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アフィリエイターがWeb選挙参謀になって参院選の愛媛県選挙区で落選したがネットを駆使して奮闘した話

2019/8/1

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

「インターネット選挙参謀」の永野護氏が、今回の参院選で自身がインターネット選挙参謀として携わった候補者のインターネット選挙対策について自身のブログで振り返りました。選挙ドットコムが転載の依頼をしたところ承諾をいただいたので掲載します。
永野氏はブログ内で「有権者を一番に考えるなら、立候補者本人が豊かな一次情報を発信するのは、もはや義務だと思うのです」と選挙を戦う上でのインターネット選挙対策の重要性を強調しています。

参議院選挙負けました。

らくさぶろう氏の陣営のもと、インターネット選挙参謀としてすべてのインターネット媒体を管理し発信しました。
しかし結果は敗北。
インターネット選挙対策における敗北の最大理由。
それは松山市議会議員選挙や愛媛県議会議員選挙での成功体験を捨てきれきれないまま、インターネット戦術を決めてしまったことです。
松山市議会議員選挙や愛媛県議会議員選挙は、数十名が立候補します。
つまり有権者の意識は、
「誰が立候補しているかわからない」という状態から始まります。
しかし今回の参議院選挙は、「らくさぶろうVS永江孝子」。
立候補する人が明確です。
初動の戦術選択の誤りに途中から気づいたものの、最後まで徹底的な修正に振り切れませんでした。
深く反省しております。

また愛媛県議会議員選挙のように、立候補者と二人三脚でインターネットを重要視した選挙戦略・戦術を練られなかったのも一因です。
しかし戦略はともかく、参議院選挙で実施した各種戦術は十分に効果はありました。
そこで参議院選挙で実践した「戦術」にフォーカスして、いくつかピックアップし紹介していきます。

僕はひとまず選挙が「エンタメ化」してもよいと思っています。
なぜなら、選挙に興味を持たない・投票に行くための情報収集をしない今の状況よりも、選挙がエンタメ化して注目される方が遥かに社会の進化に寄与すると信じて疑わないからです。
そのため紹介する選挙戦術は「選挙のエンタメ化」を意識した施策になっています。
そして選挙をエンタメ化するためにもっとも簡単で効果が見込めるTwitterをメインに、解説していきますね。

1.演説をライブ配信する

過去2回の地方選挙で感じていた矛盾。
それは、その場にいる人だけしか立候補者の演説を聞けない現実です。
多くの人の手のひらにはスマートフォンがあります。
ですからSNSでライブ中継して手のひらに届けたいと思っていました。
そこで、愛媛県議会議員選挙の時よりも積極的にライブ配信を活用しました。

らくさぶろう氏の出陣式や松山市に安倍総理がやってきたときには、Facebook・Twitter・Instagramで同時三元中継を行いました。

10メートル以上離れた距離から撮影した動画がこれ。

民生機レベルでもそこそこの動画が撮影できます。

※三元中継に使用した機材フル→SONYHandycam・iPod touch・iPhoneSE・MacBook Air・Handycamをウェブカメラに変換するアダプタ&ケーブル類・三脚3台・機材格納旅行カバン・通信用Wi-FiとしてWiMAX

SONYHandycam&MacBook Air→Facebookライブ&録画/iPod touch→Twitterライブ/iPhoneSE→Instagramライブ/WiMAX→各デバイスをネットに接続

撮影用のビデオカメラは、この価格帯のカメラで十分です。

ライブ配信をするときに注意すべきこと

修正ライブ配信時に一番気を付けるべきは…

カメラが揺れないことです。

自撮り棒を使ってライブ中継をすると、どうしてもスマートフォンが動きます。

実際に視聴者側から見ると、多少の揺れでもかなりのストレスを感じます。

そこで今回の参議院選挙では、ビデオカメラ用三脚にスマートフォン固定用オプションをつけて配信中に画面が揺れないようにしました。

iPod touchを固定している三脚

実はどうしても三脚が使えない場所があって、その時は自撮り棒でライブ中継していたのですが…。

TwitterやFacebookのフォロワーから「画面が揺れて見えづらい!」と苦情をいただきました。

ライブ配信時は、中継するスマホを固定し撮影中の画面が揺れないようにするのが最重要です。

ライブ配信に使うスマホ

ところで中継にする使用するスマートフォンは、必ずしも高機能である必要はありません。

今回の参議院選挙でライブ中継に使ったのは…
最近出た「iPodtouch」です。(※正確には「新iPodtouch(第7世代)」と呼ぶらしいです。)

スペックはiPhone7と同等ですので、最新のスマートフォンに比べると性能は劣るでしょう。
しかし選挙活動でライブ配信するだけなら、処理速度も画質も十分です。

iPodtouch内蔵のマイクもそれなりに性能が高いため、立候補者の声をきちんと拾ってくれました。

ライブ配信に使うネット回線

ライブ配信にiPodtouchを使った理由が、もう一つあります。
万が一ライブ中に電話がかかってくると、ライブに着信音入ってぶち壊しになってしまいます。

選挙戦は常に電話連絡が想定されますから、一時的であっても電話機能を止めておくのは困難です。
電話機能が省略され単体ではインターネットに繋げないiPodtouchであれば、ライブに集中できるメリットがあります。

