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【都議選】意外と高い? 安い? ズバリ都議選のお値段は… ◯◯億円です



原口和徳
原口和徳

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小池都知事の就任以来、築地市場の移転問題やオリンピック・パラリンピックの開催経費見直しの取組み等、連日都政に関する話題、報道には事欠きません中でも、小池都知事と都議会、特に都議会自民党との対立の構図や地域政党である都民ファーストの会の動向などは注目を集めています。首都の未来を巡り、7月に行われる都議会議員選挙を待ちわびている人も多いのではないでしょうか。

選挙は、私たちの意思を表明する大切な機会です。選挙に興味を持つきっかけは、様々なものがあってもよいと思います。そんなきっかけの1つを作るべく、今回は選挙、つまり私たちが思いを表明するためにどれだけのお金がかけられているのかを考えてみます
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都議会議員選挙にかかる費用


東京都議会の議員定数は127議席、有権者数は1100万人超と、都議会議員選挙は圧倒的な規模を誇る選挙です。東京都の予算関係資料によると、今夏の都議会議員選挙に向けては45億円余りが予算案として計上されています。
ちなみに、前回都議会議員選挙(2013年7月)の際の予算は44億円余りでした。

他県の事例と比較して気づく都議会議員選挙の特徴は?


他県では議会議員選挙にどのくらいの費用を要しているのでしょうか。
都道府県議会の内、定数が100名を超えている議会は、北海道議会(101名)、東京都議会(127名)、神奈川県議会(105名)、愛知県議会(102名)です。それぞれの直近の議会議員選挙を比較してみました。

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東京都議会議員選挙における有権者数や予算規模が他道県に比べて大きなものとなっていることが分かります。なお、北海道議会議員選挙と神奈川県議会議員選挙は知事選挙と同日選挙となっているため、単純には比較できませんのでご注意ください。




選挙費用の内訳はどうなっているの?


選挙の執行に要する費用の内訳はどのような構成になっているのでしょうか。東京都知事選挙を題材に確認してみます。

2016年7月31日に執行された東京都知事選挙では、48億円余りの予算が計上されています。その際、区市町村において都知事選挙の執行に要した費用の事例をまとめてみました。(区市町村が都知事選挙の執行のために要した費用は、全額、東京都からの補助金が交付されます)

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選挙の執行にかかる費用のまとめ方は自治体ごとに異なっていますが、「入場整理券の印刷、配布」や「投開票の事務に係る人件費」、「ポスター掲示場の設置」などに大きな費用を要していることが推察されます。
有権者の数が増えるほど、配布される入場整理券の数や、開票作業に携わる人数、ポスターを設置する場所は増えることになります。その結果として、有権者が多い自治体ほど選挙の執行にかかる費用が増えていることが確認できます。




選挙費用が高額になる理由は?


選挙の執行に要した費用の内訳から考えると、今回比較した事例の中で東京都議会議員選挙の費用が最も高額なものとなっていたことの理由は有権者数が多いことに求められそうです。以下の図では、4都道県の選挙における投票所やポスター掲示場の設置数をまとめています。

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比較した事例のなかで、北海道議会議員選挙が最も有権者数が少なかったにもかかわらず、2番目に選挙費用の高額な選挙となっていた理由としては、投票区数やポスター掲示場数が多かったことが考えられます。

なお、北海道議会議員選挙と神奈川県議会議員選挙は、それぞれの知事選挙との同日選挙となっています。知事選挙と議会議員選挙を同時に執行する場合、入場整理券の郵送や投開票所で発生する作業、ポスター掲示等の広報、啓発に関する活動など、共有することのできる活動も多数あるため、別々に選挙を行う場合に比べて選挙の執行費用費を節約する効果があると言えそうです。




補欠選挙が行われた場合の費用は?


都議会議員の任期は4年間ですが、何らかの理由によって欠員が生じた場合に、補欠選挙が行われることがあります。補欠選挙が行われる場合にどの程度の費用がかかることになるのかも確認しておきましょう。

昨年執行された東京都知事選挙の際には、4つの選挙区(新宿区選挙区、台東区選挙区、大田区選挙区、渋谷区選挙区)において、都議会議員選挙の補欠選挙が都知事選挙と同時に行われています。

都知事選挙と都議会議員補欠選挙を執行するための費用としては、例えば新宿選挙区では約1億7000万円、台東選挙区では約7600万円が計上されています。

なお、都道府県議会議員の欠員が出た場合に補欠選挙を実施するかどうかは公職選挙法において定められています。上記4つの選挙区における補欠選挙は、首長選挙等に合わせて議員の補欠選挙を行うもの(便乗補欠選挙)であり、投開票に関わる費用の共有化による選挙経費の効率化が図られています。そのため、補欠選挙を単独で行った場合は、今回要した費用の半分よりも少し大きな金額が必要となることが推定されます。

補欠選挙。その様々な理由


今回、補欠選挙の行われた4つの選挙区は、いずれも区長選挙や衆議院議員選挙への転身による欠員を補充するための選挙でしたが、時には議員による不祥事が原因となって辞職やそれに伴う補欠選挙等が行われることもあります。

地方議会では、富山市議会や兵庫県議会で起きた議員による政務調査費の不正取得や東京都議会における野次問題に代表される議会内外での議員による不適切な言動などの問題が生じており、なかには議員辞職に至ったものもあります。
また、東京都では2代続けて不祥事によって知事が辞任し、任期満了を待たず都知事選挙が行われています。この都知事選挙には毎回50億円弱の予算が用いられています。
このような不祥事による辞職に伴う選挙は本来必要のない取組みであり、そこに要した費用を、社会的課題の解決に向けた取組みを行うことができたはずです。




地方政治での不祥事を防ぐためにできること


有権者の立場から地方政治における不祥事を防ぐためにできる取組みの1つに、関心を持ち続けることがあります。
例えば、街頭で見かけた政治家の演説に足を止めてみる。インターネット上で候補者の情報を確認してみる。選挙の時には投票することで、政治に関心を持っている有権者がいることを示す等。
もちろん、関心を示したからといって、その人が将来なんらかの問題を起こしてしまうかどうかまではわかりません。しかし、多くの有権者から注目されていることが分かると、そこには一種の緊張感が生まれます。

地方政治に対する有権者の関心は必ずしも高いものとは言えません。例えば、前回の東京都議会議員選挙(2013年)の投票率は43.50%と、前々回(2009年)の投票率54.49%よりも低いものとなっています。

東京都議会のホームページでは、「都議会は、東京都という地方公共団体の意思決定の場であり、約1300万人の都民を代表して、それぞれの要望や意見をくみとり、都の行政に反映させていきます。それが都議会の基本的な使命となっています。」と都議会の使命が明示されています。

都議会議員となる方々に対して、不祥事を起こすかどうかといった次元ではなく、本来の使命である有権者の要望や意見を政策として決定していくことを期待していることを示していくためにも、今夏の都議会議員選挙が有権者の都政への関心を示す機会となっていくことが期待されます。

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東京都議会議員選挙

原口和徳

原口和徳 : 埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク事務局

1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

Webサイト : http://blog.canpan.info/slm/

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