2022/6/2

一般財団法人 地域開発研究所
牧瀬稔 makise@ias.or.jp
議員活動は目的ではない手段である
・自治体の目的は<住民の福祉の増進>にある。
住民;住んでる人、そこに拠点があるもの(法人も含む)
福祉;welfare 広義な意味を持ち幸福感と換言できる。
増進;「向上」では無い。
すなわち自治体の目的は、自治体住民の幸福感を増進させることにある。
そこで議会の二つの権能「執行機関の監視」と「政策立案」
執行機関の監視機能
(でも本当は執行部から案が出る前に決まっている。その前に延々と調整を重ねているので、否決される方がむしろ問題)
政策立案機能
(2011年無提案議会が91%:議員提案条例を手伝う職員は飛ばされるのが現状)
ではどうするのか?
政策研究(議員)→政策立案(議会)→政策決定(議会)→政策実行(行政)→政策評価(議会)
議員は研究立案、議会が決定、当局が実行、議会が評価。地方自治法第2条第12項 自治解釈権 (2001年一括法で追加)
国からの通達が廃止され、現在は自治体独自に法令を解釈し事務を進めることが原則化。
議員提案条例は10条程度がちょうどいい。短くても良い 。
方向性を決める。細かい所は任せる。議会にも法務担当を置くべき。(執行機関の法務担当の再任用が良い)
議員提案条例は罰則をつけない方がいい(警察との調整が面倒だから)
しかし、秩序罰として過料をつけることは出来る。(2005年12月7日最高裁判例; 条例も法的根拠の一部をなす)
法律の反対解釈
『法に書いてないことはやっていいい』
踊らされる振りをして踊る(上部構造の顔を立てる)。国と地方は対等という原則。
前文の価値
前文は「法規範」であるが「裁判規範」ではない。
グレーゾーンは前文に書く。前文で議会としての意思表示をすることが大切。(予算根拠となる条例を議員提案すると後が大変。例:北海道某市の「子供の学力を保証する条例」)
罰則よりも氏名公表
氏名公表は基本的人権に関わるかもしれない。(それでもやって良い。裁判を受けて立ち、判例を積み上げる努力が必要)
条例は「ですます調」でわかりやすい条例が良い。
条例作りの基本的流れ
①問題発見→②現地調査と情報収集→③立法目的の確定→④立法目的事実の明確化→⑤委員会の設置→⑥類似条例の調査→⑦類似条例の類型化→⑧要綱の作成→⑨条例案の作成→⑩逐条解説の作成→⑪報告書の作成、→そして⑫政策提言集
問題発見の3視点
・複眼思考
・先入観や偏見を捨てる 通説を疑う
・数字を把握する 数字の持つ意味を考える
(感想)
・後半は様々な議員発議の条例を紹介していただいた。そして、そうした条例の逐条解説を取り寄せて読んでみると良いというのは貴重なアドバイス。
・・地方分権一括法で「自治解釈権」を得たことで、地方自治は次のステージに入った。というか入ったはずなのにまだまだ議員発議の条例は少ないのが現実。当局提案が9割という現状から少しづつ我々も脱却しなければならない。条例データベースedenなど我々の新しい武器もある。
・行政はコンピュータの指示通りに働くロボットのようなものであり、条例はそのプログラム。ロボットの3要素は「認識」「判断」「実行」。一括法以前は国がつくったプログラムで地方も動いていたが、これからは自分の頭で「判断」し「実行」していく事が必要。何故ならば最も身近で市民の生活を「認識」出来るのは、国ではなく地方自治体のはず。そして条例に「政策提言集」をつけることで、そのプログラムへと誘導していけば、行政はきちんと対応してくれる。
・「横出し」「上乗せ」といった条例を地方の実情に合わせて創っていくことが「住民の福祉の増進」に繋がるのであれば、我々はそうした努力を放棄すべきではない。自治体の存在価値はそこにこそあるのだから。
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ホーム>政党・政治家>鈴木 こうじ (スズキ コウジ)>議会が提案する政策条例のポイント 〜政策条例を実現する視点の提供 (2016.5.31)