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【参院選を振り返る】SEALDs活躍も、若者は自民党を選ぶ



山本洋一
山本洋一

SEALDs活躍も、若者は自民党を選ぶ


参院選を振り返る。SEALDs活躍も、若者は自民党を選ぶ

(NHKより)



10日に投開票された参院選は事前予測通り与党の大勝に終わり、憲法改正に前向きな勢力が非改選と合わせて全議席の3分の2を超えました。野党第一党の民進党は「改憲勢力2/3阻止」を前面に掲げましたが、若者の多くは改憲を志向する自民党を選びました。民進党の声はなぜ、若者に届かなかったのか。憲法改正の行方はどうなるのでしょうか。
参院選の結果は自民56(追加公認を含む)、公明14で与党が70議席。野党は民進32、おおさか維新7、共産6、社民1、生活1、無所属4で合計51議席となりました。無所属当選者のうち2人が生活系、1人が民進系、残り1人は沖縄の無党派・基地反対派です。
参院選の結果、憲法改正? 各党の改憲スタンスを確認 >>

 

改憲の提案が可能に


今回、最も注目されたのは改憲勢力で全議席の3分の2を占めるかどうか。改憲に前向きな自民、公明、おおさか維新、日本のこころを大切にする党の非改選議席数は合計84なので、今回の参院選で4党の獲得議席が78を超えるかどうかが焦点でした。
ただ、非改選の無所属の中には、改憲に前向きな姿勢を示している議員が4人います。そのため、実質的には74を超えるかどうかが最大のポイント。結果的に4党の獲得議席数は77で、改憲勢力は非改選も含めて165となり、ギリギリで3分の2を超えました。

憲法改正は衆参両院の全議員の3分の2以上の賛成を得て国会が「発議」(提案)し、国民投票で賛否を決める仕組み。すでに衆院では与党が3分の2を占めているため、参院でも改憲勢力が3分の2を超えたことで、改憲の発議の可能性がグッと高まりました。
気になる投票率。1位は長野県、最下位は◯◯県  >>

 

民進党は大きく目論見が外れた


目論見が外れたのは民進党です。民主党と維新の党などが合流して今年3月に誕生した民進党は今回の参院選で「与党が3分の2を取れば憲法改正を必ずやってくる。憲法の平和主義が変えられてしまう」(岡田克也代表)と繰り返し、「改憲勢力2/3阻止」を前面に打ち出しました。
しかし、結果的に与党に大勝を許し、改憲勢力で3分の2を超えました。今回の参院選では国政選挙として初めて18~19歳に選挙権が与えられましたが、18~19歳をはじめとする若者が与党大勝を後押ししたのです。
共同通信の出口調査によると、18~19歳の40.0%が比例代表で自民党に投票。民進党が19.2%、公明党が10.6%と続きました。自民党に投じた割合が最も高いのが20代の43.2%。30代でも40.9%が自民党に投票するなど若年層の多くが自民党を選びました。
なぜ、若者の多くが自民党に票を投じたのか。学生の就職率が大幅に上昇するなど、若年層の多くがアベノミクスの恩恵を感じているからという指摘もありますが、民進党の「対案なき改憲批判」に若者が共感を持てなかったからとも言われます。

 

若者の声はSEALDsのみではない


【参院選を振り返る】SEALDs活躍も、若者は自民党を選ぶ民進党は参院選にあたって野党「共闘」を掲げ、共産党などとの候補者の一元化を進めました。一部の「1人区」では効果があったとみられますが、共産党への反感から離れた票もあるとみられます。
若者世代では安倍政権による安全保障関連法制の制定以降、反対デモを主導した学生団体SEALDsが注目されていますが、彼らが必ずしも若者世代の声を代表しているわけではありません。「大きな声」ばかりに注目し、「声なき声」に耳を傾けないと若者の本質を見誤ってしまいます。

 

改憲されるかどうかはこれから


安倍晋三首相は自民党内きっての改憲派ですが、選挙後のテレビ番組では「この選挙で是非が問われたとは考えていない。今後、与野党関係なく憲法審査会でしっかり議論してほしい」と述べるにとどめました。背景には連立を組む公明党への配慮があります。
公明党は憲法改正自体には前向きですが、環境権やプライバシー権を付け足すという「加憲」という立場。自民党草案にある9条の改正などには反対論が根強いのが実情です。公明党が反対すれば3分の2を大きく割り込むので、現段階では首相も慎重にならざるを得ません。
世論調査を見ても国民が憲法改正の是非を巡って揺れ動いているのがみてとれます。改憲勢力が衆参ともに3分の2を超え「いつでも憲法改正を発議できる」状況になった今、国会議員や国民がどう考え、どう判断するか。改憲を巡る議論が激しくなりそうです。
山本洋一

山本洋一

元日本経済新聞記者 1978年名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部、経済部の記者として首相官邸や自民党、外務省、日銀、金融機関などを取材した。2012年に退職し、衆議院議員公設秘書を経て会社役員。地方議会ニュース解説委員なども務める。

Webサイト : http://ameblo.jp/yzyoichi/

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