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「共産党ががんばってこそ改革はすすむ」日本共産党東京都委員長 若林義春氏インタビュー

2017/6/22

選挙ドットコム編集部

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7月2日に投開票を迎える東京都議会議員選挙が、いまだかつてないほどの注目を集めています。「小池百合子都知事 vs 都議会自民党」の対立構図が注目されていますが、その中でも「存在感を増している」とする政党があります。それは日本共産党。日本共産党東京都委員長 若林義春氏にインタビューを行いました。

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この1年で都民の知識・理解が深まっている

-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
今回の都議選はかつてないほど注目を集めていますが、この現状をどうご覧になっていますか?

-日本共産党東京都委員長 若林義春氏(以下、若林氏)
都政の問題が連日報道されていますね。それがもう8ヶ月ほど続いてるというのは、かつてないことです。

例えば石原都知事の時代でも、新銀行東京やディーゼル車の排気ガス規制など、ちょっと目立つような政策は一時的に報道されましたが、それだけでした。その後どうなったかはあまり報道されていません

しかしこの1年はずっと、都政の問題が系統的に取り上げられ続けています。ずっと取り上げられ続けることで、「何が問題なのか」「どんなことが議論されているのか」「どの党がどのようなスタンスなのか」など、都民の皆さまの都政や都議会への理解・知識が深まったと思います。これは都政史上初めてのことで、すごいことです。

-編集部
昨年の7月末の都知事選から間もなく1年ですが、確かにずっとテレビや新聞、インターネットメディアまで幅広く都政の話題が取り上げられていますね。

-若林氏
なぜここまで注目を集めたのか、その理由は2つあると思っています。

1つは豊洲の問題など、これまでの都政の闇を象徴する問題を取り上げたことです。小池都知事は移転を延期しました。その後、豊洲移転の問題点が山ほど出てきました。もし豊洲に移転してから有害物質が出てきたら大変なことになります。食の安全に関わることですからね。「豊洲はダメ」となってモノが売れなくなったら業者が立ち行かなくなってしまいますし、都民の皆さんの食卓にも関わります。都政にとって重要で、都民の皆さんの関心が高い市場問題を取り上げたことは小池都知事が注目されている大きな理由です。

もう1つは「今の自民党の政治でいいのか」ということです。安倍政権は支持率が高いですが、それは安倍政権にかわる選択肢が見えないから支持率が高いだけです。都民、国民は安倍・自民党政権の代わりになる存在を求めていることが都議選への関心を強めています

この2つはどちらも「これまでの政治で見えなかったことが表に出てきている」という点が共通しているように思います。直近の数年だけではなく、ずっと前からの溜まりに溜まった政治の「膿」や「不満」が爆発しつつあるのです。そして、これだけ盛り上がっている都議選ですから、「自分たちの1票で政治が変わるんだ」という意識が高まっているように思えます。これは大歓迎です。

-編集部
有権者の意識の高まりを実際に感じることはありますか?

-若林氏
ありますよ。豊洲の問題に関しても、有権者はすごく詳しくなっています。実際に対話していて、色々な疑問が出てくる訳ですから、専門的な説明をしないと納得しない方も増えています

例えば、「築地市場も汚染結果が出ている。豊洲と同じじゃないか」と言う人がいます。しかし、これは全くレベルの違う話です。築地はすごく汚染されているように報道されていますが、全部基準値の10倍以下です。豊洲の場合は例えばベンゼンは、基準値の4万3千倍、シアンは930倍の数値が出ています。

本当に豊洲を使いたいなら、土壌を全部入れ替えなければなりませんが、これにはすごいお金がかかるので、全く現実的ではありません。兆の単位の経費がかかります。だから我々は建物が建設される前から、ずっと移転反対と言ってきています。豊洲の問題1つを取っても、都民の皆さんの知識・理解が深まっているので、政治家たちも鍛えられるような状況になっています

安倍・自民党政権への態度も争点の1つ

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-編集部
豊洲問題以外に、今回の都議選の争点と考えられている点はありますか?

-若林氏
現在の安倍・自民党政権の憲法こわしと国政私物化への態度も争点の1つだと考えています。
都議選は毎回、「国政を占う選挙」という要素を持っています。今回の場合には都議選の2ヶ月前に安倍総理が憲法9条の改正について発言し、早ければ来年の通常国会で発議する、つまり次の衆議院選挙の前に進めるという態度を示しています。
そうなると、選挙で改憲を止めるためには、今回の都議選で民意を示すしか方法がありません。都民にとって都議選は都政の方向を選択する場ですが、同時に国政の進路を選ぶ場でもあります。

-編集部
他にはどのようなことが争点になると考えていますか?

-若林氏
東京オリンピック・パラリンピックの費用を東京都が負担し過ぎている点も争点の1つだと思います。今回の東京オリンピック・パラリンピックでは国は1割しか費用を負担していません。過去の開催国を見ても、そんな国は他にないですよ。ロンドンオリンピックは7割を国が出しました。そこまで出せとは言いませんが、国立競技場の建設費の1,500億円のうち400億円超を東京都が負担しています。「都立」ではなく「国立」競技場ですから、共産党は都は1円も負担するべきでないと主張してきました。この点も、都議選を通してしっかりと都民の皆さんにお伝えしていきます。

共産党ががんばってこそ都政改革は前にすすむ

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-編集部
小池都知事への評価はいかがでしょうか?

-若林氏
情報公開に関しては評価しています。待機児童解消に関しても評価できます。小池都知事は、「待機児童ゼロ」を公約に掲げて7万人分の保育園を確保すると言っています。我々は「7万人分ではゼロにならないから、9万人分作るべきだ」と主張していますが、それでも一定の評価はできると思っています。しかし、1メートル1億円もの大型道路の推進など、これまでの都政をひきついでいる施策も相当あり、この転換なしには改革は前にすすみません

-編集部
最後に都議選に向けて意気込みを教えてください。

-若林氏
人によっては「共産党がいなくなると小池都知事が困るんじゃないか」という人もいます。というのも、色んな問題を、いの一番に告発してきたのは私たち共産党ですから、共産党が都政の問題を鋭く指摘することで、他の政党や小池都知事も後を追う形で追求や提案ができるようになります
盛り土をしていなかったということを暴いただけではありません。他にも、共産党が口火を切った結果、議論が盛り上がっているものがいくつもあります。前回の都議選で8議席から17議席に議席を増やしたこともあり、存在感も増しています。

「小池百合子都知事 vs 都議会自民党」の対立構図が流布されていますが、政策の違いでは、「自公vs共産」が対決の軸になっています。豊洲問題はその象徴です。いまや都議会での共産党の存在意義はとても重要だと考えています。都民の皆さんには、それを理解していただきたいと思っています。私達は「ファースト」という横文字は使いませんが、ずっと「都民の暮らし第一」というキャッチコピーを掲げてきました。これからも都民の皆さんの代表として、問題提起や提案を続けていきます。

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