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【衆議院選挙】勝敗ラインは自公で「233」議席。自民・民進・小池新党 三つ巴か



山本洋一
山本洋一

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安倍晋三首相は25日の記者会見で、28日に召集される臨時国会の冒頭で衆院を解散する考えを表明しました。これに伴い、10月10日公示、同22日投開票の日程で総選挙が行われます。東京都の小池百合子知事は同日、国政政党「希望の党」を立ち上げて代表に就任すると発表しており、自民・民進・小池新党を中心とした三つ巴の戦いとなりそうです。





争点は消費増税による増収分の使途の変更?



首相は総選挙の争点について、消費増税による増収分の使途の変更だと強調。2019年10月に税率を現在の8%から10%に引き上げると5兆円強の増収となり、従来は1兆円を社会保障の充実に、4兆円を借金の返済に充てるとしていましたが、借金返済の4兆円のうち半分の2兆円を「人づくり革命」と説明しました。人づくり革命とは、具体的には3~5歳の幼児教育・保育を無償化したり、待機児童対策を強化したりすることとしています。

従来は2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標を掲げていましたが、借金返済に充てる財源が減ることから目標達成は「困難になる」と撤回。財政再建が遠のくことを認めました。





勝敗ラインは自公で「233」議席



勝敗ラインについては「与党で過半数」と説明。自民、公明両党で全465議席のうち、233議席を獲得できなければ辞任すると明言しました。ただ、実際には310議席を下回ると憲法改正に必要な「衆参の3分の2議席」を失うことになるため、改憲が持論の安倍首相にとっては大きな打撃となりそうです。





小池都知事は新党に全面的に関与



一方、注目されていた小池都知事が衆院選に全面的に関わることを表明しました。これまでは小池氏側近の若狭勝衆院議員や民進党を離れた細野豪志衆院議員らを中心に新党構想を練っていましたが、小池氏は25日の記者会見で「(これまでの構想を)リセットして、私が立ち上げる。直接絡んでいきたい」と話しました。党名は小池氏の政治塾「希望の塾」から引用したとし、自らは立候補しない考えも示しました。

小池新党を巡っては、これまで小池氏がどこまで関与するのかが不透明で「実質的には若狭新党だ」(永田町関係者)との声も漏れていました。今回、小池氏が全面的に関与する姿勢を示したことで、衆院選で勢力を伸ばすのではないかとの見方も出ています。

新党にはすでに若狭氏や細野氏、長島昭久元防衛副大臣、松沢成文参議院議員らが参加する考えを示しているほか、現職議員の合流も相次いでいます。現職の内閣府副大臣だった福田峰之氏が自民党を離党し、新党に加わる考えを表明。「日本のこころ」代表の中山恭子参院議員、民進党の松原仁元国家公安委員長、同じく柿沢未途衆院議員らも新党入りを発表しました。小池氏の勢いに期待する声がある一方で、「新党への参加者は選挙地盤の弱い議員が多く、まるで選挙互助会だ」(自民党関係者)との声も出ています。

小池氏は新党の政策について原発ゼロや消費増税の凍結、議員定数の削減などを掲げていますが、現時点ではあいまいな部分も少なくありません。憲法改正については「9条にこだわらない憲法論議」と主張しており、自民党との違いが分かりにくいとの指摘もあります。新党ではこれから公約作成を本格化するとしており、具体的な政策に注目が集まります。





民進党は厳しい環境か



安倍自民と小池新党との間で埋没する可能性を懸念されているのが民進党です。日本経済新聞とテレビ東京が22~24日に実施した世論調査で、次期衆院選で投票したい政党や候補者を聞いたところ、自民党が44%でトップ。民進党と小池新党が8%で続きました。

前原誠司新代表が就任した直後にもかかわらず、支持率はほとんど伸びていません。さらに、この調査の後に小池氏の代表就任を発表していることから、今後、さらに支持を奪われる可能性があります。特に小池新党が候補者を大量に擁立しそうな首都圏では、自民党と小池新党との間で存在感を発揮できなかった「都議選の再来」となる恐れもあります。

事態を打開しようと民進党と、かつて民主党を率いた小沢一郎氏の自由党との合流構想も浮上しています。共産党も含めて「野党結集」を探る動きもあります。

安倍自民と小池新党と前原民進党。これからどんな戦いとなるのか、目が離せません。
山本洋一

山本洋一

元日本経済新聞記者 1978年名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部、経済部の記者として首相官邸や自民党、外務省、日銀、金融機関などを取材した。2012年に退職し、衆議院議員公設秘書を経て会社役員。地方議会ニュース解説委員なども務める。

Webサイト : http://ameblo.jp/yzyoichi/

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