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18歳、19歳の投票率が右肩下がりの傾向へ。若者政治参加はこれからが正念場



原口和徳
原口和徳

4月に入り、気分新たに入学や入社を迎えた方もいるのではないでしょうか。そんなフレッシュな気分の10代・20代の皆さん! ぜひ前向きな気持を大切に、政治や選挙にも関心を持ってくださいね。



昨年2017年の衆院選は、2016年の参院選に続いて18歳選挙権のもとで行われる2度目の国政選挙となりました。全年代での投票率は53.68%と歴代2番目となる低投票率でしたが、10代有権者の投票率はどうだったのでしょうか?

初めて10代の有権者が投票に参加した参院選と比べてどのような変化が見られたのかあわせて確認してみましょう。





10代有権者の投票率は41.51%



まず、衆院選における年代別投票率を確認してみます。

スライド1

図表1にもあるように、10代有権者の投票率は41.51%と、全年代の投票率56.35%(※)よりも低くなっています。ただし、20代有権者よりも高い投票率となっています。
(※)抽出調査を基に分析しているため、実数による投票率(53.68%)とは異なっています。予めご留意ください。

参院選の投票率とも比較してみましょう。
投票率の変動が最も大きかったのは10代有権者で、参院選に比べて3.9%投票率が低下しています。
同じ比較では、30歳以上の各年代で軒並み投票率が上昇していることや、20代の有権者に比べても10代有権者の投票率の落ち幅が大きいことが分かります。

これらのことからも、10代有権者の投票参加について、「18歳選挙権ブーム」が去ったことの影響が生じているといえそうです。





若者の影響力はどれくらいだったの?



スライド2

図表2は、年代別の有権者数と投票者数のそれぞれの割合を表したものです。
ここでは、10代有権者と20代有権者をまとめています。

10代~20代は、有権者数では全体の13%ほどになりますが、投票者数では8%ほどにまでその割合が低下していることが分かります。

有権者の中で高齢者の割合が増加し、高齢者層の政治への影響力が増大する現象を表すシルバーデモクラシーの弊害が主張されることがありますが、その前提条件となる投票者数における若年投票者数の少なさは引き続き確認できます。

ただし、このような状況は、選挙の際に身近な友達3人に話しかけることで改善することもできます
関連:【都議選】東京の若者よ!友達と遊ぶついでに投票いったら若者が最大勢力になれるって知ってた?  >>





そう言われても、私の一票なんて・・・



そう言われても、「どうせ私の一票なんて選挙結果に影響しないんだろう」と思った方もいらっしゃると思います。
そこで、本当に「私の一票」は結果を左右しないのか、当選者と次点となった方の得票数の差を比べてみましょう。

2017年衆院選における得票数の差の少ない選挙区
新潟県第3区:当選者と次点の得票差50票
埼玉県第12区:当選者と次点の得票差492票
北海道第10区:当選者と次点の得票差513票
静岡県第6区:当選者と次点の得票差631票
愛知県第7区:当選者と次点の得票差834票

参考:2014年衆院選における最小得票差選挙区
新潟県第2区:当選者と次点の得票差102票


なお、取り上げた選挙区の中で最も投票数が少なかったところでも、総投票数は19万票を超えています。また、惜敗率はいずれも99%を越えています。

地方選挙にも目を向けてみると、

春日部市長選挙(2017年):当選者と次点者の得票差8票(再集計の結果、差は4票差に縮まる)
葛飾区議会議員選挙(2017年):最も少ない得票数の当選者と次点の得票差1票


と、わずかの差で当選者が決まった選挙もあります。

こうして確認してみると、今までよりも少しだけ、自分の一票も選挙結果に影響を及ぼしそうだな、と思えてきませんか。





国政選挙は自分たちの存在感をアピールするチャンスです。



本稿でもデータを使用しているように、国政選挙では投票所ごとの年齢別の投票状況を集計することができます。だからこそ、若い有権者の方が投票に向かうようになると、政治家に対してよりはっきりと自分たちの存在を知らしめることができるようになります。

特に、接戦となっている選挙区では、新たな1票の重みが増すことになります。これらの選挙区では、これまで棄権していた人たちが多い年代ほど、影響力を発揮する余地があると言えます。





消えた18歳。政治への関心を引き留めるには何が必要?



10代有権者の投票率を見ていると、他にも特徴的なことがあります。
18歳と19歳、それに参院選の時に19歳だった人たちの動向を知るために20歳の投票率を比較してみましょう。

スライド3

図表3にもあるように、単純に年齢別の投票率だけを比較すると、19歳有権者の投票率の落ち込みが大きく、衆院選では参院選よりも7%低下していることが分かります。

さらに、参院選の時に18歳だった人たちの投票率はどうなったのかという視点を加えてみます。

衆院選は参院選の1年3か月後に行われました。そのため、参院選の時に18歳有権者だった人は、衆議院選挙の時に19歳ないしは20歳となっており、特に19歳の人の割合が多くなっているものと予想されます。
そこで、参院選の18歳投票率と衆院選の19歳投票率を比較してみましょう。すると、衆院選では約18%投票率が下がっていることが分かります。

同様に参院選で19歳だった有権者や20歳だった有権者も衆院選では投票率が低下していますが、参院選で18歳だった有権者の投票率の低下度合いが際立っています。

参院選も衆院選も18歳投票率は他の年齢よりも高い水準を保っています。18歳の段階で高められた投票への参加意識をいかにしてその後も継続していくのかが、若者の政治参加を考える上では大切なテーマとなっていることが分かります。





若者と政治を結び付けていくために期待されること



衆院選並びに参院選の投票状況からは、10代、20代といった若年有権者の投票率は他の世代に比べて低い状況にあることが確認できました。
また、高い投票率を示していた参院選での18歳有権者も衆院選では大きく投票率を低下させていることも明らかになっています。

若者と政治との結びつきを強めていくために、今後の主権者教育では、「かつての18歳」への対策にも力を入れて取り組んでいくことが期待されます。
原口和徳

原口和徳 : 埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク事務局

1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

Webサイト : http://blog.canpan.info/slm/

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