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都知事も女性、米大統領も女性? 副大統領候補 ティム・ケイン氏がカギを握る



選挙ドットコム編集部
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民主党党大会に先立つ7月22日、民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏は、副大統領候補としてティム・ケイン氏を指名しました。筆者からすれば、この指名はかなり意外でした。今回はその驚きとともに、この指名の意味を考えたいと思います。

(ヒラリー・クリントン氏HPより)

(ヒラリー・クリントン氏HPより)



 


アメリカ初の女性首相候補を支えるティム・ケイン氏とは?


ケイン氏はヴァージニア州選出の1期目の上院議員です。彼は大学卒業後に弁護士として障害者差別の問題などで活躍し、1994年同州のリッチモンド市市議会議員当選から政治家としてのキャリアを歩みます。そして、ヴァージニア州知事を務めた後、現在上院議員を務めるベテラン政治家です。

政策的にはリベラルで、男女同一賃金のための政治介入に賛成するほか、オバマ政権が進めるオバマケアなど財政支出を伴う一連の福祉政策にも賛成しています。
また、一方でケイン氏は共和党受けがいいと言われています。保守系経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、州知事時代に共和党議員とも協力して職責を果たしたとして評価しています。また、現在はクリントン氏に倣って反対しているものの、かつてはTPPを支持していました。また、交渉の早期妥結のため大統領に強い権限を与える法律にも賛成しています。このあたりが、民主党内のリベラル派から批判を浴びる要素にもなっています。

 

 

なぜ大勢の予想を裏切り、ティム・ケイン氏なのか?


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冒頭でも書いた通り、私はこの副大統領候補選びが意外でした。私は当初エリザベス・ウォーレン上院議員が副大統領候補になるだろうと踏んでいました。というのも、民主党予備選においてバーニー・サンダース上院議員が予想以上に善戦し、それにより民主党内の溝、中道派とリベラル派の対立が明らかになり、その関係を修復する必要があると考えていたからです。その点、ウォーレン議員は古くから最低賃金引き上げや大企業に対する規制に積極的で、リベラル派議員の重鎮として知名度もあり、サンダース支持者との和解の象徴になるのではないかと考えていました。むしろ、そのような人選をしなければ、サンダース支持者が反発し、クリントン氏を候補として指名する民主党党大会が共和党のように荒れると思っていました。

しかし、実際に選ばれたのはケイン氏でした。それは何故なのか、またどのような意味を持つのか。
第一に、打倒トランプ氏への自信の表れです。今回、ウォーレン氏のようなベテランの有名な議員ではなく、連邦議員として日も浅いケイン氏を選んだということは、副大統領選びによって新たな話題作りが必要なかったということです。仮に大統領選勝利に自信がなければ、より著名な議員を選んだことでしょう。ウォーレン氏はその場合の有力な選択肢でした。また、そのことはケイン氏が共和党受けする議員であることとも関連します。クリントン氏は大統領選そのものよりも、その後の政権運営において共和党議員と協力しやすい体制を作ろうとしたといえるでしょう。
第二に、中道派への揺り戻しです。元来クリントン氏は民主党の中でも中道派で知られていました。クリントン氏は夫ビル・クリントン大統領のファースト・レディーを務め、その時以来夫の中道派政策を支持してきました。それは、福祉をある程度重んじる一方で、「自助」を重視し財政支出削減のために福祉も一部削減するという姿勢に表れています。しかし、今回の予備選の中でサンダース氏の善戦を受け「福祉は削減しない」と宣言させられるなど、クリントン氏はその根本的な部分で政策修正を迫られてきました。仮に、ウォーレン氏を選んでいれば、その修正を継続するものとして、クリントン氏は中道派の政治家として後戻りできないところまで行ってしまうという懸念もあったのかもしれません。今回、ケイン氏を指名することで中道派への配慮を示し、中道派政治家としての面目を保ったといえるでしょう。

そのことの裏返しでもありますが、第三に、サンダース支持者の影響を小さく評価したということです。民主党予備選の結果自体は4月のニューヨーク州予備選のクリントン氏の勝利を受けてほぼ決まっていました。しかし、サンダース氏はその時点で敗北を認めず、7月の党大会ギリギリまで戦いを続けました。その目的は、党大会で採択される党の政策綱領(議会マニフェスト)にサンダース氏の政策を挿入することでした。結局クリントン氏もその要求を受け入れ、サンダース氏はクリントン氏の支持を表明しました。当初、民主党党大会は荒れると思われていましたが、結局トラブルなく進み、中道派とリベラル派の間の亀裂も思ったよりは大きくなかったと言えるでしょう。

そして、第四に、ケイン氏はヴァージニア州選出ということです。11月の大統領選は州ごとに投票が行われ、その勝者がその州に割り当てられた票を総取りするというルールです。州によって民主党・共和党の支持がはっきり分かれるのがアメリカ選挙の特徴ですが、その中でヴァージニア州は民主党と共和党が五分五分の「スイング・ステート」として知られています。つまり、大統領選全体の勝敗をも決する重要州です。今回、ヴァージニア州選出のケイン氏を副大統領候補とすることで、そこでの勝利を固めたと言えるでしょう。

 


気になるのはサンダース支持者の今後の動向


以上の理由からクリントン氏はケイン氏を選んだと考えられます。ここで気になるのが、今回結果として軽視されたサンダース支持者たちの動きです。早速彼らは1000人規模で抗議集会を開きました。「クリントンはいらない」「クリントンは嘘つき」などのボードを掲げ、クリントン氏を批判するものです。クリントン氏からすれば1000人規模で済んだことがむしろ幸いだったと思われますが、今後その不満が拡大しないとも限りません。
また、直近の世論調査ではトランプ氏がクリントン氏に勝っています。さらに、クリントン批判の受け皿としてリベラルな第三政党「緑の党」から大統領選に出馬する動きがあります。その場合、間違いなくクリントン氏の票が奪われる形となります。果たしてクリントン氏が考えた通り大統領選が楽観的に進むのか、今後もアメリカ大統領選から目が離せません。
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