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京都といえば「共産VS他党」の図式。他党を寄せ付けない強さの背景とは?



宮原ジェフリー
宮原ジェフリー

4月8日に投開票される京都府知事選挙には西脇隆俊氏(自民党、立憲民主党、民進党、公明党、希望の党推薦)福山和人氏(共産党推薦)が立候補しています。
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政党の数だけで見れば「共産 VS 非共産(5党)」で、「非共産」の圧勝に見えます。実際に、全国で「共産VS 非共産」となる首長選挙では共産系の候補は苦戦するケースが多く見られます。

一方で、京都は「共産党が強いお土地柄」とよく言われ、必ずしも非共産相乗り候補が楽な戦いをしている、という状況ではありません

実際に、衆院選の京都1区では共産党の穀田恵二氏が8期連続比例復活当選を遂げていますし、参院選の京都府選挙区では改選数2以下の選挙区として全国で唯一共産党が議席を獲得しています。




実際にどの程度の勢力を持っているのでしょうか。他の都道府県議会と比較しながら考えてみましょう。
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京都府議会の構成



まずは京都府議会議員の会派別構成を見てみましょう。

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現在、京都府議会で共産党は自民党につぐ13議席を保持しており第2党。21.67%の占有率を誇っています。これは日本全国の都道府県議会で最多で、2位の東京都の14.17%を大きく引き離しています。(全国平均は5.55%)

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なぜ他地域よりも4倍強いのか



京都の共産党が全国的に見て力を持っている理由についてはいくつかのことが言われています。一つは蜷川虎三氏の存在です。

蜷川元知事は経済学者として京都帝国大学の教授をつとめた後、戦後は官僚として中小企業庁長官に抜擢されるも、吉田茂首相(当時)と対立して1950年に辞職。日本社会党、共産党など革新陣営の推薦を受け、その年の京都府知事選挙に立候補し、以後7期連続当選し、28年間府政を担い、続く横浜市の飛鳥田市長や東京都の美濃部知事など非・自民系の首長による「革新自治体」ブームの先駆けとなります。

在任中は教育行政や産業振興策に手腕を振るい、保守層からも支持を集めて1963年からは議会でも蜷川府知事を応援する立場の議員が多数となりました。蜷川知事は1970年代になると社会党と対立する一方で共産党との距離を縮めてゆき、共産党は議席を増やしてゆきました。それ以来、京都府内で共産党の組織が根付いているというわけです。



もう一つの有力な要素は、府内の大学の存在です。京都には京都大学をはじめ、同志社大学、立命館大学、京都産業大学などといった長い歴史を持つ名門大学が多くあります。それぞれの大学には「民主青年同盟(民青)」という日本共産党の学生団体が組織されており、その存在が共産党の選挙を支えている一助となっているという面も見られます。特に立命館大学は共産党 参議院議員の市田忠義副委員長や、衆議院議員の穀田恵二国対委員長らの出身大学で、日本最大級の組織として知られています

他にも、京都人の気質として、東京中心の保守系組織に対する反発心から共産党支持者が多い、であったり共産党と強いかかわりにある中小業者団体「民主商工会(民商)」の影響があることなどが指摘されています。





注目の京都府知事選の投票は今週日曜日



以上のように、様々な要因が複合して「共産党の強い京都」が成り立っているのが現状のようです。今回のように非共産vs共産の一騎打ちの選挙となった場合、当落だけでなく、「共産党単独の推薦でどこまで票を集められるか」が来年の統一地方選や参議院議員選挙に向けての体制づくりに影響を及ぼしてゆきます。開票終了まで目が離せない争いになりそうです。
宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ウォッチャー、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。

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