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台風接近も、激しい戦いが続く沖縄県知事選。4名の候補の選挙戦レポート

2018/9/28

宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

翁長雄志氏の急逝に伴って行われている沖縄県知事選挙。9月30日の投票日まで連日激しい選挙運動が展開されています。立候補しているのは佐喜真淳氏、玉城デニー氏、渡口初美氏、兼島俊氏の4人。各候補者はどのような戦いを繰り広げているのか、現地で生の声を聞いてきました。
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人気応援弁士らと組織選挙を徹底 佐喜真淳候補

那覇のランドマーク、沖縄県庁前のパレットくもじで行われた「Okinawa Voice Action」と銘打たれた演説会には、小泉進次郎衆議院議員が登場するということで大勢の聴衆が集まりました。小泉氏の他、安里繁信シンバホールディングス会長、三浦信祐公明党青年局長、松本哲治浦添市長が街宣カーでマイクを握り、政財界の各団体との連携をアピールします。

小泉氏は佐喜真氏が長くフランスで空手指導をしていた経験をあげ、「佐喜真さんが知事になれば沖縄とフランスの交流が深まり、国際通りがシャンゼリゼ通りのように多様な文化が集う場所になる」と述べました。

佐喜真氏は演説の中で、自身が掲げる「日米地協定改定」「携帯電話料金4割削減」「沖縄のプロ野球チーム設立」「中小企業支援で賃金アップ」「公費留学制度と就活費用支援」といった5つの政策が書かれたパネルを掲げ、「対立から対話へ」というスローガンで政府との連携をアピール。演説会の最後には会場のすぐ近くにある期日前投票所にそのまま行けることをアナウンスし、集票に結び付けています。

小泉進次郎衆院議員、三浦信祐参議院議員と手を取り合って支持を呼び掛ける佐喜真淳候補

当事者たちと描く「新時代」 玉城デニー候補

一方、那覇のメインストリート国際通りに位置する、さいおんスクエアで開催された玉城デニー候補の演説会は「わったーがつくる YES!新時代沖縄」と題して行われました。(「わったー」は沖縄の方言で「私たち」の意味)
予定の時間まではBGMにテクノミュージックを流す演出がなされ、演説は街宣カーではなく広場に用意された高さ1m弱の踏み台で行われ、それを囲うように聴衆が集まっていました。応援演説をした政治家は翁長前知事の次男、翁長雄治那覇市議会議員と城間幹子那覇市長のみで、経済界から呉屋守将金秀グループ会長のあいさつの他には夜間中学校のボランティア講師、大学院生、LGBTの当事者、日本人と外国人の間に生まれたマルチルーツの方といった多様な顔ぶれがそれぞれの立場から玉城氏を応援するメッセージを発しました。

玉城氏本人は沖縄方言を交えつつ、公約に掲げる「万国津梁会議(仮称)」の創設によって経済・文化・学術などの交流をはかって自治体外交を進め、基地問題を解決していくビジョンを語りました。

支持者の「デニってる」コールに躍りで応える玉城デニー候補

ベーシックインカムでほとんどの問題を解決 渡口初美候補

琉球料理の研究家として名高く、マンガ『美味しんぼ』にも登場した渡口候補は83歳と今回の県知事選候補者の中で最年長。街頭演説などは実施せず、自身が経営する料理研究所「まんがん」を事務所にしてインターネット配信を中心に政策を発信しています。

動画配信やSNSでの発信、ポスターの掲示など選挙事務は2年ほど前から沖縄県内で継続的に開催されている「ベーシックインカム勉強会in沖縄」のメンバーを中心に行われています。消費税を30%にして、沖縄県内だけで使える電子マネーを1ヶ月に30万円配布する仕組みのベーシックインカムを導入することで、人々が抱えるお金に起因する恐怖を取り去ることが可能となり、様々な社会課題が解決されると訴えています。渡口氏の長男で勉強会の中心メンバーの渡口昇氏によると、基地問題についても国による補助金や米軍による経済効果といった問題から自由になって考えられるとのことでした。取材当日はもう一人の候補、兼島俊氏を交えた討論会をネット配信していました。

ネット配信番組で兼島候補と語る渡口初美候補

県民の声を直接聞きたい! 兼島俊候補

県知事選挙に立候補している4人のうち最年少となる40歳、兼島俊候補も街頭演説は実施せず、ライブハウスなどでのトークイベントを複数回開催しています。公約の柱に「目安箱システム(県内SNS)の導入」を掲げ、若者を含めた県民の声を直接県政に反映していきたいと語っている通り、自身の政策を述べる以上に来場者から話を聞いて対話を促すスタイルで場を作っていました。

また、「選挙は戦争ではないので楽しくやりたい」と言ってライバル候補である渡口氏の事務所に出入りしてポスター貼りを協力しあったり、佐喜真・玉城両氏の街頭演説を聞きに行って握手をもとめたりしています。「4人とも沖縄をよくしようと立候補しているわけだから、悪口の応酬ばかりしていてはつまらない」「選挙が終わってからでも4人で食事ができるといいですね」と笑顔で語る兼島氏に魅力を感じる有権者も少なくないようで、SNSを通じてボランティアを申し出る人に支えられて県内のポスター貼りを続けています。ただし、那覇、名護など一部地域で台風対策のためポスター掲示板の撤去が予定されており、兼島氏はショックを受けている様子です。

演説会の帰りに遭遇した兼島俊候補。手にしているチラシは別候補のもの

同日投開票の宜野湾市長選や翌月に控えた那覇市長選と合わせて賑わいを見せている沖縄県知事選挙の投開票は9月30日。台風接近や各陣営の呼びかけに伴って期日前投票が4年前の選挙の倍近い伸びを見せているようです。各候補の運動がどのような結果をもたらすのか、そして新知事の就任によってどのような未来が訪れるのか注目が集まります。

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宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ライター、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。

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