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悩みは同じ? 意外と共通点の多い小池都知事とトランプ新大統領



齋藤 貴
齋藤 貴

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千代田区長選挙や豊洲市場移設問題など、一挙手一投足が注目を集める小池百合子都知事と、否が応でも世界中から注目を集めるドナルド・トランプ新大統領は連日、メディアを賑わせています。

一見何の関係もない2人ですが、大きな共通点があるのです。そして、そのため2人とも同じ大きな課題を抱えているように思えます。



共通点1 2人の選ばれ方と議会との関係


小池氏とトランプ氏の1つ目の共通点は、2人が就いている役職の選出方法と議会との関係にあります。

都知事とアメリカ大統領は実は同じ方法で選ばれています。それは「議会」とは別の選挙で選出されているということ。
都知事でいえば、都知事を選ぶ都知事選挙は昨年7月に行われましたが、都議会議員を選ぶ都議会選挙は今年の6月に行われます。アメリカ大統領も、議会とは別の選挙で選ばれています。

このことは、日本の首相の選ばれ方を考えると分かりやすいかもしれません。日本の首相は、衆議院議員の中から選ばれるため、「衆議院議員選挙」はあっても「総理大臣選挙」はありません
そして、衆議院で多数派を占める政党のリーダーが選出されるのが基本であり、衆議院選挙が首相も選ぶ「政権交代」を賭けた選挙としての意味を持ちます。例えば、安倍首相は自民党総裁でもありますが、2014年の衆院選で自民党が多数派を占めたことにより、首相として選出されました。

安倍首相が自民党総裁という地位を兼ねることからも明らかなように、首相と議会(衆議院)は強固な結びつきを持ちます。一方で、小池知事やアメリカ大統領は議会の中から選ばれるわけではないため、議会との結びつきがそこまで強くありません。





共通点2 所属政党を敵に回して当選


いくら都知事やアメリカ大統領と「議会」との結びつきが弱いとはいえ、これまでであれば都議会や連邦議会で一定の勢力を有する政党と協力して選挙を進めるのが普通でした。

例えば、舛添前都知事が当選した2014年の都知事選では、自民党の都議会議員たちも大勢選挙の応援に駆けつけていましたし、石原伸晃前自民党東京都連会長や、安倍首相が選挙の応援演説に駆け付けました。アメリカでも、2008年の大統領選ではオバマ候補を当選させるために、民主党議員が総出で応援しました。

しかし、小池都知事もトランプ新大統領も、昨年の選挙では所属する政党にケンカを売る形で出馬。小池都知事は自民党の所属でありながら自民党が推薦した候補とは別に立候補して自民党議員の応援演説をほとんど得ずに当選し、トランプ氏は議会共和党のトップであるポール・ライアン下院議長などを散々批判した上で共和党候補となり当選を果たしました。
小池都知事もトランプ新大統領もいずれも所属する自民党、共和党に敵を作る形で選挙戦を進めてきたという共通点があります。





議会多数派との協調関係を築けるか


小池都知事とトランプ新大統領の共通点は、議会との結びつきがあまり強くないという点です。
そして当然、都知事や大統領の力だけでは当然政治を行うことはできません。都知事も大統領も条令案や法案について拒否権を行使することはできますが、条例案や法案を可決させるのはあくまで議会の役割です

いくら、小池都知事が「東京大改革」を訴えようと、トランプ新大統領が「メキシコとの国境に壁を造る」と訴えようと、それらの政策を進めるには、都議会や連邦議会の役割が欠かせないのです。そのため、選挙で敵に回してしまった議会多数派と仲直りをしなければなりません。





多数派工作を進める小池都知事と、意外と関係良好なトランプ新大統領


選挙で敵に回した議会多数派と仲直りするという課題を抱えた小池都知事とトランプ新大統領ですが、2人が選択した解決策は「仲直り」とは全く違うものでした。

小池都知事は今のところは「民進党や公明党との協力を検討したうえで、今年行われる都議選に独自候補を擁立し、議会多数派獲得を狙う」という方法が有力です。このことは、関係の悪化した自民党と仲直りするのではなく、決別を選んだことを意味します。

一方で、トランプ新大統領はライアン下院議長と会談を重ね、幾つかの政策で合意を取り付けています。例えば、輸入品に税をかける「国境税」や、オバマ大統領の目玉政策である社会保障制度改革(オバマケア)の撤廃といった重要政策について両者は合意しています。選挙期間中に関係が悪化していたトランプ新大統領と議会共和党ですが、最近では両者の関係は回復に向かっていると言えるでしょう。





政党が複数ある日本と、2つしかないアメリカ


小池都知事とトランプ新大統領が採った解決方法の違いは、都議会と連邦議会が置かれた状況の違いからある程度指摘できます。都議会では、自民党、公明党、民進党… と一定数の政党がありますが、それぞれの政党が主張する政策はそれほど大きな違いがないこともあります。自民党も公明党も民進党も、全て子育て支援政策の充実を主張していることからも明らかでしょう。そのため、良い政策を進めていくためには組んでいく政党を柔軟に選ぶことができます。

しかし、連邦議会では状況が大きく異なります。そもそも政党が民主党と共和党しかない上に、民主党と共和党が掲げる政策は大きく違います。健康保険制度はもちろんのこと、根本的な政策から両政党の考え方は大きく異なっているのです。トランプ新大統領からしてみれば、選挙期間中共和党と関係が悪化したかもしれないが、それ以上に民主党との連携はほぼ不可能という状況にあります。つまり、共和党と連携するしか選択肢はないのです。

1月20日に就任したトランプ新大統領と6月に都議選を控える小池都知事。抱える問題点は同じでも、解決方法は大きく異なります。そして、この2人が今年も注目の的であることは間違いないでしょう。
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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