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支持率 過去最低の31%ながらも全米では「トランプ化」する候補者が続出



齋藤 貴
齋藤 貴

(トランプ氏の支持・不支持率の推移。Five Thirty Eightより引用)

(トランプ氏の支持・不支持率の推移。Five Thirty Eightより引用)



2016年アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことは未だに記憶に新しいことでしょう。

トランプ氏はその風貌、経歴、発言、何をとっても規格外でしたが、トランプ氏の人種差別的な姿勢とTPPに反対するという従来の共和党政治家からは受け入れがたい政策は、共和党内から強く批判され続けています。父子で大統領を務めたブッシュ親子や、トランプ氏と共和党予備選で争ったテッド・クルーズ上院議員は、いずれもトランプ氏批判を展開しました。トランプ氏は共和党の候補として大統領選に立候補したにも関わらず、当初から共和党の連邦議員とは対立していました。

しかし、こうした「トランプ氏 VS 共和党連邦議員」という構図が徐々に変わりつつあります。今回は2018年アメリカ連邦議会選挙(中間選挙)に巻き起こりつつある「トランプ旋風」を紹介します。





来年の中間選挙と「反トランプ政治家」の引退



来年2018年には、アメリカ連邦議会選挙が上院、下院の両方で行われます。この2つの選挙は大統領の4年任期の中間で行われることから、「中間選挙」と呼ばれています。この中間選挙では、大統領の2年間の実績が問われ、所属政党の勝敗は国民の審判として評価されます。つまり、今回はトランプ政権の実績が共和党の勝敗で評価されることになるもので、重要な選挙と言えます。


そしてその中間選挙に向けて既に選挙戦は始まっています。上院選挙も下院選挙も、民主党・共和党の候補になるには現職の議員も含めて予備選で勝たなければなりません。

この予備選をめぐる動きの中で、早くも現職のアリゾナ州出身のジェフ・フレーク上院議員が出馬を断念し引退することを表明しました。フレーク議員はメディアなどでトランプ大統領を強く批判することで有名で、トランプ政権の共和党的でない政策への批判を記した著作『ある保守主義者の良心 破壊的な政治への拒絶と原則への回帰』はベストセラーとなりました。しかし、トランプ大統領批判で人気を集めているように見えたフレーク上院議員は、世論調査において「トランプ支持者の候補者に完敗する」という見込みが出てしまったのです。





トランプ的な候補の増加



一方、フレーク氏に代わって現在最有力となっているのは、ケリー・ワード氏という女性の元州議会議員です。彼女はトランプと同様に反エリート主義を主張しており、連邦議会の共和党上層部を批判しています。そのこともあり、トランプ氏も彼女を支持する投稿をtwitterでした他、トランプの元側近であるスティーブン・バノン氏も彼女のことを支持しています。

アリゾナ州のように、「反エリート主義の候補が台頭する事例」は全米で相次いでいます。保守系の新聞ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、各地の共和党候補者はトランプ氏の反エリート的なスタイルをまねし、トランプ氏との関係を誇示しながら選挙活動を展開しています。





トランプは選挙と共和党を変えてしまうか?



冒頭で解説したように、トランプ氏と共和党の一部の議員では、そもそも志向する政策が異なります。そのこともあり、トランプ氏が選挙期間中に訴えた多くの政策は議会での支持を得られませんでした。しかし、今回の選挙でトランプ氏支持を誇示する候補者が当選することになれば、こうした状況は変わると言えるでしょう。

一方で、現在トランプ政権の支持率が低迷する中で、トランプ氏支持を誇示する候補者が幅広く支持を得られるのかは不透明です。そのため、結果的には共和党の党内不仲によって、民主党が得をするという指摘もあります。

いずれにせよ、共和党は基本的な政治理念から変革するかもしれません。そして、そのことは「共和党 VS 民主党」という二大政党制のアメリカ政治の光景そのものを変えてしまうことになるかもしれません。
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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