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観光客数過去最多を記録か!? G7伊勢志摩サミットのレガシーとは -鈴木英敬三重県知事インタビュー



選挙ドットコム編集部
選挙ドットコム編集部

2016年5月26日から27日にかけて、三重県志摩市で第42回主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催されました。日本・アメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・イタリア・カナダおよび欧州連合の首脳が三重県を訪れ、伊勢神宮への訪問も行われました。
伊勢志摩サミットが三重県にもたらしたレガシー(資産)とは?選挙ドットコムでは、三重県知事の鈴木英敬氏へインタビューを行いました。




逮捕者ゼロ、経済効果も抜群だった伊勢志摩サミット


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-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
昨年の伊勢志摩サミットが三重県にもたらしたレガシー、実績は、どのようなものだったのでしょうか。

-鈴木英敬三重県知事(以下、鈴木県知事)
伊勢志摩サミットは、主に三重県に4つのレガシーをもたらしてくれました。

1つ目は、新しいアイデンティティです。
三重県には松阪牛、鈴鹿サーキット、伊勢神宮といったアイデンティティがありますが、今回「伊勢志摩サミットが行われた場所」という新しいアイデンティティを得ることができました。また、公式日程の始めにはG7の首脳の方々に伊勢神宮も訪問していただき、その姿は世界中へ発信されました

このサミットについて、私たちは「オール三重」で県民の皆様を巻き込んでプロモーションを行ってきました。(開催地であった)賢島だけが盛り上がっても意味がないですからね。「クリーンアップ作戦」には三重県の全ての自治体で取り組み、6万人以上が参加。「花いっぱい作戦」では全ての自治体で11万本以上の花を植えてもらいました。
伊勢志摩サミットとその「オール三重」プロモーションを通して、県民の皆様は三重に良いものがあることを再発見し、誇りと愛着が持てたのではないでしょうか。

2つ目は、次世代育成のヒントです。
伊勢志摩サミットでは、ジュニア・サミットという子供たちのG7サミットも行いました。
参加者の高校生からは「英語で話をする場面はもちろんだが、ディスカッションの機会がもっと欲しい」等の意見をいただきました。これらのジュニア・サミットでの知見は、三重県の教育システムやコンテンツを変えていくでしょう。

3つ目は、なんといっても経済効果です。
観光については、2016年の宿泊者数が1~10月対前年伸び率が全国で2位(836万人)でした。2016年11~12月の宿泊者数はまだ公表されていませんが、仮に2015年11~12月と同じ数だけ来ていたとすると、約1000万人が三重県を訪れたことになります。

今までの過去最高宿泊者数を記録した年は2013年で、968万人でした。神宮式年遷宮が行われた年です。もし2016年の宿泊者数がその記録を超えれば、伊勢志摩サミット効果で過去最多の宿泊者数を記録することになります。
インバウンドも対前年比で6.3%増。ただし、G7の国だけで見れば50%増です。

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パブリシティ効果もはっきりしています。海外メディア向けのツアーが効果を発揮し、平成27年6月1日から平成28年6月30日までに3098億円のパブリシティ効果がありました。洞爺湖サミットの約3倍ですね。
また、企業誘致にも成功しました。サミット後半年の企業誘致数が前年比1.75倍の伸びを記録しています。

4つ目はセキュリティです。
実は、今回の伊勢志摩サミットは逮捕者0人なんです。デモ隊と警察が衝突して公務執行妨害で逮捕… のような比較的小さな事件すら起きませんでした。
一番の要因は三重県が行った日本型テロ対策。「住民もテロ対策の当事者だ」という意識のもと、「テロ対策三重パートナーシップ推進会議」を発足させ、住民と対話し、空振りを恐れず通報しやすい環境等を整えました。何かがあった時に一番異変があることに気付けるのは住民ですから。
標的型ウイルスメール等に対するサイバーテロ対策も厳重に行いました。




「オール日本」で観光分野を伸ばしていきたい


-編集部
これらの伊勢志摩サミットのレガシーを活かし、2017年はどんな三重県を作っていきたいとお考えでしょうか?

