そこには裁判傍聴のような人間ドラマもなく、あるのは答弁に立つだけで巻き起こる謎の拍手と都議会自民党vs小池百合子知事の「外でやってくれ」感満載の戦い。
当初の予想通り正直つまらなかった都議会傍聴でしたが、それでもなぜ都政監視委員会の皆様、そして宇都宮健児さんは都議会の傍聴を続けるのでしょうか。
都政監視委員会広報の丸井さんと宇都宮健児さんにインタビューを行いました。
-選挙ドットコム ライターひがし (以下、ひがし)
「都政監視委員会」とはどんな集まりなのでしょうか?
-都政監視委員会 広報丸井さん (以下、丸井さん)
都政監視委員会は入会・退会などの制度を設けていない、東京都の有権者であれば誰でも参加できる個人の集まりです。代表者もいません。2014年頃、都政の状況に危機感を覚えて発足しました。
「東京の有権者であれば全ての人が監視委員会だよね」という考えのもと、講演会や都議会の傍聴ツアー等を行っています。
-ひがし
面白さを求めて監視しているわけではないんですね。すみませんでした。
宇都宮さんは都政監視委員会の考えに賛同して「宇都宮さんと行く!都議会傍聴ツアー」に参加されているのですよね。
-宇都宮健児さん (以下、宇都宮さん)
はい。私自身が2012年と2014年の都知事選に出馬しており、今年の都知事選にも出馬を決意していましたが、様々な事情があって撤退した立場です。
その時の私がそうだったように、選ばれた政治家も公約を持っています。ただ選挙で選ばれて終わりではなく、選ばれた後に都政を行っていく中でその公約が果たされるのかを監視しようと考え、都議会傍聴ツアーへの参加を続けています。
また、都議会を傍聴することによって、東京都でどのようなことが問題になっていて、知事はどういう方針でそれに取り組もうとしているのか、都議会は機能を果たしているか等がチェックできます。
-ひがし
確かに選挙に行こう!という働きかけはあっても、そこがゴールのような風潮はありますね…。そこがスタートなのに。反省しました。
都議会傍聴をする上で、ここに注目すべきだ! というポイントはありますか?
-宇都宮さん
特に小池知事になってからは「情報公開」が重要視されているので、比較的事前に各会派の質問内容が丁寧に配布されています。小池知事の公約が果たされているのかと、各会派の反応に注目すると面白いですよ。
また、傍聴の合間の休憩時間には展望台のレストランに行ってみてはどうでしょうか。コーヒーを飲みながら感想を述べ合ったりして、政治のことを気楽に話せる世の中になったらいいですね。
-丸井さん
議員さんは傍聴席に向けて背を向ける形で着席していますが、意外と傍聴席の方を気にしているらしいんです。傍聴人がたくさんいれば議員さんも居眠りしづらいですしね。
-ひがし
(居眠りしてごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)
…というわけで、都議会傍聴は裁判傍聴のように人間ドラマの面白さを求めて行けるところではありませんでしたが、東京都民が選んだ都知事と都議会の働きをチェックするという意味では非常に大きな意義があると分かった取材になりました!
一度開会すると長い長い会議ですが、途中で何度も休憩が挟まれるほか、傍聴席は開会中も出入り自由。定例会は原則年4回、2月・6月・9月・12月に行われます。
東京都民の有権者の皆様、長くて短い人生、一度くらいは人生経験として東京都議会の傍聴に行ってみるのはいかがでしょうか?
私ももう1回くらいきちんと行ってみようと思います。今度はもう居眠りしません!
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