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意外な共通点も多数。臨時国会は“関ケ原” ~自民・民進幹部の東西対決を見る~



平木 雅己
平木 雅己

今月末に召集される見通しの臨時国会を前に、自民党は内閣改造・新たな党役員人事を終え、民進党も代表選挙を経て新執行部が発足しました。

両党の幹部人事を見ていくと、「自民党は西日本」選出の議員が多く、これに対して「民進党は東日本」選出の議員が目立ちます。日本が「東・西」に分かれて覇を競った「関ヶ原の戦い」を題材にした映画も公開されています。

国会議員はじめ政治に関わる人たちは、時として、尊敬する人物として戦国武将や幕末・維新期に活躍した人物の名前を挙げたり、歴史上のエピソードを例え話にすることが多いものです。

1985年、竹下登、金丸信らが田中派内で勉強会「創政会」を立ち上げ、田中角栄との間に緊張が走った時、渡部恒三は「薩摩と長州が同盟を結んだようにサァ、両者の仲立ちでワタスが坂本龍馬の役割を演ズたい」と独特の会津弁で話し、しばし派内を和ませました。

臨時国会での論戦を前に、自民・民進の幹部を「東西対決」の視点から比較していきます。(敬称略)

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「総裁・代表」~安倍晋三(山口4区)VS前原誠司(京都2区)



93年初当選の同期の2人は建替前の旧議員会館で部屋は隣同士。細川連立内閣発足・自民党下野のため、2人のスタートは、前原が与党・日本新党、安倍が野党・自民党だった。

「アベノミクス」を主張し、長州藩・山口県では8人目の総理大臣に就任した安倍に対して、幕末維新の動乱の舞台・京都選出の前原は「みんながみんなのために~All for All」の旗を掲げ、ニッポンが目指す社会像を提起する。

通常国会では1度も実現しなかった党首討論を早急に開き、大上段からの2人の議論に期待したい。





「副総裁・代表代行」~高村正彦(山口1区)VS枝野幸男(埼玉5区)



かたや「安倍内閣の顧問弁護士」を自認する高村、こなた「閣僚よりも内閣法制局長官になりたい」と民主党政権時、法令解釈担当大臣として国会答弁を続けた枝野の弁護士対決

緻密な法令解釈を踏まえ、憲法はじめ多くの政策課題をめぐって2人の激論がヒートアップする姿が既に見えてくる。関ヶ原に例えれば、「西軍・宇喜多に猛攻撃を仕掛ける東軍・黒田」の激戦を髣髴させる。





「幹事長」~二階俊博(和歌山3区)VS大島敦(埼玉6区)



田中角栄に直接薫陶を受けた最後の世代・二階、竹下登、海部俊樹、森喜朗らの首相を輩出した早稲田大学雄弁会出身の大島が幹事長として両党の司令塔となる。

「最後の派閥領袖」と言われ「最も政治的な技術を持った人」と安倍首相から三顧の礼を持って幹事長に迎えられた二階が繰り出す手練手管に、鉄鋼会社・生命保険会社のサラリーマン出身の大島はどのような方策で臨むのか。

さしずめ「豪腕 対 庶民の対決」。大島は過去6回の選挙うち比例復活は12年の1回のみ(しかも198票差)。09年は全国第3位の得票数を獲得、「地味だが選挙には滅法強い庶民幹事長」。





「政調会長」~岸田文雄(広島1区)VS階猛(岩手1区)



被爆地・広島選出の岸田と被災地・岩手選出の階。ともに、人類史上、例を見ない被害を経験した地域を選挙区とする2人が政調会長として政策論争をリードしていく。

被爆者・被災者に寄り添い続けた、よりハイレベルな政策議論を期待したい。社会人生活のスタートが、ともに日本長期信用銀行(当時)という経歴も奇遇なめぐり合わせだ。





「国対委員長」~森山裕(鹿児島5区)VS松野頼久(比例九州/熊本1区)



「雨はふるふる人馬は濡れる、越すに越されぬ田原坂」と謳われた西南の役・最大の激戦地「田原坂」がある熊本選出の松野と、その西郷の出身地・鹿児島選出の森山が国会対策をめぐり丁々発止の攻防を続ける。
法案審議、森友・加計疑惑の追及、外交や選挙日程を踏まえての国会運営に双方がどのような智謀を繰り出すのか注目される。





「選対委員長」~塩谷立(静岡8区)VS長妻昭(東京7区)



慶応大学法学部出身の三田会対決。「説明の一番いい方法は、自ら実例を示すこと。百回の説明も、一回の実例を示すことに及ばない」という福澤諭吉先生の教え通り、自らの当選経験を実例として若手に伝えることができるかどうか。まずは10月の衆議院補欠選挙に向け手腕が問われる。




その他の役職、各議員が所属する委員会の人事は、現在、調整が続けられています。

臨時国会は、憲法議論、核実験やミサイル発射の挑発行動を繰り返す北朝鮮への対応、「働き方改革」「IR(カジノを含む統合型リゾート)実施」など与野党が激しく対立する法案審議が控えています。臨時国会の召集は今月末を目指し調整が続けられています。
平木 雅己

平木 雅己

ライター、選挙アナリスト。 NHK社会部記者として、選挙報道事務局を長く勤め、「票読み」はじめ情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入され初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。 その後、連合事務局にスカウトされ、会長秘書(笹森清氏)を勤め選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 政策担当秘書資格取得後、外務大臣政務官及び衆参国会議員秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、治安、雇用・消費者、地方自治、憲法などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

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