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共産党 前委員長の不破哲三氏が選挙戦序盤に東京に“降臨”したワケ(安積明子)

2019/7/7

安積明子

安積明子

かつて事務所があった亀戸駅前で

日本共産党の不破哲三前中央委員会議長が7月6日、都内で吉良佳子候補の応援演説を行った。不破氏は七加子夫人らとともに選挙カー後部のデッキに立ち、集まった支援者たちに手を振った。

「みなさんの大きなお力で、34年間国会に送っていただきました。その間、亀戸には私の事務所も設けましたので、亀戸のみなさんにはお世話になっております。心からお礼申し上げます」

不破氏

吉良氏の演説の前に、不破氏は簡単な挨拶を述べた。東京都選挙区では吉良氏は優勢と伝えられている。そこに不破氏の応援が入るのは、いささか奇異な気持ちが否めない。

いやそれよりも、選挙戦の序盤に不破氏がマイクを握ること自体、異例ともいえるのだ。不破氏は2003年11月に衆議院議員を引退。2006年1月に党中央委員会議長を辞してから、2014年12月の衆議院選挙まで、ほとんど表舞台に立つことはなかった。

2014年衆議院選、2016年参議院選でも応援に駆け付けた

その不破氏が有権者に久しぶりに姿を見せたのは、2014年12月10日に京都市内で行われた街宣だった。刺すように寒さがしみる夕刻に、不破氏は長時間立ったまま演説を行い、四条河原町に集まった5200名の聴衆を熱狂させている。

次に不破氏が姿を見せたのが2016年の参議院選だ。7月5日に山梨県選挙区の宮沢由佳氏を応援し、翌6日にはJR関内駅前で同党の浅賀由香氏の応援演説を行った。駅前広場に停められた街宣車の上で、不破氏は30分以上も「野党と市民が総がかりで安倍政権に立ち向かおう」と訴えた。その翌々日の8日には埼玉県選挙区に入っている。いずれも選挙戦終盤の応援だ。

なぜ不破氏がこの時期に姿を現したのか。それは支持者の高齢化と無関係ではないだろう。

高齢化した支援者にいまだ影響大?

7月4日に公示され、各政党の党首がそれぞれ「第一声」を発した。日本共産党の志位和夫委員長は新宿西口で街宣を行ったが、集まった面々は高齢者が多かった。

それは選挙にも影響しているようだ。前回の参議院選では序盤、共産党は埼玉、神奈川、大阪で健闘した。定数4の神奈川選挙区では「優勢」と報じられ、定数3の埼玉県選挙区では公明党現職と3位を競い合っていた。

しかし最終的にこれらの選挙区で日本共産党は敗退。3議席増は果たしたものの、不破氏が「かつてないこと」と述べたような大躍進のきっかけを逃がしている。

よって支援者に喝を入れるためにも、不破氏の存在で鼓舞する必要があるのだろう。しかし不破氏はすでに89歳で、体力的な限界は否めない。

亀戸駅前で簡単に挨拶した後にぐるりと循環し、錦糸町駅前に街宣車を停めて支持者らと握手した不破氏は、カメラを向けるとわずかに微笑み、軽く会釈してくれた。小さくなったその両肩にいまだ責任がのっかかっているのを、この目で見た思いがした。

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安積明子

安積明子

政治ジャーナリスト。兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。 国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。 その後に執筆活動に入り、政局情報や選挙情報についてさまざまな媒体に寄稿している。趣味は宝塚観劇やミュージカル鑑賞。月に1度はコンサートに足を運ぶ。

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