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都民ファースト圧勝も、収まらない小池氏批判。その理由はズバリ



伴 拓哉
伴 拓哉

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(都民ファーストの会 HPより引用)



都民ファーストの会の圧勝で終わった都議選。筆者が注目しているのは、今回の結果を踏まえてもなお、小池氏を「厳しく批判してる人たち」です。

小池氏への批判はSNS上でも見受けられますが、この方々はイデオロギーの左右の方向性や老若男女問わず、「都民は小池氏にだまされている」「小池氏に政策はない」などと強く非難し、否定する傾向があるように思えます。

その言動は「なぜ小池氏の話になると、これほどまでに感情的になるのか?」とクビをかしげたくなるほどです。筆者はこれらの「拒絶反応」の背後に、小池氏および都民ファーストの会勝利の理由が隠されていると思っています。

以下のその理由をおおざっぱに推察してみようと思います。




■理由1 「男性優位社会」の否定



都民ファーストの会は55人が当選し、このうち18人が女性です。地方議会とはいえ、女性比率が3割超の政治集団というのは、画期的で、小池氏が掲げてきた「女性活躍」は、本物だと言えます(なお、共産党都議団は19人中13人が女性で、都民ファーストの会をはるかに上回っています)。

地方議会から永田町まで、政界は全般的に「男性優位社会」です。このため、ここ10年ほど、女性の候補者や議員の少なさが問題視され、各政党がその割合を増やそうと取り組んできました

しかしながら、実際には女性の候補者や議員は一向に増えず、「クオータ制」を導入した政党も皆無です。女性活躍をうたう政党は山ほどありますが、役員会など重要な意思決定の場がいまだに男性だらけな点をみると、各党の本気度が疑われても仕方ありません。

そんな状況を覆そうとし、実際に覆したのが小池氏でした。

男性からすれば、これまでの秩序が変わってしまうという不安を抱きます。男社会に慣れきった年配の男性政治家が、女性の政界進出を内心快く思っていないのは容易に想像できます。

さらに、これまであまり指摘されてこなかったことですが、先駆的な女性政治家ほど、本音では女性の政界進出を歓迎してこなかった側面もあります。これは、先に政界に進出し、苦労して地位を築いたことから「女性が大量に政界に進出してくれば、多くの男性の中で『紅一点』的な立場を保ってきた、自分の価値が下がってしまう」という危機感を持つためだそうです。かつて現職の女性参院議員が筆者に直接語った話です。

その点、小池氏は違います。
繰り返しますが、本気で大量の女性を実際に都議会に送り込みました。小池氏が男性中心の政界を変えたいという主張を続けてきたのは周知の事実であり、「男性だらけの世界で数少ない女性だから価値がある」という発想は、少なくとも今の小池氏にはないでしょう。

本気で「男性優位社会」を壊してくるのではないか。小池氏を脅威に思うがゆえに、激しく、鋭く、感情的に批判している男性(一部女性)が多いような気がします。




■理由2 玄人が軽視する政策をメーンに持ってきて成功したから



「都民ファーストの会には政策がない」という人がいますが、「基本政策集」を読むと、非常にわかりやすい政策が並んでいます。

例えば「ライフ・ワーク・バランスの徹底」は、小池氏らしい政策の極致です。すでに都庁職員に原則午後8時までに退庁することを命じています。(事実上の強制措置です)

一方、政府は「プレミアム・フライデー」を導入したものの、一部の大企業のみが参加しているだけで、「実際に午後3時になんて帰れない」との悲鳴が全国で相次いでいます。都政とは実に対照的です。

禁煙に対する取り組みも、有権者の心をとらえています。都民ファーストの会は公約で、屋内での禁煙を徹底する罰則付きの受動喫煙防止条例の制定を掲げています。

一方、国政では、たばこを吸う人に寛容な自民党と、禁煙を徹底したい厚労省の対立がまだ続いており、結論が出ていません。国民の8割が非喫煙者にもかかわらず、現状を変えようとしないのは怠慢としか言いようがありません。





政策が「軽い」から?



ここからは推測になりますが、政治のプロからすると、「軽く」思える政策が多いからではないでしょうか。働き方改革や受動喫煙防止は、安倍内閣は「重点政策」とは言っているものの、大部分の政治家がそう思っているのでしょうか。もし、本気で思っているのなら、国会でもっと優先的に議論し、関連の法案は成立するはずです。要は「軽く」みているのではないでしょうか。

しかし、小池氏は違います。ライフ・ワーク・バランスにしろ、受動喫煙防止にしろ、重点中の重点政策です。小池氏にとっての、1丁目1番地である「情報公開」も、政治のプロ、玄人からは「軽く」みられがちです。

都民ファーストの会の基本政策集をみると、都議会を変え、都議会が条例や政策をつくるような議会にすると強調しています。これも、政治のプロからすると、「もっと中身を語れ」と批判されそうな内容といえます。

財政や外交を語る国政目線からすると、小池氏の政策の「軽さ」が気にくわないのは理解できます。ただ、東京都は地方自治体です。都の財政には余裕があり、外交は一義的には政府が行うものです。

都政に合った、都民のニーズに合った、今の社会構造に合った身近な課題・問題点に対し、的確なメッセージを届けたのが小池氏といえます。それが「軽く」見える人たちには、今回の勝利はなかなか認めづらいのかもしれません。

小池氏自身、政治家としては玄人中の玄人ですが、その手法や政策が良くも悪くも「素人的」です。玄人が小池氏を批判したくなるのは、このあたりに一因があるのではないか、というのが筆者の私見です。
伴 拓哉

伴 拓哉

東京在住の選挙マニア。 選挙や政治に関心があり、選挙情報やニュースを整理している。選挙ボランティア経験あり。

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