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「女性議員が増えることで、本当に、暮らしやまちは良くなるのか?」(久保美樹さいたま市議会議員へのインタビュー・聞き手:池田麻里)

2019/2/11

池田麻里

池田麻里

2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めている。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのだろうか。
今回はさいたま市議会議員の久保美樹さん。日本共産党所属の2期目。明るく朗らかなご性格で地域での人気は上々。同選挙区内の男性議員を冷や冷やさせている存在。特別支援学校設立へという気持ちの入った質問を続けている。

特別支援学校の充実を求めて

-なぜ、共産党からご出馬を?

私には重度の知的障害と自閉症の息子がいまして、その子が浦和特別支援学校に通っていたんですね。その前には、保育園に通っていたんですけど、その時から人を避ける、親である私のことも避けるような行動があって。泣いてその場から逃げちゃったり。
でも、浦和特別支援学校の先生方がすごく優しくて温かくて「いいんだよー、大丈夫だよー」って。私にも「お母さん、大丈夫ですよ。私たちがもっと魅力的な授業をしますからね」って励ましてくださったんです。そういう校風だったから、息子は人が大好きになって、人と手をつなぐこともできるようになったんです。
そういうことがあって、息子が中学生になったときに、私が浦和特別支援学校のPTA会長をお引き受けしたんですね。
そしたら、もともと100人規模の学校だったのが、どんどん児童生徒が増えて、とうとう200人までになってしまったの。そしたら、子どもたちが大好きだった畳の教室も転用されて無くなってしまったり、雨の日の体育は廊下でやるなんてことになって・・・。
PTAが会議をする部屋も取れないから、外部の会議室を借りなくちゃいけなくて。これは子どもたちの環境としてひどいねって。

それで、親たちで新しい特別支援学校を作ろうって運動を始めることになったのね。そのときに「お母さん、この集会でお話してくれないかしら」とかお声がかかるようになって、行ってみたら、なんか共産党の方の参加者が多いなーとか、発言したことが赤旗っていう新聞に取り上げてもらってるなーってことが多くなってきて、信頼できる共産党員の方に出会ったの。
それで、息子が卒業して自分が動ける時間が作れるようになったら、みんなに温かい社会を作るために、私も共産党に入って、活動しよう、それが私の使命だわ、って思ったのね。

-その時は、市議会議員になりたいということではなく、共産党の一党員として活動しようっていう気持ちだったのですか?

うーん、それはとってもリンクしている話なのね。
教室不足の問題で、市にも県にも要望を出していたのだけど、特別支援学校の設置義務は都道府県にあるから、県議会でこの問題を取り上げてもらおうということで県議会議員にお願いして、その議会をみんなで傍聴に行ったのね。
その県議会でのやり取りを聞いているうちに、人に託しちゃだめだと、もっともっと熱く伝えたい、という気持ちが湧いてきて。周りの方からも、久保さんが言った方がいい、って言ってくれて。そうよね、私が言わなきゃ、あの場で私が言いたい!議員活動とかよくわからないけど、とにかく、議場で特別支援学校のことを取り上げたいんだ、って。

さいたま市は政令市だから、特別支援学校もさいたま市に作って欲しい、って声が多くて。
よしっ!さいたま市議会議員になるぞーって。でも、お金も無いし、ノウハウも無いから、誰か声をかけてくれないかしら、無所属で出るしかないのかしらね、って仲良しのお母さんたちと話してたのね。
そんなときに、たまたま、赤旗の購読を通じて知り合った地域の共産党員の方が、桜区には共産党の市議会議員がいないから、久保さんどう?久保さんに出て欲しいんだって声が多いんだよ。って言ってくれて。地区の副委員長からも声をかけてもらって。よしっ!これはチャンスだ!と。それも入党のきっかけです。それが選挙の2年前のことなので、私の中では入党イコール、候補者でしたね。

-民主党も候補者公募は広くやってたんですけど(笑)

そうだったんですね。知らなかったー。
きっかけが違ったら、どうなっていたか分からないわね(笑)

知らざれる共産党。けっこう自由です。

-共産党の組織とか活動って、外からだとなかなか分からなくて、ちょっと怖いというイメージだったりするのですが、実際のとこ、どうです?

すごく自由なの。ひとり一人が大切にされる、自由の尊重っていうことなのね。かけがえのない人生をそのひとらしくってことでもあるし。
イメージとしてはすごくガチガチなんじゃないか、って私も思っていて、私自身ずっと集団っていうものが苦手で、幼稚園も中退しちゃうくらいだったから、共産党に入党するときに一番心配だったのは、組織になじめるかしらって。でも、党員の方にも、柔らかい考え方の人も、もちろんかっちりした人もいて様々で、私自身の活動も束縛されることはないわね。
それもあって、共産党所属議員として続けてこられたのかな、って思う。
党活動に対しても、自分で思いを固めてしていくものであるということで、強制的なことはありません。政策に関しても自分が取り組みたいことは、党の路線と大きく違わない限り自由に取り組めるし。

-共産党って、自治体議会にも、衆議院にも、参議院にも議員がいらっしゃるのに、時々、自治体議会で国政課題を取り上げるじゃないですか。「国でやれ!」みたいなヤジが飛んだりするときもあって。どういう思いで質問なさっているのですか?

それはやっぱり、地方から政治を変えるって思い。国が何か変なことをしても、自治体からそれはおかしいという声を上げて、ちょっと待ってって、下から政治を変えていく。国政の課題かもしれないけれど、市長どう思うんだと聞いて、市長から市民のためを思うとそうですね、って答えて欲しいんですよね。

-国にも直接、請願が出せますし、私は本会議における首長って政治家というよりは行政の長としての立ち位置が強いので、なかなか共産党の思いに答える答弁って出ませんよね

出ませんねぇ。でも、そうなんだろうけど、安保法制の件だって、やっぱり政治家としての発言、態度表明をして欲しい、国民イコール市民ですから

-なるほど。私、てっきり共産党の全国的なキャンペーンの一環として取り上げているのかと思っていました。

そういうのは無いです。全国から情報は入ってきますけどね。
会派の団会議で議論して、各々の議員が今取り上げるべきだという課題だということについて質問にしていますね。上から、こういうことを取り上げなさい、というのはないですね。

-今日は私の共産党さんへの偏見というか、思い込みが解けました(笑)

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池田麻里

池田麻里

池田麻里。 1975年生まれ。早稲田大学在学中に代議士事務所でインターンを経験。民間企業勤務を経て枝野幸男秘書へ。2007年さいたま市議会議員に初当選。3期12年にて引退。女性を政治の場へ送り出すために活動中。

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