選挙ドットコム

14,875選挙・285,139の候補者情報、日本最大級の選挙・政治家情報サイト

台湾・韓国そして日本。女性リーダーが直面する”壁”を事例から考える



齋藤 貴
齋藤 貴



女性の政治進出が遅れていると言われてきたアジアですが、最近では政治リーダーに女性が着くことが増えています。2013年に韓国で朴槿恵氏が東アジアで初となる女性の国家リーダーになったのを初めとして、今年の5月には台湾の行政リーダーである総統に蔡英文氏が就任。
日本でも小池百合子氏が女性初の東京都知事に就任した他、9月には最大野党民進党で初となる女性代表に蓮舫氏が就任しました。

しかし、既に国家・行政リーダーに就任した女性たちはいずれも困難に直面しています。機密情報漏洩に絡むスキャンダルに苦しむ韓国の朴大統領はその最たる例でしょうが、それ以外にも台湾の蔡総統、そして小池知事にも困難が待ち受けています。
【関連】トランプ大統領誕生は「数字」を見れば当たり前のことだった  >>

 

 

女性政権樹立から半年。台湾はナショナリズムと経済成長を両立できるか


蔡英文氏は2016年1月の総統選挙で当時の野党民進党主席として立候補して当選を果たし、政権交代を実現しました。この時の選挙戦や就任演説では、中国からの自立的な姿勢と低迷していた経済の再生を訴えました。

とりわけ、中国からの自立は重要な政治課題です。2014年には中国との経済交流を深めようとする国民党政権に反発する「ひまわり学生運動」が立法院(日本でいう国会)を占拠したり、行政院(日本でいう首相官邸)に突入したりなど、話題となりました。
学生運動は市民からの支持を得るなど、中国との融和姿勢に反発する世論の大きさは衝撃を与えました。そのため、当時の野党だった民進党にとっては、対中関係は与党国民党を批判しやすく有権者からの支持を得やすい政治問題だったわけです。

しかし、蔡総統の就任以降の対中姿勢は、中国からの不信感を増大させてしまいました。その結果、中国は国際社会に対する圧力を強め、台湾を前政権時代には出席できていた国際会議に出席できないようにするなど、厳しい状況を作っています。
また、外国人観光客の40%を占める中国からの観光客が40%減少するなど、中国との関係悪化は観光にも悪影響を与えています。

一方で中国と距離を取る代わりに距離を縮めようとしていたアメリカや東南アジアとの関係深化が上手くいったかと言えば、そうではありません。特に、重要な貿易協定であるTPPをアメリカが批准する見込みは立っておらず、中国への貿易依存は当面続く見込みです。

蔡政権は中国からの自立と経済成長を訴えましたが、中国への貿易依存は深まる一方で、中国からの不信感が高まり経済にも悪影響を与えてしまっているという状況に陥っています。結果として野党国民党は蔡政権への批判を強めており、厳しい状況となっています。
【関連】なぜ、有識者は「トランプ当選」を外し続けてきたのか  >>

 

 

台湾に続いて小池都政も厳しい局面に…?


では、小池都知事はどうでしょう。豊洲市場見直しや東京オリンピック・パラリンピックの不透明な予算の見直しを掲げ、都政に取り組んでいます。
しかし、これらの問題は楽観視出来る状態ではありません。豊洲市場の問題は、当初は汚染物質や空洞問題が安全問題として重視されていましたが、結局豊洲への移設そのものを見直すには決め手に欠けていました。11月4日の定例会見では、調査中という形で問題を2カ月先送りすることになりました。

また、オリンピック・パラリンピックの問題では、経費の大きさを問題視し競技実施会場の見直しを表明していましたが、国際オリンピック委員会との調整は難航。小池都知事は、500億かかるとされるボート・カヌー競技の海の森水上競技場を城県の長沼で実施する案を推進していました。しかし、国際オリンピック委員会のバッハ会長は既に海の森での実施を主張しており、事実上長沼での開催は不可能になっています。この先どのような議論を重ね、結論を出していくのか、早くも重要な局面を迎えています。

 

韓国、台湾。アジアの女性リーダーはいずれも厳しい状況を迎えています。女性の政治進出が目立った2016年でしたが、2017年はどうなるのでしょうか?
【関連】米大統領選挙で何が起きたのかを検証  >>

 
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

記事一覧を見る

選挙ドットコムでは”選挙をオモシロク”を合言葉に、より多くの選挙報道・政治家情報を集めています。あなたも選挙ドットコムのサポーターになって協力してくれませんか?

Copyright © 2016 選挙ドットコム All Rights Reserved.