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ポケモンで逮捕!? 政治家は絶対に覚えておきたい公職選挙法5つの禁止行為

2016/8/12

選挙ドットコム編集部

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7月の参議院議員選挙では与党が圧勝。直後に行われた東京都知事選挙では、小池百合子氏が初の女性東京都知事に就任するなど、ある意味2016年は選挙イヤーといえるかもしれません。私たちにとって普段、政治は遠くにあるものに思えますが、投票に行ってみると、日々の暮らしを左右していることが実感できます。
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そんな選挙は、当然ですが必ず公明正大に行われなければなりません。選挙の過程で不正行為がなされた場合、ある特定の候補者のみが当選することにつながったり、国民の意見が反映されにくくなってしまいます。しかし、そんな絶対に起きてはならないはずの選挙違反は未だにたくさん起きています。今回の記事では、意外と自分たちも気を付けなければならない「公職選挙法」について説明します。

 

ポケモンGOも公職選挙法違反になる!? 覚えておきたい5つの禁止

日本の選挙制度や選挙権・被選挙権などを規定した「公職選挙法」は内容がとても複雑です。政治家や後援団体による寄附(*)の禁止や、事前の選挙運動の禁止、戸別訪問の禁止など、公選法では様々な規制を設けています。代表的な5つの禁止行為の事例について見ていきましょう。

(*)法令では「寄付」を「寄附」と表記する場合が多く、その意味に違いはありませんが慣例に従って本稿でも「寄附」とします。

1.政治家や後援団体による寄附行為の禁止

政治家(立候補予定者や現職の政治家など)やその後援団体などは、該当する選挙区内のあらゆる者に対して(一部の対象を除く)寄附行為を行うことが原則的に禁止されています。冠婚葬祭で現金や贈答品を渡すこと、お中元やお歳暮を贈ることなども禁止されています。逆に有権者が政治家に寄附を行うことも政治資金規正法により制限されています。つまり金銭や物品の提供による「見返り」を求めていると見なされる行為は、取締の対象となるといえるでしょう。

ちなみに、今、世界中で爆発的大人気となっている「ポケモンGO」には、「ルアーモジュール」というポケモンが集まりやすくなる有料アイテムがあり、アメリカなどでは民主党の大統領候補・ヒラリー氏が2016年7月16日にオハイオ州レイクウッドのマディソン公園で行った集会で、この「ルアーモジュール」を集会場付近に設置するから演説に来て選挙人登録をしてください! というとてもユニークなキャンペーンを実施しました。しかし、残念ながら日本では寄附行為にあたるとみられ、日本の選挙活動中には確認されておりません。
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2.事前運動の禁止

選挙運動期間は、公示日(もしくは告示日)における候補者の届出の時点から選挙期日(投票日)の前日までと決められており、その期間前に選挙運動をすることは事前運動と呼ばれ固く禁止されています。選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」(*)とされています。

(*)総務省「現行の選挙運動の規制」
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10_1.html

今回の参院選では野党候補支持者による「でんわ勝手連」が話題となりました。「○○選挙に立候補した○○候補にぜひ一票を」と電話で呼びかける選挙運動ができるのは選挙運動期間だけであり、事前の期間に「今度○○選挙に立候補する予定の○○候補をぜひよろしく」と呼びかける行為は事前運動として違反と見なされてしまいます。

 

3.戸別訪問の禁止

選挙運動期間を問わず、戸別訪問とは投票依頼など選挙運動の目的で有権者の家などを戸別に訪問する行為を指し、買収や利益誘導、威迫などの不正行為の温床となることなどを理由に禁止されています。仮に事前の期間において選挙とは別の用件(政治活動ポスターの掲示のお願いなど)で訪問した場合でも、そのついでに投票依頼行為が行われれば戸別訪問として違反と見なされます。

 

4.飲食物提供の禁止

選挙運動期間においては、原則として選挙運動に関して飲食物の提供は一切禁止されています。例えば選挙事務所を訪れた人にお酒や食事を提供することや、有権者が陣中見舞いとしてこれらを提供することなども違反と見なされます。

ただし、「飲食物」の中でも、水やお茶、お茶菓子程度のものは提供できるとされています。また選挙事務所内において選挙運動員または労務者に対して弁当を提供することはできるとされています。

 

5.有権者による電子メールを使った選挙運動は禁止

これは割と身近に感じるかもしれませんが、電子メールを使って選挙運動用の文書図面を頒布できるのは、候補者や政党等に限られています。有権者は候補者・政党等から送られてきた選挙運動用電子メールを転送により頒布することも禁止されています。

ただしフェイスブック、ツイッター、LINE等のメッセージ機能を使った選挙運動は制限がありません。

また、同じくインターネット関連では、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことで、18歳の高校3年生は候補者を応援するように呼び掛けることができても、同じく高校3年生でありながら17歳の生徒が行うと公職選挙法違反となってしまう場合があります。若者世代はインターネットが身近なだけに、気を付けなければなりません。

 

 

逮捕者続出! 元航空幕僚長の田母神氏やテレンス・リー氏は何がマズかった?

様々な規定がされている公職選挙法の中でも、罰則の最初に規定されている「買収及び利害誘導」については、最も悪質とされています。公職選挙法221条1項では、当選目的(あるいは当選させない目的)で「金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与」をした場合だけでなく、供与の申込み又は約束をしたこと、その相手方なども処罰の対象としています。

最近も公職選挙法違反「買収」容疑についての報道がされ、著名人の逮捕が相次ぎました。前回の東京都知事選挙の時は、約61万票を獲得し、元航空幕僚長も務めた田母神俊雄氏が、都知事選後に運動員に報酬を支払ったとして、公職選挙法「運動員買収」の罪で逮捕・起訴されています。この時、田母神氏と元会計責任者は運動員に報酬として現金200万円を提供したことが運動員を「買収」したとされたため、逮捕されました。

また、今年の7月の参院選東京選挙区で落選した幸福実現党のトクマ氏の応援演説をした、タレントのテレンス・リー氏も、トクマ候補陣営関係者から会社役員を通して5万円を受け取った疑いを持たれています。テレンス・リー氏は、応援演説をした報酬として現金5万円を授受したため、公選法違反の「被買収」の疑いとなっています。
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公選法は趣旨を理解することが大事

もし公選法の制限がなく、誰でも自由に選挙運動できることができるとしたら、それは素晴らしいことでしょうか。選挙において金銭や物品による「見返り」を求める行為が無制限に行われれば、資金力のある候補者が圧倒的に有利になってしまいます。公選法は選挙に一定の公平性を与えるものであり、なくてはなりません。ただし公選法にも課題がないわけではなく、法解釈の問題や現状にそぐわない規定など、法改正を求める議論は根強くあります。

大事な点はどうして特定の活動が禁止されているのか、その趣旨を理解することでしょう。上記の代表的な5つの禁止行為を知るだけで選挙のニュースを見る目が変わるかもしれません。

 

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