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【2017年7月世論調査まとめ】内閣不支持率過去最高も、民進党も過去最低に



平木 雅己
平木 雅己

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NHK、読売新聞、朝日新聞の7月度の世論調査データが出揃いました。いずれの調査でも「安倍内閣の支持率はこれまでで最低の30%超、半数前後の人が安倍内閣を支持しないと答え、その割合は過去最高」となりました。

安倍首相は、13日昼、自民党の二階幹事長、政治評論家の森田実氏と面談しました。産経新聞の報道によりますと、『報道各社の世論調査で内閣支持率が下落したことについて「首相は甘い事態ではないという感じを持っていると思った」と語った。首相からは国会論戦を念頭に「ちょっとムキになったところがあったのを改め、ソフトに対応していきたい」との発言があったことを明らかにした。』(森田氏が面談後に記者団に語った内容)とのことです。

首相自身が「甘い事態でない」と感じるほど今回の世論調査結果は衝撃でした。どのような調査結果が出て、どこが「甘い事態ではないと感じるのか」を詳しく解説していきます。

一方、政党の支持率を見てみると、「特に支持している政党はない」いわゆる無党派層が半数近くを占める一方、野党第一党の民進党の支持率はNHK調査で結党以来、最低の数値となり、政権批判票を取り込めていない姿が浮き彫りとなりました。





内閣支持・不支持率



■NHK調査



安倍内閣を「支持する」と答えた人は35%と前回6月調査から13ポイント下がって、「支持しない」と答えた人は12ポイント上がって48%でした。調査方法が異なるので単純な比較となりませんが、2012年12月に第2次安倍内閣が発足してからの調査で「支持しない」が「支持する」を上回ったのは、安全保障関連法の審議が行われていた15年8月調査以来で、「支持するは最低、支持しないは最高」の数値となりました。

このうち、「支持しない理由」をたずねたところ、「(安倍首相の)人柄が信頼できないから」と答えた人が44%と最も高くなっています。

今年に入ってからのこの質問に対する回答に「支持しない理由として(首相の)人柄が信頼できない」を挙げた人の割合は、1月22%、2月24%、3月27%、4月27%、5月32%、6月43%と月をおうごとに上昇し、1月時点と比べ倍増している点が目立ちます。

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また、安倍内閣の支持率が30%台・不支持率が40%台後半という数値を記録したのは、2007年7月調査で「支持する38%、支持しない49%」という調査結果がほぼ同じです。この時は、第1次安倍内閣で参議院議員選挙に臨みましたが、結党以来はじめて参議院第1党の座から滑り落ち、内閣改造を行ったものの、1か月足らずで退陣するに至っています。

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■読売新聞調査



前回6月調査と比べて安倍内閣の支持率が13ポイント下落して36%と過去最低となる一方、不支持が11ポイント上がって52%と過去最高となりました。

男女別では、女性の支持率が28%と前回調査から18ポイント下落し、男性の支持率は45%でしたが、不支持も46%とわずかながら逆転しました。

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年代別では、18~29歳で支持、不支持とも40%超で並んでいます。30歳代では支持48%、不支持35%ですが、40歳代では支持36%、不支持54%と逆転しています。

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「安倍内閣について、『長期政権のおごりが出てい』という意見がありますが、あなたはその通りだと思いますか」とたずねたところ、その通りだと答えた人は68%、そうは思わない25%でした。

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■朝日新聞調査



内閣支持率33%、不支持率47%と朝日新聞調査の数値も「支持率は最低、不支持率は最高」となりました。このうち、自民支持層で12%、公明支持層で40%、無党派層で60%が「支持しない」と答えています。

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「加計学園の問題真相解明について、安倍政権の姿勢を評価しますか」とたずねたところ、「評価する10%、評価しない74%」という結果でした。

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また、「最近の安倍首相の発言や振る舞いをみて、安倍首相のことをどの程度信用できると思いますか」とたずねたところ、「大いに信用できる4%、ある程度信用できる32%、あまり信用できない40%、まったく信用できない21%」という調査結果で、合わせて61%の人たちが「首相は信用できない」と答えています。

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NHK調査では、不支持の理由で「首相の人柄が信用できない」を挙げた人が44%と半年前から倍増しています。
朝日新聞調査でも「首相を信用できない」と答えた人の割合が合わせて61%、読売新聞調査では、「長期政権のおごりが出ている」との質問に対して、68%が「その通り」と答えています。

通常国会で野党や世論からの厳しい追及が続いた森友・加計学園問題に対する首相の説明不足、稲田防衛相をはじめとする閣僚の国会答弁、テロ準備罪の創設を含む組織犯罪処罰法改正をめぐり参議院で委員会審議を省略し本会議で採決を強行したことなど、疑惑追及に対する安倍内閣の姿勢や国会での対応について批判が高まっていると思われる調査数値が出ています。





政党支持率


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各政党の支持率は、自民党がNHK調査30.7%(前月比マイナス5.7)、朝日調査30%(変化なし)、読売調査31%(マイナス10ポイント)と前月調査と比べて、減少しているものの30%台を維持しています。

民進党の支持率はいずれも前月調査から1~2ポイント減らし5~6%に留まっています。特に、NHK調査の数値5.8%は、民進党が去年3月に結党して以来、最低の支持率となりました。

公明党、共産党はじめその他の政党の支持率は、大きな変動はありません。

各社の調査とも、「特に支持している政党はない」と答えたいわゆる無党派層が、4ポイントから7ポイント増え、いずれも47%と半数近くを占めています。

これまでは自民党を支持していたものの、安倍内閣の最近の姿勢は納得できない。ここはいったん安倍内閣や自民党の支持を止めてみよう。しかし、だからと言って、民進党はじめ野党も支持はできない。当面、政治の動向をみていこう」という状況です。

安倍内閣の政権運営や国会対応について、有権者は厳しい指摘をしているにも関わらず、民進党はじめ野党各党が、政権批判票の受け皿にはなっていない状況が、今月の各報道機関の調査結果から読み取れます。

参考
NHK 7月7~9日 全国の有権者2,253人対象55%にあたる1,233人から回答
読売新聞
7月7~9日 固定電話910世帯から547人、携帯電話1,295人の中から541人の計1,088人の回答
朝日新聞 7月8~9日調査 固定電話2,056件 有効回答1,035人 回答率50% 携帯電話2,059件 有効回答1,011人 回答率49%

平木 雅己

平木 雅己

ライター、選挙アナリスト。 NHK社会部記者として、選挙報道事務局を長く勤め、「票読み」はじめ情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入され初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。 その後、連合事務局にスカウトされ、会長秘書(笹森清氏)を勤め選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 政策担当秘書資格取得後、外務大臣政務官及び衆参国会議員秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、治安、雇用・消費者、地方自治、憲法などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

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