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市民と行政がキャッチボール フューチャーセンターの確立へ



Patriots (パトリオッツ)
Patriots (パトリオッツ)

※本記事は「Patriots 政治をもっと身近に、おもしろく」の転載となります。記事内容は執筆者個人の知見によるものです。

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日経エレクトロニクスの記者から市議会議員に転職した伊藤大貴議員。政治に関してはまったくのど素人。なのにジバン、カンバン、カバン無しで挑んだ初めての選挙に見事に当選。最も重要なのは、政策よりも「パッションとビジョン」だという。そして現在目指しているのは、市民と行政が同じデータを見て同じ土俵で討論できる「フューチャーセンター」の場だという。その熱き心の内を語ってもらいました。

 

 

■人生の価値観が大きく変化した大震災やサリン事件


―政治家を志した理由を教えてください。

もともと政治家志望ではなかったので、自分自身、異色だと思っています。良い高校、良い大学、大きな会社に入って勤め上げれば人生は幸せである、という価値観でずっと育って来ました。

ところが、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、都市銀行がバタバタと潰れたり山一が破綻したり、一方で政治の世界ではリクルート事件が起きたり金丸さんが捕まったり、自分の人生の価値観が変わろうとしている時期だったので非常にショックを受けました。

―学生時代に靖国神社に参拝に行かれたそうですね。

大学生だった19歳の時に靖国神社に初めて参拝に行きました。毎年夏になると公式参拝かどうかが騒がれるので、テレビで観ているだけではなくて実際に自分の目で確認してみようと思ったんですね。

遊就館の中には特攻隊の手紙があって涙を流しました。それまで戦争が単なる記号でしかなかったのが、夢や希望が10代、20代で絶たれてしまった人たちがいるという事実に衝撃を受けました。彼らがもし現在の日本の状況を見たら、この日本のために自分は犠牲になったんだと納得できるだろうか、と考えました。

 

 

■人生の転機を迎えた白内障、失明の危機


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―政治家を志した決定的な出来事とは。

ジャーナリズムの仕事をしていた時に、転職して政治家を志そうと思った決定的な出来事がありました。給料も良いし仕事も充実していたのですが、白内障になって失明のリスクが高くなった時に自分の人生は「このままでいいのかな?」と考えざるを得なくなりました。

わずか3ヶ月で2.0あった視力が0.1まで下がって曇りガラスが入ったようになり、目が見えなくなる恐怖を抱え込みました。その後、手術して1.0には戻りましたが、どんな仕事をしていたら目が見えなくなる瞬間を後悔なく迎えられるかと考えました。

世の中に関心を持ち始める中学のころから大学にかけて社会が大きく変わり始めていたこと、そして靖国神社の遊就館で見た手紙など、そういう体験が相まって、自分は政治の世界と接点を持ちたいと考えました。これは本当に偶然なのですが、白内障を患って人生と向き合わざるえなかった時期のちょうど1年前に郵政選挙で江田憲司さんの演説を聴いて投票していまして、当選した時に「会いたい」というメールを送り、彼と議員会館で一度だけ会っていました。白内障を患い、「そういえば江田さんはどうしているかな」と思い、彼のホームページにアクセスしたら、“2007年の統一選の候補者を捜しています”という募集を見つけました。

政治は全然分からなかったんですけど、会ってくれて、「君じゃダメだよ」と言われたら仕方がないなと思いながら立候補の意志を伝えると、そこでOKが出たので前に一歩踏み出すことができました。物凄くラッキーだったと思います。

 

 

■パッションとビジョンが大事


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ー議員になって10年、最初の頃と何が違っていますか。

3回選挙を経て10年近くなり、最初の頃よりもモチベーションが増しています。現在、民進党に属していますが、よく田舎学問より京の昼寝というように、政党は一人では得られない情報が得られるということで、情報を深化させていくうえでメリットがあると思っています。

政治は世の中の縮図だと思っています。人間は理屈だけでは動かない。パッションやビジョンがあって初めて政策は伝わっていきます。この10年間、特定の組織の応援のないままにやってきました。

実は議員になって7年経ってようやく後援会を立ち上げたのですが、そこに関わって下さった方々というのは、ほとんどが街頭で知り合った人たち。僕のブログやフェイスブックに関心を持ってくださった人たち。僕にパッションやビジョンがなかったら応援してやろうなんて気持ちにはならないのではないでしょうか。

―市民と行政が同じ土俵に立てるようなデータの共有を考えていますね。

現在は、市民と行政が同じデータを共有する『オープンデータ』を深化させたいと思っています。それは行政のデータを、だれでもが見ることができ、それを加工してもいいですよ、というものです。現在はpdfになっているので自分で打ち直さなければならない。ファイル形式でもっと使いやすいものにすれば、「AとBのデータからは実はこんなことが分かる」といった政策形成に繋げられます。
『フューチャーセンター』はそのデータを元に意見を交わす『場』のことです。二つで一つのセットになっていて、政治と有権者の間のキャッチボールのためのツールを確立したいと思っています。今は行政が持つ情報と、市民が持っている情報に格段の差があって、これが両者の対話を難しくしています。だからオープンデータの推進とフューチャーセンターの設置が重要です。

 

 

■地方議会や地方都市で生まれるイノベーション


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―日本の政治の未来に関してはどのように思っていますか。

個人的には政治の世界のイノベーションというのは、確たる根拠があるわけではありませんが、国会ではなくて地方議会とか地方都市で生まれてくるのではないでしょうか。

日本の未来に関しては、僕はまったく悲観的じゃないんですよ。それは永田町からトップダウンで降りてくるというよりも、今の現状に危機感をもった人たちが政治や民間のそれぞれの持ち場で頑張って、「面白いことをやろうぜ」という動きを生んできています。

コラボレーションからイノベーションが生まれて、最終的にはそれが国を動かしていくようになるのではないか、と僕は感じています。

―これから政治の世界を目指す方へのメッセージをお願いします。

政治に関心がない人がこれからどう社会と関わっていったらいいのか、それは僕みたいに議員になることかもしれないし、人によってはソーシャルビジネスかもしれない。やる気のある良い政治家を見つけて応援するという形をとるかもしれない。

大事なことは政治の世界が世の中の縮図であることで、そこに関心を持って欲しいということです。関心を持てば必ずどこかで政治との接点が生まれてきます。

外部の人たちの新しいエネルギーが、政治を活性化させることは間違いがありません。

■プロフィール
伊藤大貴(いとう・ひろたか)
1977年三重県生まれ、早稲田大学大学院理工学研究科終了。日経BP社に入社し日経エレクトロニクスの記者となる。5年後に江田けんじ衆議院議員(現「民進党」代表代行)の門をたたき、横浜市議会議員選挙に無所属で立候補して初当選を果たす。教育やまちづくりなどに力を注いで3期目。現在は、「最高にワクワクする横浜を、つくろう。」をスローガンに、リノベーションまちづくりをベースにした都市型産業の創出、集積に力を注いでいる。共著に『市議会議員に転職しました』(小学館)、『学校を変えれば日本は変わる』(阪急コミュニケーションズ)などがある。

 

※本記事は「Patriots 政治をもっと身近に、おもしろく」の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
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「政治をもっと身近に、おもしろく」 をキャッチフレーズに、高い志とビジョンを持って世の中を良くしようとしていく、 政治家に限らない政治リーダーの熱き想いを紹介しています。

Webサイト : http://patriots-jspm.com/

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