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デモだけが政治活動じゃない、「10代の若者は選挙をどう変えるのか」イベント報告【前編】

2015/11/1

小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

10月28日(水)に、変革期を迎えた「若者と政治」「18歳選挙権」について、武蔵大学の学生主催のトークイベントが行われた。

今夏以降、安全保障関連法案への反対運動が盛り上がり、大学生を中心とした学生団体「SEALDs」(シールズ)がメディアで大きく取り上げられたのと同時期も、選挙権年齢が18歳に引き下げられる法案が成立した。これにより、来年7月に行われる参院選挙では、新たに240万人が選挙権を持つことになる。

高校生から選挙権を持つこと、高校生・大学生の政治に対する意識、投票率の低さや安保闘争で断絶していた政治と教育など、若者と政治についてのディスカッションの模様を3回に分けてレポートする。

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左から高橋さん、原田さん、西さん、内田さん

「18歳からの選挙を考える〜10代の若者は選挙をどう変えるのか〜」

<司会>
武蔵大学社会学部メディア社会学科3年 西浩平さん
武蔵大学社会学部メディア社会学科2年 内田夏帆さん

<ゲスト>
原田謙介さん:学生団体ivote元代表、NPO法人 YouthCreate(http://youth-create.jp)代表 大学時代の2008年に学生団体を立ち上げ・2012年にYouthCreateを設立し、若者と政治をつなぐ活動をする。29歳。
高橋茂さん:株式会社Voice Japan代表取締役(http://voicejapan.org/company-2/profile)、武蔵大学非常勤講師 2000年の長野県知事選をきっかけに、政治に関わる。2006年に選挙情報サイト「ザ・選挙」を立ち上げる。55歳。

行動する若者の登場で流れは変わる!?

西浩平さん(以下、西):SEALDs(シールズ/大学生を中心とした、安保法案に反対するグループ)やT-nsSOWL(ティーンズソウル/高校生を中心とした、安保法案に反対するグループ)がメディアに取り上げられました。今回のテーマの当事者層でもある武蔵大学の学生に「SEALDsという団体を知っていますか」と聞いたところ、名前を知っている人が多数派でした。

原田謙介さん(以下、原田):僕のような30歳くらいの人間がやっているのなら、そんなに取り上げられないだろうし、やはり同じ学生がやっているということがデカイんじゃないですかね。SEALDsみたいな人たちが出てきて、学生が政治的な主義主張をもって、これだけ学生の間に広がっているというのは、面白いことだな思います。日本では若者が行動していなかったし、若者の団体がひとつ世の中に出たというのは、今まで基本的にはなかったし、これまでにない流れですから。

西:SEALDsが出てきたタイミングで、選挙権の18歳というのが決まって、若者と政治の関係が変化の時だなと僕は感じるんです。

高橋茂さん(以下、高橋):今回の安保法案でSEALDsが出てきて、最初は「共産党の別部隊だ」とかいわれていましたけど、各個人に立脚して、それぞれが危機感を持って「何か声を上げなければ」と呼応しあって集まったように僕には見えます。何かイデオロギー的なものが強いのかと思ってたけど、すごく自然体で、全く新しい形の運動が始まったと思ったんですよね。今までは、ある特定の人たちがやっていたような雰囲気だったものが「誰でも声をだしていいんだ」ということが分かってきたことが、SEALDsが出てきた一番の魅力だと思います。

西:これで投票率は上がると思いますか?

原田:かなり悩ましいところですね。あまり変わらないと思いますけど、可能性を感じる部分は、同じ学生が政治に対して直接的な行動をしていることによって、学生の政治に対する興味が少し上がったのでは? 地方政党の党首の名前は知らなくても、SEALDsの名前は知っている人は大勢いるので、この盛り上がりが、次の選挙や安保法案以外のものに対してもつながるといいなと思います。

高橋:投票率はこういった運動とはちょっと別の問題になってくるんですよ。自民党的には、次の参院選は経済だけで通そうと思うはずなんです。野党は安保法案や憲法、原発問題などいろいろあるんですが、それをやられると困る。僕が自民党の戦略担当だったら、その辺は一切触れずに、消費税と経済政策をいう。そうなると、与野党で噛み合わなくなってきて、それでしらけて投票率が下がるということもあるんですね。

西:学生へのアンケートの中で、選挙以外のデモや集会などに参加したことがあるかも聞きました。「ない」が98%でした。

原田:政治に対する異議申し立て活動が、デモや集会しかないと思われているのかな。例えば、駅前で演説をしている政治家がいて、その人と同じ考えであれば「おはようございます」「応援してます」と声をかけるだけで、申し立てまではいかなくても、少なくとも政治家にとっては力になる。デモだけではないということを知って欲しい。
それに、選挙の次のステップがデモや集会って、遠すぎるんじゃない? 本当はその間にいっぱい方法があって、それがちゃんと伝われば、いろんなアクションにつながる。もう少し、身近な範囲の政治への参画というイメージもできると思うんです。デモだけではないということを知って欲しい。

関心を持つ=将来の政治家なの!?

西:ところで、僕はただ単にデモの撮影に行っただけで「政治家になるの?」といわれたりするんですが、原田さんはどうですか?

原田:政治に関わってると「あなた政治家になるんでしょ」といわれるんですけど、政治家だけが政治をやっているわけじゃないのに。フットサルをしている人が全員「フットサル選手になるんでしょ?」っていわれないでしょ。そこはなんとか変えないといけないと思いますよね。

高橋:自分が好きなことをする中で、何かを変える必要があって、それをするために政治家になるという人が一番いい。そういう社会にしなくてはいけないのに、政治、政治といってる人や政治家の家族が政治家になっているのは、あまりうれしくない社会だと思います。

原田:あと、政治家になったらずっとやらなきゃいけないという社会も面白くないなと。やりたいことがあって政治家になるんだから、それができたら辞めてもいいし、またやりたいことがあれば戻るとか、ぐるぐる回るようなイメージになってもいいのかなと思います。

なぜ選挙権年齢が18歳に引き下げられたのか

西:選挙権年齢が引き下げられた理由はなんでしょうか

原田:正直、よく分からないです。大前提としては、憲法改正のための国民投票が18歳から投票できるように引き下げる法案ができるまでに、選挙権も年齢をそろえることは決まっていたけど、明確な意図があるわけではないんですよね。だから、国会に呼ばれたとき「なぜ下げたか?」ではなく、僕の方で勝手に「若い人の力が必要だと政治家が認識した」と解釈して「これによって、どうのように社会が変わるのか、変えようと思っているのか?」について喋ったんです。政治家や大人が、上から「お前ら投票に行けよ」ということではなく、あくまでも「若い人の力が欲しい、力を貸して欲しいということで、そのアクションのひとつとして選挙年齢を下げたということですよね?」ということを伝えたんです。

西:今、18歳の人とかは「選挙権が欲しい」といって法改正になったわけではないですし。

原田:実際にそういう動きもなかったわけではないですけど、あくまでも政治家側、大人側の主導でそうなったということですよね。

> 投票率を上げるには、見返りが必要 or 投票を義務化?「10代の若者は選挙をどう変えるのか」イベント報告【中編】

 

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小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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