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「日本のこころ」って何ですか?日本のこころを大切にする党本部にぶっこんで聞いてきた



寒川倫
寒川倫

先月選挙ドットコムで書かせていただいた記事「半分以上がガン無視!20代の若者が各政党にメールでお問い合わせをしてみたら…」は、相当反響をいただいたようである。これは政党のお問い合わせフォームから連絡を取ろうとしたのに、ほとんどが自動返信できちんと返事が来たのは半分にも満たなかった……という内容であったのだが、中にこんなご指摘があった。


そう、自動返信だと思っていた「日本のこころを大切にする党」のメールは、実は手入力であり、手入力による返信の早さだけで言えば全政党中最速だったのである。(自動返信システム自体がないそうな。)内容はこれ自動返信でもいいだろと言いたくなる程度の薄さだったので私は勘違いしてしまっていたのだが、間違いであることは確かなので、この場を借りてお詫び申し上げます……。

で、この通り政党本部へお誘い頂いたので、お詫びついでに取材へ突入することにした。以下は、右も左も、もはや上も下も分からない若者が、政党本部で18歳選挙権への取り組みについて伺ってみたというルポである。

 

人生初の政党本部


「日本のこころを大切にする党」の本部は、永田町にある。駅を降りた瞬間から目の前に広がる巨大なビル群……その一角、「クリムゾン永田町ビル」という建物の6階が、今回の取材先・日本のこころを大切にする党本部である。出迎えてくださったのは、広報宣伝室の眞野さんと地方組織部の嘉悦さんという美男美女コンビ。開始2秒、いや開始前から気圧されたが、お忙しい中時間をとっていただいたのでさっそくお話を聞くことにした。

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広報宣伝室の眞野さんと地方組織部の嘉悦さん

 

学生向け


日本のこころを大切にする党が若者に向けて行っている政策・企画の骨子は大きく分けて3つある。

まず第一は、国に返還不要の奨学金を設立するよう働きかけていること。第二に、党の学生部が2種類あり、党に属している学生が参加しているものと、党に属していない学生を呼んで就活セミナーなど学生に需要のあるイベントをしているものをそれぞれ運営していること。第三に、自党のPRに終始するのではなく、政治そのものへのハードルを下げることを考えて、多様な意見を求めているということである。

奨学金に関しては、確かに私の周囲でも、今から返済にうんざりしている友達がいるし、確かに若者向け政策としてありがたいものだと思う。しかし、他の政党って奨学金問題に着手していないのだろうか? と思って検索したところ、民主党が大学生と政策について討論するプロジェクトで主な議題に奨学金を上げているようだ。うーむ、真新しいことではないのかもしれない……。

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学生部については、「自分が一票入れても何も変わらない」という意識が政治離れの原因になっていると分析し、党所属の学生に政党の「中の人」として学生部を運営してもらう、という方針を取っているそうだ。また、支持者でない学生も呼んで行う就活セミナーのほうは、政治に興味のない若者が少しでも興味を出してくれるよう、エントリーシートの書き方指導などの就活援助と抱き合わせで政治の話もする、という内容らしい。可愛くないゆるキャラを使って若者を舐めたような広報をするよりははるかに好印象だと思った。だが、それでもだいぶ行きづらい。「日本のこころを大切にする党の就活セミナーに行きました」なんて、正直友達に言ったら確実に引かれるし……。

日本のこころを大切にする党の一番の強みは「支持者との距離が近い」ことだという。オープンに色々な意見の人を呼び、多くの立場からの話を聞き入れられるのが小規模政党であることを活かしたアピールポイントだそうだ。

ニコニコ生放送やツイッターなどの利用も積極的に行っており、確かにネット支持率は高い。(嘉悦さん曰く)。とにかく、意見はどんな方面からのものでも大歓迎だという。イメージよりも姿勢はオープンで、もっといかめしい対応を想像していた私は、少し驚いた。なんというか、「腰が低い」感じを受けたのである。

 

「とにかく一度見て欲しい」


前身である次世代の党は、元を正せば石原慎太郎など維新の会から流れを引いている。正直私は「保守色が強い」「ナショナリズムを煽っている」という印象を抱いているし、取材前も後もそれは大して変化しなかった。しかし、嘉悦さんは「一度見てください」ということを強調する。過激で保守政党に見えるかもしれないが、排他主義的なものはダメだと思っているし、平和を愛する政党なのだ、とのこと。

確かに、イメージと実態のギャップが埋めがたい、というのは対若者だけではなく重要な問題だ。実際にそこの開きがどうだったとしても、政党だけでなく有権者だって、多くの意見を聞いた上で身の振り方を考えたほうが良いのは確かである。結局は、政治そのものへのハードルを下げないと、スタート地点にすら立ってくれない人が増えるばかりなのだ。前述した通り、日本のこころを大切にする党が取っている「自党のPRが第一ではなく、まず政治に興味を持ってもらう」というスタンスは、正しいと思う。

 

本当に聞きたいことは議員に聞かないとダメっぽい


せっかくの機会なので、政党そのものへの疑問もぶつけてみた。

(1)「日本のこころを大切にする党」という名前をはじめとして、「日本」という枠組みの意識をなんども強調しているが、これはアイデンティティーで日本にくらす人々に優先順位をつけていることになってしまうのではないか。


(2)党の基本方針で、「私たちのもっとも根底にある考え方、心の営み」などと説明されている「日本のこころ」とは何なのか。「日本の人々は、本来、勤勉であり、親切で、真面目、正直、誠実です。」と書いてあるが、史学的根拠はなく、そもそも日本という枠組みも時代によって異なるので、根幹がはっきりせず、実在が怪しい。


という2点について質問をしたのだが、前者は嘉悦さんの個人的な解釈(納得はできなかった)、後者は「中山代表の強い思いがあるということで、代表しか答えられない」ということしか伺えなかった。党の根幹部分の認識が職員に共有されていないのは正直まずいのではないかと思うが、やはり、こういった政治方針の質問については、所属議員の方に聞くほかないようである。

しかし、こんなに不躾な質問でも、眞野さんも嘉悦さんも「面白い質問ですね」と丁寧に聞いてくださり、決してはねのけるような反応はしなかった。「新しい政党なので、どんな意見でも聞きたい」という姿勢は、「反応がある」ことを求める若い世代にはマッチするだろう。

 

これからどこへいくのか


「まず政治に興味を持ってもらいたい」「どんな意見でも聞きたい」というオープンな姿勢が印象深く、思っていたより政党は開けた場所なのかも、と感じた。しかしその一方で、その姿勢が活かしきれていないのでは、と思う。今後はもっと手軽な窓口を増やして、その姿勢がもっと注目されるようになると良い。

意見は聞いただけでは無意味である。聞いてそのあとどうするかだ。日本のこころって何なのか、分かったら教えてください。待ってます。
寒川倫

寒川倫

1995年生まれの大学3年生。イラク戦争の頃にデモに初参加し、現在も一人でデモに出ている。「正しい倫理子」名義でねとらぼなどで執筆中。

Twitter : https://twitter.com/rinsura_com

Webサイト : https://note.mu/rinriko

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