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実は投票できなかった!「投票権の空白」は解消し、この春、引越しをする若者は必読!

2016/3/7

渋谷壮紀

渋谷壮紀

実は投票できなかった!「投票権の空白」は解消し、この春、引越しをする若者は必読!

年度末・新年度に合わせて引っ越しをする人も多いのではないでしょうか。

そのときに、地味に面倒なのが住民票を移すこと。特に大学進学でひとり暮らしを始める新大学1年生は実家に住民票の残したままという人も多いかもしれません。大学生では少ないかもしれませんが、新生活に向けて、ちゃんと住所に住民票を移すという方もいるのではないかと思います。

そして今年の夏に、新しい住所で選挙を向かえるという方もいると思います。しかし、そんな時に選挙に行くことができないとしたらどうでしょうか。実はそんな問題が今までありました。「投票権の空白」という問題です。

そんな期待にあふれた新生活をさらに良いものにしようと、「投票権の空白」が解消されました。今回はこの問題と、解決策についてみていきたいと思います。

 

新生活に潜む制度的な壁「投票権の空白」

「投票権の空白」とは、「引越しで住民票を移して、3ヶ月以上経っていない新たな有権者は選挙権が持てない」というものです。

つまり、4月から新生活をはじめる為に引越しをした人が、7月の参議院選挙では「地元」じゃないと投票権が与えられないという事です。そうなると、地元に帰らないと投票ができなくなります。

これはなぜかと言うと、選挙期日までに新しく有権者になった人でも3ヶ月以上、住民票の住所に居住していなければ、自治体の選挙人名簿へ記載ができず、投票することができないのです。

具体的には、選挙人名簿への記載という「毎年3月、6月、9月、12月の2日に定期的に行われる登録(定時登録)」と「選挙前の基準日までに3ヶ月以上居住して、選挙期日までに有権者年齢に達している人を登録(選挙時登録)」の2つがあります。

この2つの条件だと、住民票を移してから、3ヶ月以上たっていなければ誰でも投票できないようになります。ですが、一つの自治体の選挙人名簿に一度登録されていると住民票が移っても4ヶ月間は予備で残されており、前の自治体で投票することが可能です。

しかしこれまで一度も登録されていない「新しい有権者」は3ヶ月の居住がなければ登録できない。そして、宙ぶらりんとなってしまい、空白の期間が生まれてしまうのです。

 

なぜこのようなことが起きていたのか?

なぜ問題がある制度を残していたのかというと、「不正投票」の可能性があったからです。

例えば、選挙の際に強制的に住民票を移されて、ある政治家への投票数を多くさせるなどの選挙不正が行われることが考えられます。他には、勝たせたい政治家がいるから、グループとして住民票を移して、組織票として選挙に望むということもあるかもしれません。

そのようなことが各地で起こってしまうと、有権者の意見を代表するという本来の政治家の意義が薄れてしまいます。なので、投票権がどこの自治体なのかを示す選挙人名簿の変更は3ヶ月間の移行期間を設けているのです。

とても重要なことですが、18歳選挙権解禁によって高校生から大学生になって新生活を迎える若者が初めての投票なのに、3ヶ月の居住実績がないと投票できない、という事実と重なってしまい、問題化しました。

 

「投票権の空白」に対する法律改正

今行われている国会で公職選挙法の改正案が出されました。

新たに18歳から選挙権が与えられたことによって、今まで以上に「投票権の空白」の被害を受ける人が増えてしまうとの懸念から、「新しく有権者になる人は転居から3カ月未満の場合、引越し前の自治体に3カ月以上居住していれば、引越し前の自治体で投票できる」ということになりました。

政府や政治家としても18歳選挙権となったにも関わらず、若者の投票率が低くなってしまうことを防ごうとした結果、これまで解決されていなかった問題に取り組んだのです。

 

引越した人は「不在者投票」という方法

では、引越し前の自治体で投票するのですが、遠くて行くことができないという人は、どうするのでしょうか。そんな時のために、「不在者投票」という方法があります。

旅行や仕事で選挙期間中や期日前投票にも行くことができない方に対して、訪問地で投票が行うことができるという制度です。最近では不在者投票制度も一般的になってきており、制度が充実しています。

各自治体で、不在者投票の申請書がダウンロードできます

それの必要事項を記載し、自治体の選挙管理委員会に送ります。そして選挙期間中に、投票用紙を郵送されて、居住している自治体の期日前投票所で投票を行います。そして、その投票用紙は住民票のある自治体に郵送され、開票日に一緒に集計され、自分の一票が反映されます。

この説明はあくまでも一般論ですので、詳しくは自分の住民票がある自治体のホームページにて、丁寧にどのようにすればよいか説明があると思いますので、確認してください。

「投票権の空白」が見直され、国政選挙では、全ての18歳以上の有権者が不在者投票などの制度によって、投票を行えるようになりました。

政治側も投票率の向上を期待していますので、安心して初めての選挙にいってください。

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渋谷壮紀

渋谷壮紀

1988年鳥取県生まれ。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程在学中。専攻は政治意識・行動分析、実験政治学。研究テーマは政党公約分析、有権者選好のマクロ分析、熟議民主主義の実証研究など。学部時代にWebサービス開発の経験あり。

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