ただしiPodtouchはそのままでインターネットにつなげません。
そこで、WiMAXを活用しました。

ライブ配信はそれなりにデータ通信量を必要とするので、携帯電話の契約によっては通信できるギガ数をすぐに使い切ってしまいます。
WiMAXは3日で10ギガという通信制限がありますが、ライブ配信が目的なら十分な通信ギガ量を確保できます。

Facebook・Twitter・Instagramすべて使用する3元中継ライブをするなら、WiMAXを使ってライブ配信ように独立したインターネット通信環境を用意しておくのは必須でしょう。

選挙のライブ配信はとにかく簡単・お手軽

TwitterやFacebookのアカウントさえあればライブ中継可能です。
しかも必要なのは、ごく一般的な性能のスマートフォンと三脚だけです。

ライブ中継は数回ボタンを押すだけで開始できます。
それにライブ中継はタイムラインにそのまま残りますので、生放送で見られなかった有権者も、あとから見られるのです。
今後の選挙活動において、ライブ配信は必須の情報発信になると確信しています。

2.ツイートの内容を工夫する

残念ながら多くの有権者は選挙に興味がありません。
SNSは親しい人や自分がフォローしたい人の情報を見るのためのツールであって、選挙の情報を集めるメディアではないのです。
ですから、文字数制限がないからといって、FacebookやInstagramでダラダラと文章を書いても読んでくれません。

Twitterには140文字という字数制限があります。
140文字は、有権者にさらっと読んでもらえる最大文字数の目安としました。
しかし140文字で有権者に選挙情報を届けるのは非常に難しい。

そこで考えたのが…

140文字よりもずっと少ない文字数で、有権者に動画を見てもらうフックを与える方法です。

まず動画の簡単な概要を書きます。
あえて動画の一番大事なところを伏せて、「動画を見れば伏せている部分がわかる」構造にしました。
誰に投票するか決めてもらうずっと前段階として、まずらくさぶろう氏の情報に触れてもらうのが大変重要です。

Twitterや他のSNSの目的を、

らくさぶろう氏を選んでもらうのではなく、らくさぶろう氏の発信に触れていただく

に定めて運用しました。

それでは実際の発信を引用して、有権者がらくさぶろう氏の情報に触れる工夫を紹介していきますね。

再生回数2.2万回・ポイントは「羽化」

いきなり選挙終盤戦のツイート。

投票日前日の段階で2万回以上再生されました。
選挙最終になると、立候補者の演説回数が増え似たような内容になってきます。
そこで他の演説と差別化するために、

タレントから政治家への変化=「羽化」と表現しました。

「羽化」という言葉が加わったことで、単に応援するのではなく「成長を見守る」要素が加わったため、再生回数が伸びたものと思われます。

演説場所の「つながり」をアピール

ライバル候補は3年かけて愛媛各地をくまなく歩き回っています。
そのため演説をする場所ごとに歩き回った時の思い出話をすることで、有権者に独自の切り口でアピールできます。

対するらくさぶろう氏は、政治活動として愛媛を回り始めるのが遅かった。
そこで、少しでも地域とのつながりをアピールし地元の有権者に特別感を持ってもらうために、

学生時代にまでさかのぼる原点・西予市明浜

という文言をつけました。

西予市以外に住んでいる方・西予市にゆかりのない人にも興味を持ってもらうためです。

亡父をよく知る方との邂逅で感情を動かす

たまたまですが、同行していた撮影担当者がらくさぶろう氏の身内ということもあり特別な動画が撮れました。

亡くなった父・故郷大洲でのワンシーンを印象深い動画にして反応を高めました。

半日で12000回再生!小泉進次郎氏にかけられた言葉とは?

選挙期間中に小泉進次郎氏が愛媛県にやってきましたが、豪雨のため松山市の演説には来ることができませんでした。

豪雨で止まった電車内で小泉進次郎氏がらくさぶろう氏にアドバイスを送る

このシチュエーション自体が一つのショートストーリーとして成立しています。
そこで演説の中でも「小泉進次郎氏がらくさぶろう氏に託す」部分だけを抽出し、Twitterに繰り返し投稿しました。
「小泉進次郎氏がらくさぶろう氏を一喝!」など多少表現を変えながら継続的に繰り返し活用し、小泉進次郎氏の名前を選挙期間中に使い切ることを目的としています。

このツイートは半日で約12000回以上再生されて、数字の上では非常に高い効果を叩き出しました。

明日の告知を毎回動画で

選挙の情報発信で重要なのは、「~で演説しました」などの事後報告ではなく、立候補者と有権者が未来や予定を共有することです。

翌日の予定を文字だけでなく立候補者本人の言葉で告知することで、演説場所の集客力アップを目指しました。
翌日の告知に特化した動画なので数十秒で撮り終わりますし、ある程度予定が確定している選挙期間なら3日分程度まとめて収録することも可能です。

簡単に撮影しアップできる上に、立候補者のリアルタイムに近い姿も有権者に伝えることができます。

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