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いまさら人に聞けない政治の話 -通常国会の「通常」って、何がノーマルなの?-

2016/1/20

選挙ドットコム編集部

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1月4日からの国会開催は、国会議員にとって最も早い仕事始め!

今年は、お正月が土日だったので、ほとんどの方は年明けの1月4日が、仕事始めではなかったでしょうか?
今年は1月4日から通常国会が開かれ、政治家にとっても仕事始めは1月4日でした。

実は、2016年1月4日に開かれた国会は、戦後で最も早い通常国会の開催だったんです。
最も早いと言っても、1947年から1991年まで、通常国会の開催は12月中が定例となっていましたので、「年をまたいだ」通常国会も過去には何度もありました

しかし、年をまたぐことで、年末年始の休みと被ってしまい、結果として「会期日数が増える=負担が増える」ため、第123回国会(1992年開催)から通常国会は1月中に召集することになりました。

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国会議事堂 衆議院議場 (By DS80 sor CC-BY-SA-3.0, via Wikimedia Commons)

国会は何種類?

ここまで頻繁に「通常国会」という言葉を使っていますが、通常国会とはどのようなものなのでしょうか?また「通常国会」と言うからには、「通常じゃない国会」もるのでしょうか・・・?
おそらく中学校の社会科の授業や、高校の現代社会で一度は習ったことがあるかもしれませんが、(遠い過去の記憶でしょうから)今回は改めて「国会」について勉強してみましょう。

国会の種類は全部で4つあります。

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国会の種類は全部で4つ

1.通常国会(常会):国を動かすためにまず決めること。「予算」の審議
常会と呼ばれる通常国会は、国会のベースとなっており、会期も他のものと違って明確に日数が決まっており、150日間となっています。
月であらわすと1月〜6月まで審議が行われ、2016年の今年は1月4日から6月1日までが規定の会期となっています。
国を動かしていくために最も重要な「予算」を審議し、決める国会です。
国を左右するための話し合いですので、時間がかかってしまうのは仕方ないことですが、半年間も話し合いをするのはスゴいですね!
また、150日間に加えて、1回だけできる会期延長することができるので、半年以上も国会が開かれていることが多々あります。

ちなみに通常国会の中で歴代最長は245日間!
実はこの記録は、安保法制の成立で記憶に新しい2015年の安倍内閣が行ったもので、なんと1年の3分の2も議会を開いていたことになります。

2.臨時国会(臨時会):通常国会が終わった後から役割が出てくる。
150日間の通常国会は、夏頃に閉会します。その次に開かれる国会は次年1月からの通常国会ですから、約半年も期間が空いてしまいます。その間に何か起きた際に対応するための国会が臨時国会です。
昨年10月頃から民主党など野党が、安倍内閣に対して「国会を開くように」と要求していたのは、この臨時国会でした。
主に、新たな政策を行うための補正予算や、刻々と状況が変わっていく外交に関して審議するもので、昨年は、10月の内閣改造に伴う所信表明やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の大筋合意に関する説明を求めての要求を野党が行なっていました。
結果として、2015年は臨時国会は開かれませんでした。これは実は、臨時国会の要求条件を満たしても「いつまでに」といった召集時期は定められておらず、「臨時国会を開くようにがんばります」程度しか、内閣に対して強制力を持っていないためです。

3.特別国会(特別会):内閣総理大臣を決めることに注目されがちだけど…
総選挙後30日以内に開かれ、内閣総理大臣の指名を行う役割を持つのが、特別国会です。
総選挙を戦って当選した議員の最初の議会となっています。
総理大臣の指名のみに注目がされていますが、まず最初に行うのは衆議院議長(副議長)を選び、議会内で座る場所を決定が行われます。
そして全ての国会での議会運営に関する諸々が決まった後に、やっと総理大臣の指名が行われます。
ちなみに戦後日本の全ての国会の中で、最長会期だったのは、1972年12月に開かれた特別国会で、総選挙後の特別国会と当時12月に行われていた通常国会の役割を併せもった国会で、なんと150日間の会期+延長2回で、280日間も開かれ、閉会が翌年9月でした。

4.参議院の緊急集会:衆議院に誰もいない…、そこで参議院の出番
最後は少し特殊な国会で、衆議院が解散し、総選挙が行われている最中に、災害や外交面で一刻を争うことが起きた場合などに参議院だけで対応するための参議院の緊急集会です。
参議院が対応するために審議・決定を行いますが、総選挙後の衆議院が召集された後に、10日以内に衆議院からの同意、つまりお墨付き必要となります。
緊急事態の際に開かれるために非常に稀なので、現行の国会法での開催はなく、昭和27年に中央選挙管理会の委員の任命と、昭和28年に昭和28年度の予算に関して開かれた2回だけしか行われていません。

日本の国会は常に開かれているわけではない!

ここまで4つの国会を紹介してきましたが、国会は常に開かれ、様々な議題や政策を話し合い、法案を作っているというわけではないんです。国会が開かれていない時に、海外視察や外交を行ったり、地元の支援者に対するアピールのためにお祭りなどに出ていたりするのを実際に見たり、ニュースなどの報道でもありますね。
一方、海外の先進国では、常に議会が開かれていたり、次の国会でも継続して法案を審議できる「通年会期制」を採用している国が多いです。常に議会を開いているのでコストはかかってしまうかもしれませんが、議員の仕事は議会で、国のために議論をすることというのが見えやすく、分かりやすい形ですし、緊急事態が起きても即座に対応できるというメリットがあります。

国の重要な政策を議論するために長い時間を使うことも大切ですし、期限(会期)を決めて話し合うことも大切です。
でも一方で、国民の税金で給与が支払われているのだから、常に議会で政策について話し合いをするという考えもあります。
どのような議会の形が良いかは色々な意見がありますが、しっかりと国のために議論を尽くして欲しいですね。

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