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サボろうとすればサボれる。政治家の仕事とは何か。|(永田町の住人が死ぬ前に絶対に伝えたい政治の話.6)



藤川 晋之助
藤川 晋之助

「政治とは何か」
私は地方議員をしている最中に、いつもなにやら座りの悪さを感じていました。仕事をする気になればそれこそ無限に仕事がある。しかし手を抜けば、行事だけをこなしていれば議会も毎日開かれている訳でもなく、何もしなくても時間は流れていく。サボり放題なのだ。

まして、国会と違って地方は大統領制であり、議会はたいていが野党は共産党だけで、自民党から時として社民党まで首長の与党となり、しばしば馴れ合いにもなってしまう。議会は行政のチェック機能でなくてはならないのに、首長を守る為の存在になり、どうしても真正面から改革勢力であることが難しくなりがちなのだ。



およそ与野党で激論しあう永田町とは違って、地方議会では国会とは異なった空気が流れているところが多い。新人議員も委員会の人事など、普通に議会の仕事をしようとすると、議会内の秩序に溶け込んで行かなくてならず、あまり突出した行政チェック機能も政務調査活動も鈍ってしまうように見受ける。


この議会特有の雰囲気は、議員を経験してみないとなかなか理解しにくいのだが、そこを無視して活動することは意外に勇気のいることなのである。

議員はむしろ行政からみれば予算圧力をかけてくる存在になりがちであり、役所も手慣れたもので、陳情をいくらか聞いて手懐けてしまう場合も少なくない。

地域全体の活性化や改革へ向けての問題提起など、国会と違って、議会専門の調査室や国会図書館のような機能がある訳でなく、スタッフを充実させるだけの資金力もない為に、あまり鋭い調査力を有している地方議員は残念ながら驚くほどいないのが正直なところだ。

しかも、まだまだ地方自治、地方分権とは名ばかりで、ほとんどが国の物差しで法律や予算の執行、補助金の確保の為の陳情などによって決められていく領域が多く、地方も国にもたれかかっていたほうが楽だった時代の意識から抜け出しているところまで来ていない。というか勇ましいことを言っても制度的に不可能なのだ。

地方から国を変えると主張する人は多いけれど、正直なところ地方議員時代の私の実感は、国が変わらなくては地方も変わらないということであり、民主党政権の際にせめて一括交付金制度が進むのかと期待をしたが、見事に形骸化してしまった。当然、官僚は一切に抵抗し、地方への金と権限の委譲は至難の技なのである。

私は国と地方の関係がこのままである限り、中央集権体制のままに一極集中が進むばかりで、地方の衰退は避け得ないと思っている。全てが東京の物差しで福祉もまちづくりも、教育でさえもがんじがらめになっていることは、ある時代までは意味があったと思っているが、そのことが何処へ行っても金太郎飴的な地方都市を量産して行ったのである。

政治は行政に方向性やルールを与える存在であるべきだと私は政治の仕事をするまでは確信していたが、現状は政治が行政の上に民主主義の名のもとに乗っかっているだけで、しばしば方向性さえも行政に作らせていることを知って愕然としたものだ。政治が独自にシンクタンク機能を持たなくてはならないとその頃から思うようになった。

政治とは何か、あまりにも行政に乗っかり過ぎた政治に、いわゆる学問上の政治学が意味があるのだろうかと、現場にいながらずっと感じ続けて来た。政治が統治機能であり、神話と技術の結合であると私は認識しているのだが、それゆえに日本の国家を政治的行政国家だと位置づけて来た。

政治主導が盛んに叫ばれたこともあったけれど、行政がリスペクトするような政治たるにふさわしい政治家がどれだけいるのだろうかと思うと、国も地方も人材不足を痛感しない訳にはいかない。私はずっと道州制などの「国のかたち」の議論が進まないことが、そもそも政治全体の力量不足を象徴していると認識しているのだが、間違っているのだろうか。

政治家の演説に、未來や哲学を感じないのが寂しい。つまり技術論があっても神話がない。現代に神話を求めることはもはや危険なことなのだろうか?行政を真に牽引する政治とは何か?真摯に問われるべき課題だと思えてならないのです。
藤川 晋之助

藤川 晋之助

政治アナリスト。23歳の時、選挙の手伝いをきっかけに国会議員秘書となる。代議士秘書、大臣秘書、地方議員、放浪と隠遁生活を経て東南アジアでいくつかの事業に挑戦。帰国後、東京で藤川事務所を設立し、国会議員や首長の政策立案、選挙をサポートする。政官マスコミに幅広い人脈を持ち、田中派・小沢派での豊富な選挙経験を武器に高い勝率を誇る「選挙のプロ」としても名高い。趣味は文学と政治。

Twitter : https://twitter.com/semsem645

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