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2019年最初の注目選挙、山梨県知事選|激戦が予想される選挙の構図は…?

2019/1/9

宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

平成最後の年となる2019年は、4月の統一地方選挙と7月の参議院議員選挙という2つの大型選挙が重なる選挙イヤーとなります。
そんな2019年最初の注目選挙が、明日1月10日告示、27日投開票の山梨県知事選挙です。
この選挙には現在まで元参議院議員の米長晴信氏、元衆議院議員の長崎幸太郎氏、現職知事の後藤斎氏、共産党県委員長の花田仁氏の4名が立候補を表明しており、非常に激しい選挙戦となることが予想されています。どのような構図になっているか確認してゆきましょう。

4年前は「無風選挙」だった

今から4年前に行われた山梨県知事選挙は、同年まで知事を務めた横内正明氏が引退を表明。自民・公明が独自候補を擁立できず、当時の民主党衆議院議員であった後藤斎氏に自民・公明・民主が相乗りする形で推薦。共産党の独自候補だった花田仁氏、主要な支援組織を持たず独自の戦いをした林祥三氏と合わせて3名の顔ぶれで行われた選挙でしたが、結果は巨大な与野党が推した後藤氏が有効投票数の77%以上を集めて当選しました。
しかしこの選挙には大きな争点もなく盛り上がりに欠いたため、投票率は約42%と過去最低となりました。

自民党の後藤県政への評価

自民党は2018年6月に後藤県政の公約の達成状況をチェックする委員会を開き、116項目の公約と20の県政主要課題についてA「実現した」、B「一定の成果がある」、C「進展していない。要努力」、D「取り組んでいない」の4段階で評価、AとBが37%、CとDが63%と半数以上をマイナス評価とし、来たる県知事選挙での自民党独自候補擁立への道筋をつけました。

2005年郵政選挙から続くしこり

話は2005年、小泉政権当時の郵政選挙にさかのぼります。衆議院小選挙区山梨2区で長く議席を守っていた自民党の重鎮議員、堀内光雄氏が郵政民営化に反対してこの選挙では自民党の公認を得られず無所属で立候補しました。一方で自民党は「刺客候補」として財務省の官僚だった長崎幸太郎を擁立。結果1000票足らずという僅差で堀内氏が激戦を制し、議席を死守。長崎氏も比例復活で国会の議席を手にしました。
郵政解散の翌年、堀内氏は自民党に復党が許され、自民党は次の選挙では堀内氏を山梨2区の公認候補に立てることに決定。長崎氏は比例単独での立候補を要請されたものの反発して自民党を離党。2009年の総選挙では無所属で立候補して堀内氏に競り勝ったものの、民主党新人の坂口岳洋氏に破れて議席を失います。(堀内氏も比例復活ならず)
その後2回の選挙では長崎氏が無所属で立候補して当選。自民党は堀内光雄氏の義娘である詔子氏が選挙区2位で比例当選という構図が続いていましたが、2017年の解散総選挙では堀内詔子氏が当選。長崎氏は議席を失いました。

自民党、派閥政治の力学

堀内光雄氏は自民党宏池会(現在の岸田派)の会長を務めたことがあり、後継の詔子氏も岸田派に所属しています。一方の長崎氏は自民党を離党して無所属議員であった時期も志帥会(二階派)の特別会員として二階俊博氏と師弟関係を築いてきました。
今回の県知事選挙では自民党幹事長である二階氏が長崎氏の立候補を後押しし、長く続いた山梨2区での保守分裂状態を終結させようと調整していますが、長く長崎氏と対立してきた一部の保守系地方議員などからは、長崎氏に対する不信感も少なくなく、票の取りまとめに不安が残ります。

野党の動きは?

一方、山梨県全県に目を向けると、過去5回の参議院議員選挙の山梨県選挙区(定数1)では野党が4勝1敗と大きく勝ち越しています。ただし後藤氏の出身政党である民主党は現在では立憲民主党と国民民主党に分裂している状態です。当初は2019年夏に予定されている参院選の各選挙区の候補者調整が難航している両党で足並みを揃えることができるかが焦点となっていましたが、2018年11月に両党ともに推薦を決めることができました。
また、同じく立候補を決めている米長晴信氏も元々民主党所属議員でしたが、2012年に消費税増税派法案に反対して離党。その後みんなの党に入党するも2013年の参院選で落選。みんなの党解散後の2016年の参院選には無所属で立候補して落選しています。米長氏は立候補表明後、「支援者の多くが自民党員であり、締め付けが厳しいため」として自民党に入党申請するなど特異な動きを見せており、後藤票・長崎票の両方を切り崩しにかかっています。
さらに共産党は国政選挙に過去7回、2015年には県知事選挙にも立候補した花田仁氏の推薦を決めています。

与野党が入り乱れて有力候補者がしのぎを削る激しい選挙で2019年、選挙イヤーの幕開けとなります。
政治の力学だけでなく、各候補者が有権者の心をつかむことができる政策を訴えることができるかがカギになるのではないでしょうか。

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宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ライター、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。

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