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中川暢三氏:「都議会伏魔殿対策」に「正しい処方箋」を提示



渡瀬 裕哉
渡瀬 裕哉

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東京都知事選挙の「真の争点」は都議会伏魔殿の根絶にある


「都議会伏魔殿」という言葉は何十年も前から使用されてきた言葉であり、今回の東京都知事選挙では注目を浴びている言葉です。しかし、「都議会の何が伏魔殿なのか」ということについて詳細に検討された解説はほとんどありません。
筆者は、都議会伏魔殿化とは、東京都議会というメディアの注目度が低いブラックボックスの地方議会であるにもかかわらず、総額13兆円にも及ぶ巨額の予算の差配権を一手に握っている状況が引き起こす問題、であると理解しています。

戦時中に導入された東京都制(つまり東京都庁が特別区を事実上統括する特別区住民の自治権が制限された状況)は、戦後の高度経済成長を経て東京都が膨大な経済力を背景に予算を拡大し続ける中で深刻な政治腐敗をもたらしました。
東京都内の特別区は都市計画に関する決定(再開発・大規模開発など)についての権限が東京都庁に没収された状態にあり、東京都の強い管轄の下に事実上置かれた状況となっています。つまり、23区全体の開発利権が東京都庁・都議会に集中した状況になっているのです。

実際、1965年には自民党議員が17人も逮捕されるような大疑獄事件(巨額の交際費を持つ議長職を巡る贈賄など)が引き起こされたこともあり、当時も東京都議会は伏魔殿と呼ばれて政治の浄化が謳われましたが、注目度が低い東京都、しかも都区制度というマニアックなテーマは都民の関心を得ることはほとんどありませんでした。

 

 

元加西市長・中川暢三氏が訴える「市区町村への分権」という地味だけれど正しい処方箋


喉元過ぎれば熱さを忘れる都政改革を根治するためには、東京都の制度自体を完全に変革することが必要です。今回の東京都知事選挙では元加西市長の中川暢三氏が出馬しており、東京都から特別区への都市開発に関する権限の移譲などを訴えられています。
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中川暢三氏は2005年(平成17年)に加西市長に当選して大規模な行財政改革を推進し、市議会・市職員との衝突を経てリコールされるも再選を果たした筋金入りの財政改革論者です。今回、自民党・公明党推薦の増田寛也氏が岩手県の借金残高を約2倍にした実績と比べると中川氏は対照的な存在であると言えます。

(中川暢三氏が市長を務めた平成17年度~平成23年度で加西市市債残高は激減)

(中川暢三氏が市長を務めた平成17年度~平成23年度で加西市市債残高は激減)



在職期間中は財政調整基金の減少などの問題も一時的に発生しましたが、任期終了時にはそれら基金の金額も一定レベルまで回復する市政経営の手腕を見せた実績があります。ただし、それらの財政改革の手腕に反発した市議会・市職員組合の抵抗にあい、2011年(平成23年)の市長選挙では敗北することになりました。

その中川暢三氏が都議会伏魔殿への根本的な解決のための処方箋として提示している手法が「市区町村への分権」ということになります。つまり、都民の目が届きにくい東京都から根本的に権限を取り上げ直して、住民に近い基礎自治体で物事を決めていけるようにしよう、ということが主張の核となります。

 

 

マスメディアは主要三候補者以外の報道を行うようにしてほしい


中川暢三氏の実績は今回の東京都知事選挙出馬するにあたって、他候補者と遜色ないものであり、過去に議会との衝突などの問題があったとしても、十分に議論に値する政策を掲げている候補者であるように思われます。

主要政党の候補者推薦基準が東京都民から見て非常に不可解である現在、主要三候補者以外の候補者の実績・人となりなどの情報を有権者は求めているのではないか、と肌感覚で感じています。

少なくとも中川暢三氏は市長という公職を務めた人物であり、その政策内容が取り上げられて然るべきでしょう。各陣営の垂れ流すキャッチフレーズや過去の実績などをほぼ何も検証することなく、そのまま東京都民に伝えようとするメディアの姿勢に強い疑問を持っています。

東京都民の皆様には各候補者の面白政策を比較してみることもお勧めします。各候補者の政策の比較は、
東京都知事選挙2016「政策比較表」
で見ることができます。投票する前に吟味してみると意外と面白い候補者がいるかもしれませんね。

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オリバー・W. ポーター    時事通信出版局    2009-08



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。
※本記事は「切捨御免!ワタセユウヤの一刀両断!」の7月24日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
渡瀬 裕哉

渡瀬 裕哉

早稲田大学招聘研究員、Tokyo Tea Party 事務局長。 東国原英夫前宮崎県知事のマニフェストの作成などの公共分野の改革に関して多数の実績を持つ。 事業家として経営参加したベンチャー企業が東証一部上場企業にM&Aをされて取締役を務める。現在、メディア系ベンチャーのコンサルティング・営業支援事業に従事。 国際的に幅広いネットワークを有しており、米国共和党保守派などと連携し全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。

Webサイト : http://yuyawatase.blog.jp/

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