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証明書類の公開で議論再び。「二重国籍」は公選法違反? 専門家に聞いてみた



選挙ドットコム編集部
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民進党の蓮舫代表は11日の党執行役員会で、自身の「二重国籍」問題をめぐり、証明書類を公開する方針を明らかにしました。

二重国籍問題は昨年9月の民進党代表戦を前に浮かび上がった問題でした。その後、沈静化したかに見えましたが、今回は都議選の結果を受け、政党支持率が上がらない要因として二重国籍問題をあげる声が上がったため、証明書類の公開を表明するに至りました。

蓮舫氏はすでに台湾籍の離脱手続きと日本国籍の選択宣言を行っており、問題は解決したとしていますが、そもそも二重国籍で立候補できるのか? 国籍についてしっかりと説明せずに立候補していたことは当選無効に値するのではないか? などの疑問や意見も見受けられます。

ここで改めて「二重国籍」に関しての問題を整理してみましょう。





二重国籍での立候補は問題なし!



日本の国籍法は「国籍唯一の原則」を掲げる一方、重国籍者への罰則はなく外国籍の離脱は努力義務としています。実際、重国籍者は多数存在しており、選挙においては重国籍者であっても日本国籍があり、所定の年齢に達していれば、選挙権・被選挙権は有することになるので、有権者・候補者としてすでに多数関わっていると思われます。このことは、昭和37年11月15日の法務省入国管理局宛の自治省選挙部の回答でも是認されています。

例えば二重国籍の候補者の例として、2007年参院選に日本とペルーの二重国籍を持つ元ペルー大統領のアルベルト・フジモリ氏が国民新党から全国比例で立候補した件が挙げられます。参議院調査室作成資料『立法と調査』平成21年8月1日掲載論文「重国籍と国籍唯一の原則」でも次のように明言されています。
被選挙権と重国籍との関係については、公職選挙法上は重国籍者を排除する規定はなく、これまでのところ、重国籍者の選挙権行使、選挙による選出、公職への就任により何らかの障害が生じた事例はない 。(参議院調査室作成資料『立法と調査』平成21年8月1日掲載論文「重国籍と国籍唯一の原則」より抜粋)

このことから、仮に蓮舫議員が二重国籍状態であったとしても参院選への立候補は公選法違反にはあたらないことになります。





経歴詐称によって当選無効になったケースも



ただし、もし事実に反して経歴詐称を行っていた場合は公選法第235条の「虚偽事項の公表罪」に当たる可能性があります。
(虚偽事項の公表罪)
第235条 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。

分かりやすく言うと、当選するために身分、経歴、所属などを偽ると罰せられる、ということです。過去の選挙では主に学歴詐称でこの罪が問われた例が2件あります。

(1)1992年参院選で当選した民社党の新間正次議員(当時)が、学歴詐称の嫌疑で在宅起訴され、その後有罪判決が確定したため当選無効となった。

(2)2003年衆院選で当選した民主党の古賀潤一郎議員(当時)が、選挙に際して公表した学歴の詐称疑惑により刑事告発され自ら議員辞職した。





蓮舫議員は「虚偽事項の公表罪」か?専門家に聞くと



では、蓮舫議員の一連の疑惑から「虚偽事項の公表罪」の可能性はあるのでしょうか。選挙ドットコム顧問で選挙管理アドバイザーの小島勇人氏に聞くと、次の答えが返ってきました。
過去の参院選挙において、蓮舫氏が配布したビラや選挙公報、ポスター等にどのような記載があったのか。公開討論会や質問状、取材等で、国籍問題について聞かれていた場合、そこでどのような回答をしていたのかによる。当選しようとするために事実と異なる記載や回答をしていたのであれば、虚偽事項の公表にあたる恐れがないとは言い切れないであろう。最終的には司法の判断に委ねられる。(選挙管理アドバイザー/小島勇人氏)

つまり、選挙時において国籍をどのように説明していたのかがポイントになるということです。この点、昨年参院選時の選挙公報には何も表記されていませんでした。



ネット上では、初当選の2004年時の公報に「1985年、台湾籍から帰化。」と明記されていることが話題になっています。

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昨年9月にYahoo!Yニュースに掲載された「国籍放棄問題の渦中にある蓮舫氏、単独インタビュー」において、蓮舫議員は「自分がいわゆる『二重国籍』であるという認識はありませんでした」と明言し、この「帰化」という表現については以下のように答えています。
――過去の選挙広報で「帰化」という言葉を使っていたこともありましたが、厳密に言うと、帰化は成人の場合にのみ使うので、正しくは国籍取得ですね。
広い意味で国籍取得も帰化も同じように日本人になったことを指すと思って使っていたのであり、他意はありません。

インタビュー記事内には、1985年に蓮舫議員が日本国籍を取得したことを証明する書類も公開されていますので、「1985年、日本国籍を取得」と書いておけば公選法上の問題はなかったと思われます。

ネット上では、「台湾籍から帰化」と記載したことが、「台湾国籍を放棄した」という印象を与えるため、仮に二重国籍であった場合には虚偽事項の公表にあたるのではないかという指摘があります。この点については、学歴詐称とは異なり、過去に判例がありませんので小島氏の発言にもあるよう、最終的には司法の判断に委ねられると考えられます。
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