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【秋にも辞任?】本命小池百合子、大穴橋下徹 舛添知事後継の行方



山本洋一
山本洋一

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東京都の舛添要一知事が政治資金の調査を依頼した2人の弁護士とともに記者会見し、いずれの疑惑についても「違法性はない」と釈明しました。知事は続投に意欲を示しましたが、大多数の都民は納得しておらず「辞任すべき」との声が広がっています。舛添氏は辞任に追い込まれるのでしょうか。そして後任には誰が相応しいのでしょうか。




繰り返された「違法性は無いが不適切」


調査を担当したのはいずれも検事出身の弁護士、佐々木善三氏と森本哲也氏。これまで指摘されてきた膨大な数の疑惑についてすべて「違法ではない」としたうえで、一部の宿泊費や飲食費は「政治資金の支出としては不適切だった」と結論付けました。
不適切だとされた宿泊費や飲食費は政治資金から支出され、政治資金収支報告書に記載済みのもの。不適切だというのであれば政治資金規正法が禁じている「虚偽記載」にあたる可能性がありますが、佐々木氏は「虚偽記載にはあたらない」と断言しました。この発言からもはじめから結論ありきの調査だったことがはっきり読み取れます。
仮に違法性がなかったとしても、道徳的には許されるべきではないでしょう。公用車の存在を否定していたにも関わらず、公用車を悪用して別荘通いに使い、「公私混同」を批判していたにも関わらず、私的な宿泊費や飲食費を政治資金から流用していたのです。




辞任の声は冬にかけて高まる?


今後、襟を正せばいいというものではありません。別荘を売却し、流用した飲食費などを慈善団体に寄付すればいいというものでもありません。舛添氏自身が「お前のいうことは信じがたいということでありますから」というように、舛添氏の言葉は都民の信用を失ったのです。言葉を信用されないトップの座に居座り続けられるとは到底思えません。
2年前に舛添氏を担いだ自民、公明両党は2つの理由で舛添氏を辞職に追い込むことに尻込みしているといわれています。一つ目は有力な後継候補が見当たらないから。二つ目は今、辞任すると東京五輪の時期に次の知事選が重なることになるからです。
一つ目は与党の勝手な都合であり、その他の政党にも都民にも関係ない話。しかし、二つ目は都民だけでなく、日本全体に関わる話と言えます。それを考えると数か月は舛添氏が続投し、秋から冬にかけて辞任圧力が再び強まる可能性がありそうです。




有名アイドルの父親から大物政治家まで、都知事立候補の噂


実際に都知事選が行われることになったら、誰が知事に相応しいのでしょうか。
現在、後継として名前が挙がっているのは国会議員では自民党の石原伸晃経済再生相や小池百合子衆院議員、片山さつき参院議員ら。タレント議員系では民進党の蓮舫参院議員や生活の党の山本太郎参院議員、東国原英夫元宮崎県知事、橋下徹前大阪市長ら。タレントではジャーナリストの池上彰氏や安藤裕子氏ら。アイドルグループ「嵐」メンバーの父親として知られ、今月末で退任が決まった桜井俊総務事務次官の名前も浮上しています。
この中で出馬の可能性が高そうなのは小池氏、蓮舫氏、山本氏、東国原氏の4人。新進党出身の小池氏は純粋自民党ではなく、仲間も少ないため小泉政権で環境相に就任して以降は党内でくすぶっています。かつて自民党総裁選に立候補した経緯もあり、当選のチャンスがあれば果敢に打って出る可能性があります。


民主党政権時に行政刷新担当相などを務めた蓮舫氏も民進党の政権獲得が見通せない中、チャンスありと見れば知事選に挑戦する可能性があります。山本氏も少数野党の国会議員でいるより、影響力の強い都知事に魅力を感じているでしょう。
山本氏は安保法反対や反基地などを声高に主張しており、左派勢力の支援を集めて存在感を示す可能性があります。
2011年の都知事選で石原氏に次いで次点だった東国原氏も最近ではメディアで舛添氏を強く批判しており、虎視眈々と知事の座を狙っているとみられています。
一方、石原氏は首相への未練があるため国会議員の座を捨てるとは考えにくく、池上氏、安藤氏、桜井氏らも現在の地位を放り出してまで危ない橋を渡るとは思えません。橋下氏も出馬すれば話題を集めそうですが、テレビ局に「不出馬」を誓ってタレントに復帰したばかりの現状では可能性は高いと言えません。




歴代都知事は学者・官僚・作家・タレント


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東京都知事が公選制となって以降、知事の座についたのは初代の安井誠一郎氏から舛添氏まで計8人。このうち官僚出身が2人、学者出身が3人、作家が2人、タレントが1人。
期数では元自治官僚の鈴木俊一氏と作家で国会議員も務めた石原慎太郎氏がともに4期で最長。タレント出身の青島幸男氏と作家出身の猪瀬直樹氏がともに1期で最短となっています。もっとも青島氏は1期を全うしましたが、猪瀬氏はたった1年で辞任に追い込まれました。
過去の経歴では歯に衣着せぬ物言いで抜群の人気を誇った石原氏以外、官僚経験者の安定感が目立ちます。しかし、最近では短命も多いものの、4代続けて作家やタレントなどの著名人が当選しています。
最近では「自公系候補」の強さも目立ちます。最近の知事の中で青島氏は政党の支持を受けない「オール野党」体制でしたが、石原氏は2期目の選挙以降、実質的に自公の支援を受けました。猪瀬、舛添両氏も選挙の際に自民、公明両党の推薦を受けています。


これらを総合すると、与党の支援を受けた、知名度の高い候補というのが最も知事の座に近いと考えられます。それで言うと、現在、最も可能性が高そうなのは小池百合子氏。ただ、選挙が後にずれ込んだり、与党系以外に知名度の高い候補が出てきたりすれば、自公が橋下氏を担ぐ可能性もあります。


対抗馬の本命は山本氏と東国原氏。各政党がどんな戦略を描くのか。都民がどんな選択を示すのか。今後の展開から目が離せません。


山本洋一

山本洋一

元日本経済新聞記者 1978年名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部、経済部の記者として首相官邸や自民党、外務省、日銀、金融機関などを取材した。2012年に退職し、衆議院議員公設秘書を経て会社役員。地方議会ニュース解説委員なども務める。

Webサイト : http://ameblo.jp/yzyoichi/

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