選挙ドットコム

総裁選で2度目の激闘!6年前の「安倍氏VS石破氏」対決、争った政策・ビジョンとは

2018/8/23

若林良

若林良

9月に行われる自民党総裁選。現総裁である安倍晋三首相、石破茂元幹事長が立候補の意向を表明しています。このふたりは前々回(2012年)の自民党の総裁選でも立候補していますが、では、両者は前回、どのようなビジョンを打ち出したのでしょうか。なお、正確には、「前回」の自民党総裁選では立候補者が安倍氏しかいなかったことに伴い無投票だったので、本記事では「前々回」を振り返っています。

前回の総裁選は「野党時代」だった

選挙が行われたのは、2012年9月25日です。当時は民主党政権であり、党代表の野田佳彦氏が首相でした。2009年10月1日に総裁に就任した谷垣禎一氏の任期満了に伴い、新総裁の選出が必要となった時期でした。自民党が野党であった当時は、再度の政権交代を念頭に置いての総裁選挙でもありました。
立候補は安倍氏、石破氏に加え、町村信孝元内閣官房長官、石原伸晃党幹事長、林芳正党政務調査会長代理の計5名でした。(肩書はいずれも当時)

第一回投票では、以下のような結果となり、石破氏、安倍氏が決選投票に臨みます。

安倍晋三 候補  141票(議員票 54票/党員票  87票)
石破 茂 候補  199票(議員票 34票/党員票   165票)
町村信孝 候補    34票(議員票 27票/党員票    7票)
石原伸晃 候補    96票(議員票 58票/党員票  38票)
林 芳正 候補    27票(議員票 24票/党員票     3票)

なお、「誰が投票できるのか?」などの自民党総裁選に関する説明は以下の記事もあわせてご参考ください。
【図解あり】自民党総裁選の仕組みを解説!次の総理大臣を選ぶには?  >>

今回とはどう異なる?6年前の安倍氏、石破氏のビジョン

では、最終的に一騎打ちとなった、安倍氏と石破氏はどのような政策やビジョンを掲げていたのでしょうか。
もちろん、6年前から国際情勢や国内の経済状況、政局が大きく変わっていますので、今回の総裁選では異なる政策やビジョンが争われることになるでしょう。しかしながら、前々回の争点を振り返ることで、安倍氏や石破氏が大切にしている政策やその当時からの信念(あるいはブレ)を見ることができそうです。

<2012年総裁選 安倍晋三氏の所信表明>

日本の領土がさらされている脅威、また円高による経済の低迷などの「国難」の打破の必要性について言及しています。具体的な政策については、以下の通りです。

・日米同盟の強化
民主党政権の3年間で両国の関係性が弱まったことに触れ、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を訴えました。

・北朝鮮による拉致問題の解決
解決の手段としては、北朝鮮に国際的な圧力をかけ、対話に持ち込むことを主張しています。

・新しい日本国憲法の制定
第一次安倍内閣で制定した国民投票法に触れ、これを新憲法の制定のための「橋」にしていくと語ります。

・経済の強化
年金・医療・介護にかかる費用が年々増加している現状に触れ、社会保障の給付を確実にすること、具体的には社会保障と税の一体改革の推進や、政府と日本銀行が一体になっての金融緩和、防災や経済成長への公共投資について言及しています。

・技術革新の推進
第一次安倍内閣時代に行われた世界一のスーパーコンピュータ開発に触れ、新しい技術やビジネスアイデアの必要性を主張しています。

<2012年総裁選 石破茂氏の所信表明>

今後の10年(2012年からの10年)を「日本復活の礎となる10年」として、その重要性について触れた上で「政治に幻想はいらない」と語りました。具体的な政策については、以下の通りです。

・独立主権国家にふさわしい日本国憲法の制定
まず改正の手段として、改正発議要件の緩和に言及し、内容としては国防軍を明記したうえでの緊急事態条項の制定、国会改革を推進した上での、機能的な国会の実現を目指すと語りました。

・外交・安全保障
国家と国民を守るための手段として、集団的自衛権の行使などに触れた「国家安全保障基本法」の制定、自衛隊の任務に領土保全と邦人救出の追加、日米同盟の深化などに言及しました。

・エネルギーと環境保全
安全性を考慮した上での原子力エネルギーの是非の判断、現実的な地球温暖化対策、海洋資源開発・蓄電技術開発の推進による、エネルギーの安定供給と将来の資源大国化などに言及しました。

・経済の成長
デフレ・円高からの脱却と産業空洞化対策への積極的な取り組み、30兆円に及ぶデフレギャップを埋める有効需要の創出、法人税の引き下げ(20%台)などに言及しました。

・財政の再建
経済成長の前提としての財政再建の重要性に触れ、その上で消費税率引き上げを含めた税制改正について語りました。

・社会保障の充実
自助自立のための環境づくり、家族や地域に代表される共助の絆の新たな結びなおし、効果的に集中した公助の仕組みづくりの3点について、「基本的な考え方」とした上で、三党合意に基づいた社会保障と税の一体改革に言及しました。

前回の総裁選から6年。両者が前回提示したビジョンは、今どのような形での変貌を見せるのでしょうか。なお、前々回2012年の総裁選の各候補の政策やビジョンは以下の動画からも詳細を見ることができます。

この記事をシェアする

若林良

若林良

1990年神奈川県生まれ。映画批評・現代日本文学批評。 ドキュメンタリーマガジン「neoneo」編集委員。雑誌『週刊朝日』『NOBODY』『映画芸術』、映画サイト『IndieTokyo』(http://indietokyo.com/)などに執筆。専門は太平洋戦争を題材とした日本映画、またジャンルを問わず「社会派」作品全般。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

ホーム記事・コラム総裁選で2度目の激闘!6年前の「安倍氏VS石破氏」対決、争った政策・ビジョンとは

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtube