今夏の参議院議員選挙では、全国各地で若者の政治参画に向けた取組みが行われました。総務省が発表した参議院議員選挙への18歳有権者の投票率は51.3%。全世代での投票率54.7%をやや下回る結果となっています。若者が政治に参加していくための取組みは、これからも継続して行われていくことが期待されています。
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埼玉県入間市では、9月9日に高校生を交えたマニフェストの検証イベントが開催されました。

田中市長は2012年市長選挙の公開討論会において、主催者からの求めに応じてマニフェストを作成。当選後は、毎年、地元青年会議所の要請を受けて、市民の前で公開討論会用に作成したマニフェストの検証を行っています。18歳選挙権が実現した今年は、遂に高校生も交えた会として開催されることになりました。
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当日、登壇したのは市内の県立高校に通う生徒たち。生徒たちからは、マニフェストの評価結果への言及に加え、具体的な提案も行われました。
例えば、市長がマニフェストで約束し、実行に努めている「シティセールス活動」。
この活動に対して、「入間の魅力が世の中に伝わるように、独創的な動画で注目を集めた宮崎県小林市などを参考に魅力の発信をしてほしい」といった意見や、「三大銘茶である狭山茶の主産地として、他の産地とのコラボレーションを」といった提案がなされ、田中市長から「面白い。ぜひ考えてみたい」といった答えも引き出されました。
一方で、入間産のお茶を新たに「入間茶」ブランドとして売り出す提案には、市長から「過去に同様の取組みを行ったときは定着させられなかった。良いアイディアだと思うが、例えば期間限定の取組みにして希少価値を高めるなど、もう一工夫考えてみてもらいたい」と返答される場面も。検証活動への参加は、まちづくりの現場での創意工夫の必要性について生徒たちに考えさせる機会ともなっていました。
市長からは「市民が自らのまちの魅力を知り、暮らしに充実感や誇りを持てるように、提案なども参考にまちの魅力の発掘、発信に努めていく」ことが語られ、このテーマでの議論が締めくくられました。
もちろん、この日に向けては事前準備も行われています。

写真は、8月に行われた事前勉強会の様子ですが、市長との対話に向けて、大人が適切に準備の過程や場をデザインすることができれば、生徒たちが自らの感性を生かして課題を発見、具体的な提言、対話を行っていくことができると思います。
事前勉強会での議論を踏まえ、高校生自ら、問題を感じている歩道と車道のつなぎ目(段差)を撮影、「他市よりもパンク修理の数が多い」といった自転車店員の発言を紹介し、歩道整備方法の提案を行ったことなどは、若者の感性が事実の裏付けを得ながら具体的な提案に結びついた象徴的な事例でした。
今回のイベントに参加した生徒たちからは「楽しかった。こういったイベントがもっと広がってほしい」「まちへの愛着がより深まった」といった声感想が寄せられています。
田中市長からも、今後も対話を求める生徒の提案に対し、政治教育の必要性や、市議会議員の協力なども得ながら、今後もそのような場面が作られていくことを願うことが語られ、会の締めくくりに向かっていきました。
文部科学省のでは「模擬選挙等の実践的な学習活動」を予定している学校は40%に満たないことが明らかになっています。参議院議員選挙の結果から、若者と政治との間にまだまだ隔たりがあることも示されています。若者が主権者意識を育んでいくためにも、選挙を題材とした取組み以外にも、政治家と生徒たちとの対話など、様々な活動事例が積み重ねられていくことが期待されます。
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