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【業界初の選挙漫画】選挙が中心となり、友情・闘いを超え、ひとが成長する姿を見て欲しい『帝一の國』古屋兎丸先生インタビュー 第2弾

2016/5/1

小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

【業界初の選挙漫画】選挙が中心となり、友情・闘いを超え、ひとが成長する姿を見て欲しい『帝一の國』古屋兎丸先生インタビュー 第2弾

『帝一の國』(集英社)は、第1話の冒頭から、野心を隠さない主人公・赤場帝一が登場し、会長戦を巡る生徒同士の熾烈な闘いの火蓋が切って落とされます。
また、6年という長期にわたる連載の中では、個性豊かなキャラクター同士の駆け引きだけでなく、恋や友情といった「等身大の若者」の姿も描かれています。
インタビュー第2弾では、作品を通して伝えたかったことについてうかがいました。

 

ーー『帝一の國』は、物語が徐々に進むというより、第1話からトップスピードで闘いに入っています。

昔の漫画の作り方だと、『あしたのジョー』(原作・高森朝雄、画・ちばてつや、講談社)で主人公が闘う気になったのは、4巻からですよね。不良が喧嘩をしていて少年院に入り、そこで力石徹というライバルに出会う。そこからボクシングに入っていくという、自然な流れで進んでいました。。今は(読者の)漫画を読む目が肥えて、ゆったりとしたスピードについてきてくれないので、まず1話目で「僕は生徒会長になることが目的だ」と、ハッキリとブチ上げないといけません。

ーー昔の漫画は、ゆっくりとストーリーが始まって、少し経ってから本題に入るというのが普通の流れだったような気がします。

昔の漫画(の流れ)で「帝一の國」を描くと、「何の目的で入ってきたか分からないけれど、生徒会の現状を目の当たりにし、だんだんと生徒会長になりたいと思うようになる」というところにたどり着くまでに、3巻くらいかかると思います。今はそれだと、3巻が出る前に打ち切られてしまいます。

ーーそういうリアルな現実があるのですね。

漫画も選挙も闘いですから(笑)

ーー『帝一の國』は、キャラクターが野心をむき出しにしつつ、絵のタッチに色っぽさがあり繊細で、ギャップがあります。何か狙いはあったのでしょうか?

狙いというより、それは僕の絵の特性です。漫画に描かれたものは、偶然できたものはなく、すべては作者の意図が現れているものだと思います。ですから、『帝一の國』の大げさな表現、選挙戦の盛り上げ方、絵柄に関しても、すべて意図して描いているものです。『帝一の國』は、簡単にいえば「男性だけの宝塚」。選挙戦を通して、宝塚の歌劇のようにきらびやかに、大げさに、やりすぎ感などが出たらいいなと思っていました。

ーーストーリーやキャラクター設定など、すべてをこなすご苦労、楽しさを教えてください。

『帝一』もそうですが、自分がノって描けるものは、最初のプロットが立つまでが異常に速いです。熱にうなされたように、ぼーっとしていても、そのことばかり考えています。「これはいける! 楽しそう! この世界を早く描きたい!」と思うようなものは、とにかくスピードが速いのです。
『帝一』も、パッと思い浮かんで、キャラ設定やストーリーラインを描く第1話のネームも、とても速く描けました。(連載期間が)長くなってくると、「どうやって終わらせよう?」という苦悩に変わってきますが、最初のうちのそれは、このストーリーとキャラクターに出会ってしまったので「この人たちとずっと一緒にいたい」という恋愛のような気持ちです。その後には倦怠期があり、「どうしたらうまくいくのかな?」という時期を乗り越えるためには、少し努力が必要ですし、途中で違う作品に浮気して戻ってくるなどしながら、最後までもっていきます。

ーー長い連載だと、紆余曲折があるのですね。

1〜3巻くらいで終わる連載だと、浮ついた恋心だけで描けてしまいます。(連載期間が6年の)『帝一』に関しては、自分の中でまた(気持ちを)燃え上がらせたのは、舞台化です。それが同時に動き出したことで「よし! もう一度」と思い直して、最後までうまく描けました。

ーー連載と同時進行で舞台のお仕事もこなすのは、ハードではなかったのですか?

舞台と漫画のラストの内容をうまく合わせられるか? という気持ちはありましたが、それらが連動して、奇跡的にうまくいきました。

ーー作品の中には「恋」のお話もありました。思春期・青年期の青さ・熱さと、ドロドロの政治的なものの合わさり具合に惹きつけられます。

(漫画の)舞台を昭和にした理由は、「昭和の学生は熱かった」というイメージがあったからです。70年代の学生運動は、高校生も学生運動をしていました。それは「制服反対、私服を勝ち取るぞ」などですが、学生たちが自分の権利のために闘っていた時代が「昭和」だと思います。それが若者の特権だったのかなと思う時もあります。今は、変なことを書くとすぐに叩かれたり、炎上するので、闘う意思みたいなものが削がれやすく、闘いづらい世の中になっているのではないかと思います。

ーー漫画を通して伝えたかったことを教えてください。

「生徒会長選挙」を通しての、帝一君の成長です。物語の大きな軸が「選挙」で、そこにいろんな生徒たちが絡み合うという話ですから、関わった生徒たちの闘いに「誰が勝ったか」が大事なのではなく、(登場人物同士の)結びつきや友情を通じて、どのように変わっていったか、変わらなかったか。一番、描きたかったのは、その部分です。

 

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どのような物語が世の中に生まれていくのか興味があります『帝一の國』古屋兎丸先生インタビュー第3弾

 

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小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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