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ターニングポイントとなるのか? 2018年ヨーロッパ選挙は「独立」がポイントに?



齋藤 貴
齋藤 貴

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昨年12月21日、スペイン北東部にあるカタルーニャ州で議会選挙が行われました。今回行われたこの地方議会の選挙は、「スペインからの独立」が大きな争点となり、この選挙がヨーロッパに与えるであろう影響から、世界から注目を受けました。今回は、カタルーニャ議会選挙について解説したいと思います。





独立運動から州議会解散、暴動にまで発展



まずは簡単にこれまでの経緯を振り返りたいと思います。
カタルーニャは古くから独自の文化を理由として自治の拡大を訴えてきた地域でした。その結果、2006年にはカタルーニャ自治政府の権限拡大を謳った自治憲章が制定されています。

しかし、この憲章は憲法裁判所によって多くの部分が「違憲」であると判断されていました。その後もスペイン政府の承認のもとで自治を拡大するという路線が行き詰り、2012年には初めて当時の与党が「独立」を掲げて解散総選挙を行い、与党が勝利しました。その後、独立を求める世論が拡大し、スペイン政府に独立を問う住民投票を行うことを求める交渉を行うものの不調に終わった結果、2014年には住民投票実施を支持する政党の間で、非公式の住民投票を強行する合意を締結しました。そして、この時の投票では、独立支持派が8割を占めました。

その後も独立運動が拡大し、2015年選挙では独立派が勝利します。その後、2017年プチデモン首相のもとで住民投票を行うことを強行。スペイン政府も警察を派遣するなど、混乱は暴動にまで発展しました。そして、独立運動に反発したスペイン政府は州議会を解散し、今回の選挙に至った訳です。





独立支持が過半数。スペイン政府は機能不全



今回の選挙では主要7党派の中で3党派が住民投票に賛成するなど、独立問題は既に保守やリベラルといた党派を超えた問題になっていました。これは、同じく独立問題を抱えたスコットランドでは、スコットランド国民党と一部小政党のみが独立を推進しているのとは大きく異なります。

選挙の結果、独立支持派の3党派は、135議席中70議席を獲得しました。一方で、スペイン議会与党の国民党は11議席から8議席に後退しました。

しかし、今回の選挙では独立派が圧勝したわけではなく、独立に向けた動きが加速するという訳ではありません。一方で、独立に反対してきた、ラホイ・スペイン首相を輩出する国民党は議席を減らしました。問題は、スペイン政府がこうした対立を調停することができない状況に陥ってしまったことです。





ヨーロッパで独立問題が発展?



既にイギリスのスコットランドが独立を問う住民投票を行っているように、民族問題・独立問題がヨーロッパ先進国の間で大きな問題になっています。今回のカタルーニャ議会選挙はヨーロッパにさらなる一撃を加えているといってよいでしょう。

また、EUは現在、イギリスの離脱や、難民流入問題等、加盟国が激しく対立する問題を抱えています。EU加盟国の中でも、民族問題、独立問題を抱えた国はいくつもあり、カタルーニャ問題も、対応を間違えればEU内に新たな対立を呼び込んでしまうと言ってよいでしょう。そのため、フランスやドイツの首脳は独立に反対してスペイン政府のラホイ首相を支持する姿勢を示しています。

今回のカタルーニャ選挙は明確な勝者がおらず何とも煮え切らない結果となりましたが、重要なのは今後です。地域を分断する問題となってしまった独立問題をどう折り合いをつけていくのかが問われています。
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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