6月23日に告示された東京都議会議員選挙。全部で42ある選挙区の中で、もっとも大きな注目を集めている選挙区の1つが千代田区(定数1)です。
都議会のドンと呼ばれ、7期28年(途中1回落選)にわたって議席を守り続けてきた自民党の内田茂氏が引退を表明。今回の選挙では、樋口高顕氏(都民ファーストの会・34歳)、須賀和男氏(無所属・61歳)、中村彩氏(自民党・27歳)、後藤輝樹氏(国民ファーストの会・34歳)の4名が立候補しています。今回は先日の記事で総決起大会の様子をご紹介した中村彩候補以外の3名の選挙運動についてレポートします。
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須賀氏は共産党、新社会党、自由党東京都第1区総支部、社民党千代田総支部といった超党派の推薦を受けており、告示後第一声の演説には民進党、共産党、無所属の千代田区議会議員や地域の町内会長、参議院議員の福島瑞穂氏(社民党)と、多様な顔ぶれが応援にかけつけました。
須賀氏はこの2年間、超党派の区議団による安保法制廃止と護憲を呼びかける運動に関わっており、「安倍総理が2020年に憲法を改正すると宣言した直後であるから、絶対負けられない戦いである」とこの選挙を位置付けました。
また須賀氏は米の無農薬有機栽培に26年間関わって、食の安全にこだわり続けてきた立場から、土壌汚染を無害化できていない豊洲に市場を移すことに強く反対する立場で、築地の再整備を主張しています。
加えて、同じく26年間私立の認可保育園で理事を務めた経験から、安心な環境で待機児童をゼロにできるよう取り組みたいと語りました。
駐ミャンマー大使で元警視総監の樋口建史氏を父に持つ、都民ファーストの会公認の樋口高顕氏は、大きな駅での街頭演説はあまり行わず、公明党所属の区議会議員らとともに千代田区内の住宅地や商店街を選挙カーで回り、有権者に近い距離で直接訴えることに重点を置いた選挙活動を展開しています。
千代田区は官公庁やオフィスが多く立ち並ぶ一方で、当落のカギを握る投票率の高い古くからの住民も多いためか、演説の中でも須賀氏とは対照的に地域コミュニティへの支援や高齢者対策の充実といった市民生活に直結した政策が目立ちました
新しい政党・フレッシュな顔ですはありますが、地域のラジオ体操に参加するなど、慣れた様子で選挙戦を戦っています。
自身の半裸の写真や、ホストクラブの広告のような選挙ポスターを掲示、昨年の都知事選挙では政見放送で放送禁止用語を発してカットされたりして話題になるなど、政策以外のパフォーマンス先行で認知されてきた後藤輝樹氏。過去には以下のようなポスターが話題を集めていました。
以下は今回のポスターです。前面にびっしりと自身の政策を書き並べており、これまでのものと一線を画すだけでなく、誠実な印象を与えるものとなっています。
また、同じく前回の都知事選を戦い今回の都議選にも出馬しているマック赤坂氏(世田谷区)、立花孝志氏(葛飾区)との合同演説会を企画するなど、今までにない真面目な選挙を取り組んでいます。取材した六本木で行われた合同演説会では前半、奇声をあげて意味不明な言動をするパフォーマンスがあったものの、後半では築地移転問題などをあげながら小池都知事や都民ファーストの会にはビジョンがないとして強く批判し、これまでの後藤氏のイメージを一変させる演説で聴衆を驚かせました
以上、4者4様、さまざまな選挙を戦っている各陣営。投開票の7月2日にはこの中の誰が選ばれるのか。そしてその後の4年間どのように議会で活動してゆくのか、引き続き注目です!
なお、同じく千代田区選挙区から立候補している中村彩(なかむら あや)候補に関する記事は、こちらよりお読みください。
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