、選挙におけるインターネット情報発信を担える人材育成が必要不可欠なのです。
今後は選挙そして民主主義が成熟していく過程において、インターネット選挙公報に関わる人材育成は避けて通れないでしょう。
そうしないと、N国党のように「ただ煽るだけの人間」がどんどん議員になってしまいます。
「周りがインターネット選挙対策をやっていないから、自分のところもまだいいだろう。」
それは有権者を見ての判断ですか?
有権者は立候補者の一次情報を求めています。
有権者を一番に考えるなら、立候補者本人が豊かな一次情報を発信するのは、もはや義務だと思うのです。
そして有権者を大切に思う姿勢と行動は、結果として選挙の勝利につながるのです。
今Twitterのタイムラインには、れいわ新撰組やN国党がきっかけで政治関連の発信が増えています。
何がきっかけであろうと、政治について侃々諤々・是々非々が語られるのはとてもよいと思います。
有権者は政治の話をするために、政治家・立候補者の発信を求めているのです。
投票率を上げるために必要なのは、芸能人を起用したキャンペーンでも派手なポスターでもない。
政治家・立候補者みずからが豊かな一次情報を発信すれば、選挙や政治の議論が活発になり結果投票率が上がるのです。
「なぜ立候補したのか?」
「なぜこの政党に所属しているのか?」
「なぜこの政策に賛成しているのか?」
有権者は政治家・立候補者の「なぜ」をまったく知りません。
有権者が一番知りたいのは…
どこに視察に行ったとか、議会で何が決まったのかではないのです。
「なぜ視察に行ったのか?視察に行く前と行った後でどのように変化するのか?なぜ変化するのか?」
有権者が知りたいのはすでに決まってしまった結果、行動し終えた後じゃない。
その前の「なぜ」を知りたいのです。
立候補者が「なぜ」を豊かに雄弁に語れば、立候補者が当選した後の景色を有権者は想像しやすくなります。
つまり投票する理由がハッキリするのです。
結果「なぜ」を語り続ける立候補者に自然と票が集まるでしょう。
永野が今回の発信でお伝えしたいのは、インターネット選挙広報における小手先のテクニックではありません。
立候補者が情報発信を重要視し厚くすれば、政治が盛り上がる議論を活発にし、結果当選につながる仕組みです。
このレポートが、選挙におけるインターネット情報発信を真剣に考えるきっかけになれば幸いです。
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本記事は「インターネット選挙参謀」の永野護氏のブログからの転載です。選挙ドットコムが転載を打診したところ承諾いただきましたので掲載しています。
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