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世界を語るうえで避けられない、2018年に注目すべき海外の4人の政治家



齋藤 貴
齋藤 貴



2018年になって早くもトランプ大統領は自分のことを「自分は精神的に安定している天才である」と発言するなど世界を騒がせています。世界を見渡すと、トランプ大統領だけではなく昨年は様々な政治家が世界から注目を集めていました。簡単に振り返ってみましょう。





フランス大統領 エマニュエル・マクロン



昨年最も世界から注目された政治家の1人にフランスのエマニュエル・マクロン大統領を外すことはできないでしょう。既成政党が没落し極右が台頭する中で颯爽と登場して大統領に就任し、トランプ政権の外交政策を批判する姿は世界に伝えられました。

現在では注目を集めるマクロン氏ですが、大統領選の開始時点では、全く注目されず、新興政党から立候補した「第四の候補」に過ぎませんでした。マクロン氏は銀行副社長を務めた後2012年オランド大統領の経済顧問となり、その後経済担当大臣に就任しました。しかし、昨年、大統領選への出馬が噂される中で経済担当大臣を辞任し、新党「前進!」を結党し、大統領選挙で出馬を表明しました。大統領選候補者の中では、39歳と最も若い候補者でした。

当初は「第四の候補」に過ぎませんでしたが、サルコジ元大統領を輩出した中道右派陣営の候補や、オランド前大統領を輩出した左派の社会党の候補はいずれも支持率不振に陥っていく中で、第四の候補マクロン氏は一躍有力候補として台頭し、当選を果たしました。

しかし当選後、国内政治では厳しい状況が続いています。公約として掲げた財政支出を削減する緊縮財政や、労働者に不利とされる労働規制の緩和は国民から厳しい反発を生み、大きなデモも起きました。さらに、昨年9月には上院選で敗北しました。今年は昨年のような発言力を確保できるのでしょうか。





イギリス最大野党労働党党首 ジェレミー・コービン



イギリスの左派・労働党ジェレミー・コービン党首も世界から注目を受けました。労働党の党首に就任したのは2015年でしたが、コービン氏の政策は鉄道再国有化や高所得者層への課税強化、核兵器廃絶とかなり左派にふりきったものでした。この政策は、左派でも右派でもない有権者の支持を集めることを訴えてきた従来の労働党の路線からすれば受け入れられるものではありませんでした。そして、このように極端な主張をするコービン氏の政策は一部のメディアから「遺書」であるとして、選挙で壊滅的な敗北をするだろうという予測も立てられていました。

しかし、コービン氏は格差問題について精力的に発信を続け、保守党が大企業・金持ち優遇だと批判することに成功しました。特に、ロンドン市内の火事など、格差問題を象徴するような事件が相次いだこともあり、結局、2017年行われた解散総選挙では、コービン氏率いる労働党が30議席以上増やし、与党保守党を過半数割れに追い込みました。

また、コービン氏は2017年に男性ファッション誌の表紙を飾るなど、イメチェンにも成功し、2018年も注目を集めそうです。





カナダ首相 ジャスティン・トルドー



カナダのジャスティン・トルドー首相も世界から注目されました。それは、カナダ史におけるいくつもの人権侵害を国を代表して謝罪したためです。過去の国家による加害について積極的に謝罪する姿勢は先進国の中では目立つものでした。

2016年には、1914年に起きた難破船の上陸を拒否したことをめぐって謝罪。さらに、2017年11月24日には、第二次世界大戦後に起きた先住民の虐殺について公式に謝罪しました。そして、11月28日には20世紀後半に「同性愛の公務員はスパイに利用されやすい」として政府や軍隊から解雇するなど、かつて性的少数者(LGBT)を差別していたことを謝罪、和解金として一億カナダドルを予算として用意しました。

こうした姿勢は難民問題においても示されました。アメリカのトランプ大統領は、今年の初めにイラクなど紛争地域からの渡航者の入国を制限するという発表を行いましたが、それに対してトルドー首相は「カナダとの二重国籍者はアメリカへの入国ができる」という言質をトランプ政権から得て、カナダ経由でアメリカに入国することができるようにしたのです。さらに、それとは別に難民を4万人受け入れる方針を示しています。

カナダは表向きアメリカと友好関係を保っていますが、こうしたトランプ政権への当てつけのような政策もまた世界を驚かせました。





オーストリア首相 セバスティアン・クルツ



2017年の最後に世界から注目を集めたのは、オーストリアのセバスティアン・クルツ首相でしょう。クルツ氏はオーストリアの中道右派「国民党」を率いて、2016年の大統領選の大敗から党を立て直し、2017年の下院選挙では一躍第一党に躍り出ました。そして、12月には極右「自由党」との連立協議をまとめ、政権発足の目途を立てました。

国民党を立て直したクルツ首相は31歳という若さとイケメンぶりが話題となり「ブンダーブッチ(奇跡を呼ぶ男)」と称されています。また、そのイケメンぶりは政治とは関係ないメディアでも話題になり、クルツ・フィーバーとでも言うべき現象が起きています。

しかし、クルツ首相がもたらす衝撃はそれ以上のものがあります。特に、中道右派である「国民党」が反難民的な政策を支持したことはヨーロッパ政治に深い影を落とすことになりそうです。ドイツが難民問題において受け入れに積極的な姿勢を示してきましたが、今回のオーストリア下院選はそうしたヨーロッパ政治にノーを突き付けることになります。また、ドイツでも難民受け入れに批判的な声が大きくなり始めたこともあり、難民問題はヨーロッパ政治に深刻な爪痕を残すことになるでしょう。
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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