-鈴木県知事
好調な観光を今後も伸ばしていこうと考えています。宿泊者数、観光消費額、観光客満足度の3点に注目し、これらの数字を伸ばすために富裕層の長期滞在をねらったアクティビティの充実や国際会議の積極的な誘致を実施していく予定です。特に国際会議は予定がしっかり決まっており、一般の海外旅行と違って為替にも左右されないので、開催地でお金を使っていただくチャンスなんですよ。

また、観光客の満足度向上のためにも、地域のためにも、近隣県との連携が必須だと考えています。実は近隣県でもインバウンド観光客の多い国が県ごとに全然違うんですよ。その方々に県境をまたいでもらうための工夫を行いたいですね。
産業も同じです。三重がアピールできるものに忍者、海女がありますが、ただ三重が三重のものとしてアピールするのではなく、まずは「オール日本」で日本中の忍者、海女に注目していただき、それらを比べていただいた中で三重の忍者、海女にも注目してほしいですね。

-編集部
2020年に行われる東京オリンピックに向けて、伊勢志摩サミットでの経験からどんな期待を寄せていますか?

-鈴木県知事
2点あります。1点はセキュリティについて。伊勢志摩サミット同様、ひとりひとりが当事者意識を持てるようなセキュリティ対策を講じる必要があると思っています。
もう1点は東京だけでなく、地方も含めた「オール日本」のオリンピックにしてほしいということ。何かしらのかたちで地方も参加できる仕組みを構築してほしいですね。




「三重にサミット誘致を」たった1人でプレゼンをした


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-編集部
サミット開催にあたって、大変だったこともありましたか?

-鈴木県知事
私たちはサミットの誘致に名乗りを上げるのが遅かったこともあり、誘致にあたっての活動に非常に苦労しました。
そこで工夫したのが、私1人で動くことです。誰も引き連れることなく、自分でつくった要望書を持って、官房長官をはじめ、総理の心を動かしそうな人たちを何十人もピックアップして1人で会いに行き、プレゼンをしました

事務方をずらずら連れていって、事務方が用意した原稿をつらつらと読むだけでは、「三重県を推してほしい」という気持ちが伝わらないと思いましたから。しっかりと自分の言葉で伝えていきました。




落選時代の経験があるから今の自分がある


-編集部
伊勢志摩サミットの誘致から開催まで、非常にアグレッシブに動いている印象を受けました。その活動力の源泉はどこにあるのでしょうか。

-鈴木県知事
私には選挙に落選していた期間があります。その時の経験があるから今の自分がありますね。
借金もありました。夫婦喧嘩もたくさんしました。本当に大変だったけれど、正しい道に目を開くことができるチャンスでもありました。逃げずに真正面から向かい合うことで、そこから何を学ぶか、どんな教訓を描くかは自分で選べるようになるんです。

お祭りに参加したこと、警備をやってみたこと、イベントを開催したこと、餅つきに参加して「下手やなー」って小突かれたこと、落選した身で色々考えたこと、日々の中からたくさんのことを学べた2年弱でした

苦しい中でも政治家を目指したのは、かつて務めていた官僚時代のもどかしさがあるからです政治家の仕事にはたくさんの課題に携わるスピード感があります。官僚でも政治に携わることはできなくはないけれど、例えば経産省だったら経産省のことしかできません。けど日本の課題はもっとある。その課題について、私は何十年も官僚を務めて解決できる立場になるのを待つよりも、官僚と課題を一緒に考えていける政治家になることを選びました。最初目指したのは国会議員、今は県知事ですが、とてもやりがいのある仕事です。

-編集部
鈴木県知事の政治に対する想いが、これだけの伊勢志摩サミットのレガシーにつながったのだと思います。本日は貴重なお話ありがとうございました。
選挙ドットコム編集部

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