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腐っても鯛?!民進党は政界の「劇薬」、小沢一郎を飲み込むか



山本洋一
山本洋一

腐っても鯛。小沢一郎の暗躍がはじまる

民主党に維新の党や一部の無所属議員が加わり、衆参合わせて156人の国会議員を擁する民進党として再出発しました。3月27日には東京のホテルで盛大な結党大会を開きましたが、壇上には野党の中心に居続けた“あの人”の姿がありませんでした。「壊し屋・小沢一郎」が民進党にどうかかわるのか、与野党から注目が集まっています。

 

新進党、じゃなくて民進党。岡田代表と小沢一郎の関係


「自由、共生、未来への責任。この3つの言葉を結党の理念として、覚悟を持って新進党…民進党、スタートさせましょう」

民進党の岡田克也代表は結党大会の冒頭で、さっそく新党の名前を言い間違えました。新進党とは小沢一郎の主導で1994年に結成し、たった3年で小沢が解党を決めた政党。当時、まだ若手だった岡田は議員総会で「新進党と書いてくださった有権者に対する裏切りだ」と発言し、代表だった小沢一郎に党を存続させるよう食い下がった因縁があります。

小沢一郎は新進党解党後に自由党を作り、岡田は国民の声、民政党を経て民主党に参加しました。その後、自由党と民主党は2003年に合併、いわゆる民由合併を実現しましたが、岡田は民主党内でも指折りの「反小沢」として知られていました。

しかも、小沢一郎が民主党政権時に、消費増税に反発して集団離党した経緯から、岡田の中の「小沢アレルギー」は倍加されています。

 

民主党が生活の党に選挙区を譲った背景に見えるもの


その岡田が率いる民主党は3月、夏の参院選の新潟選挙区(改選数1)への擁立を検討していた菊田真紀子衆院議員の出馬取り下げを決めました。同選挙区には野党から民主、共産、維新、そして小沢一郎が率いる生活の党の4党が独自候補の擁立を検討していましたが、生活の森裕子元参院議員に一本化するというのです。

野党第一党の民主党が、所属議員5人の小政党に選挙区を譲るというのは異例のこと。そこに岡田と小沢一郎の関係改善の匂いをかぎ取った永田町関係者は少なくありません。

「あの人は嫌いだとか言っていたら政権を取れるはずはない」。民主党政権で首相を務めた鳩山由紀夫は、民進党の結党に関してこんなアドバイスを送りました。岡田執行部に対し、小沢一郎を活用するよう求めたのです。

 

小沢一郎、復活の舞台は整っているのか


小沢一郎が民進党に加わる「地ならし」はできています。民主党と合流した維新の党には、松野頼久代表や太田和美らのように、民主党時代に小沢に近かった「小沢系議員」が多くいたことで知られます。民主党内にもかつて小沢グループに所属した議員が少なからず残っており、民進党には「親小沢」の議員がたくさんいるのです。

生活の党側にも野党再編の波に乗りたい事情があります。生活の党の所属議員は衆院が小沢一郎と玉城デニー(沖縄3区)、衆院が主浜良(岩手選挙区)、谷亮子(比例)、山本太郎(東京選挙区)の5人。参院の3議員のうち、主浜と谷は今夏が改選期。衆院もいつ選挙があってもおかしくない状況です。

生活の党の支持率はほぼゼロ。いくら野党間で候補者調整しても、いくら「ヤワラちゃん」の知名度が高くても、これでは落選してしまう可能性があります。候補者にとっても、党にとっても、民進党への参加は生き残りのチャンスなのです。


ただ、民進党にとって、小沢の参加は諸刃の剣と言えます。岡田の脳裏にも、19年前に小沢一郎が突然プッツンし、新進党を解党した記憶は色濃く焼き付いていると思われます。一強多弱の打破に向けて「劇薬」を使うか、それともじわじわと勢力を伸ばすか。岡田をはじめとする民進党執行部の判断に注目です。

 (敬称略)


山本洋一

山本洋一

元日本経済新聞記者 1978年名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部、経済部の記者として首相官邸や自民党、外務省、日銀、金融機関などを取材した。2012年に退職し、衆議院議員公設秘書を経て会社役員。地方議会ニュース解説委員なども務める。

Webサイト : http://ameblo.jp/yzyoichi/

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