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【業界初の選挙漫画】18歳選挙権解禁で若者がどのように変わっていくか?どのような物語が世の中に生まれていくのか興味があります『帝一の國』古屋兎丸先生インタビュー第3弾

2016/5/1

小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

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普段から、締め切りのはるか前に作品を仕上げ、スムーズな進行を続けていた古屋兎丸さんですが、途中「珍しく苦悩が見えた」(担当編集者)ことがあったそうです。
インタビュー第3弾は、その「苦悩」の理由、長期の連載を乗り切る熱い思い、漫画と恋愛の共通点について、熱く語っていただきました。

 

ーー物語の設定の大枠はあると思いますが、ストーリーはどのようにつくっているのですか?徐々にでしょうか。

『帝一』のように(連載期間が)長いものは、徐々につくっていきます。人(登場人物)が多いですし、一人のキャラクターが意外な動き方をしたことによって、ストーリーがまったく(別のものに)変わることもありますから、キャラクターを動かしてみないと分からないことが多いです。
僕自身、森園億人が生徒会長になることは、思ってもみなかったことです。伏兵として、途中からだんだんと存在感が大きくなっていき、「あれ? これは、億人が生徒会長になるのかな?」という予感とともに描いていました。読者が読んでいるのと近い状態で描いていたかもしれません。
あと、自分で自分を盛り上げるために、ナレーションで自分を煽っていきます。例えば、「このとき帝一は、更なる大嵐に飲み込まれようとは、予想していなかった」と描いて、「どうする? 煽ってしまった」と、その後で考えます。あれは読者を煽っているのではなく、自分を煽っているのです。

ーーすごい裏話を聞いてしまったような気がします。ところで、ストーリー作りにも恋愛期・倦怠期などはあったのでしょうか?

どうしていいか分からないくらい悩む時期がありました。出すキャラクターによって、物語の選択肢が何億通りにも広がっていきます。氷室(ローランド)が飛び降りて、森園が生徒会長になり、その後、新1年生達の登場によって「帝一が更なる窮地に立たされる」というストーリーを描きました。新1年生は全部で12人いますし、それをどのようなキャラクターにするか、想像もつかなかったです。帝一たちの闘いも、1年生の時と、2年生になってからでは「同じことは描けない」という思いもありましたから、どうすればよいのか…と悩みました。

ーー私が同じ立場だったとしたら、辛くてふて寝しそうです。

そこでふて寝をしないのは、「この漫画は面白い!」という、自分の中の確信みたいなものがあるからです。「すごくいい人と結婚したから、なんとかこの状況を乗り越えなくては!」という気持ちです。最初から「イマイチだな」と思う人と結婚したら、ふて寝をして、投げ出してしまうかもしれません。ですが、最初の恋心が強く「これはいいものができそうだ!」という予感が強いからこそ、乗り越えられるのだと思います。最初の設定の面白さや、何もない所からつくり出すという”ゼロからイチ”の部分が重要で、そこに恋ができるかどうかが一番、大きなポイントです。

ーー恋愛や結婚に悩む方に、お知らせしたくなるお話だと思いました。

漫画を通して「結婚」についてよく考えます。実は、半年間くらいずっと考えていた漫画がありました。やる意義がある、やったら面白いと思い「やるべきだ!」と決めました。さまざまな文献を調べ、プロット、1・2話目までのネームを描き、来週から「さぁ作画だ!」という時期になって、急にマリッジブルーになってしまいました。時間にすると何百時間も費やしているのですが、急にイヤになって全部、捨てました。その後、3時間でプロットを立て直したものは、描くことがものすごく楽しく、残りの計200ページのプロットも立ちそうな勢いです。それは(作品に)恋をしているからです。恋をしていると多少、途中で詰まっても乗り越えられます。これと同じように、結婚は、その人の年収などとは関係なく、初期の情熱や恋心で突っ走らないと、絶対ににうまくいかないと思うのです。

ーー結婚となると、最初の条件を気にすることが多いですよね。

漫画家を始める前は、美大を出てから、高校の美術講師を週2日程度やっていて、年収50万とか60万円、月々5〜6万円の収入でした。その後、ガロではギャラ無しで漫画を描いていましたが、今は生活できています。人はどう変わるか分からないですから、「好き」となったら、その人を信用してそこ(結婚)まで行った方がいいのでは? と思うのです。

ーー漫画と恋愛は通じるものがあるのでしょうか?

僕はそう思っています。漫画に対する熱い思いは、最後まで描かせる原動力になると思っています。

古屋兎丸先生

ーー最後に、夏に解禁される18歳選挙権について、一言いただけますでしょうか。

選挙をすることの良し悪しは、僕にはまだよく分かりません。しかし、そういう制度になったことで、その先、社会がどのように変わっていき、若者がどのように変わっていくのか? どのような物語が世の中に生まれていくのか? ということに、とても興味があります。もしかしたら、成人年齢の引き下げなどへの一つの布石になるかもしれません。時折起こる、このような大きな変化は、作家としては見逃さないように注視していきたいです。

 

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小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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