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「デートにする?選挙にする?それとも…」若者の優先順位は、投票所で本当に変わるのか?政府が公選法改正へ

2016/1/18

選挙ドットコム編集部

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選挙ドットコムに耳寄りな情報が入ってきた。有権者が実際に選挙するときに色々面倒な条件をつけてきた公職選挙法の改正案が国会に提出される見込みだという。それによれば、地域ごとに決められた投票所以外にも、最寄りの駅やショッピングセンターなどで投票できるようになる。

駅での投票、子ども同伴 選挙当日もOK 政府、公選法改正へ:東京新聞 TOKYO Web

子連れでの投票は海外では当たり前のように行なわれている(画像はウクライナでの選挙:Krabikus / Shutterstock.com)

また、子どもを投票所に連れて行けなかったが、今後は連れて行くことができるようになる。つまり、気軽に投票に行けるようになるということだ。

投票率の低迷は問題になっていた

ここ数年、投票率の低下が問題になっている。2009年の民主党政権交代選挙の69%がピークであり、2014年の総選挙では53%にまで落ちた。そのため、国も芸能人を起用した「選挙に行こう」ポスターを作成してきたが、イマイチ効果は上がっていない。

投票の義務感と面倒臭さ

ある政治学者は、有権者が投票に行くかどうかを決める3つの要素として、

(1)政治への期待
(2)投票のコスト(面倒臭さ)
(3)義務感

を挙げている。これまでのキャンペーンは(3)の義務感に訴えかけてきた。しかし、今回の公選法改正は(2)のコストに着目したもの。今までの投票所は駅や商業施設から離れたところに設置されることが多く、また子どもを連れて行けないという点で、「選挙のために出かける」必要があった。今回の改正が実現すれば「ついで」に選挙に行けるようになる。心理的なハードルは下がり、有権者のコストは低下するだろう。

どんな場所なら投票しやすいのか

では、どんな施設にあったら投票に行きやすいだろうか。例えば、長野県中野市では、イオンに投票箱をおいて投票率が上がったという。次回の選挙から18歳選挙権が解禁されることと合わせれば、若者の行きやすい場所、例えば複合娯楽施設に置くというのもいいかもしれない。

と、ここまで書いてきたが、今回の改正法について専門家の立場からの意見をうかがいたいと思いたち、選挙ドットコムの顧問でもあり、本サイトでもお馴染み「選挙の神様」こと、川崎市選挙管理アドバイザー小島勇人氏にお話をうかがった。

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選挙ドットコム 顧問 小島勇人(川崎市選挙管理アドバイザー)

今回の公選法改正の目玉となった「共通投票所」設置によって、投票したい有権者にとっては利便性が改善されることになり、投票率アップに期待したいところですね。

その一方で、投票の「質」の問題はどうでしょうか。そもそも投票とは「義務感」で行うものではなく、有権者が自発的に「投票に行こう」とする気持ちが重要。その部分を高めていかないと、投票の「質」は向上していかない。そのための「主権者教育」の強化は、待ったなしです。環境を整えることで一時的に「投票率」は上がるかもしれませんが、その質が下がっては本末転でしょう。

設置場所については、「18歳選挙権」で若者に目がいきがちですが、言うまでもなく日本は高齢化社会。高齢者や障害者などのいわゆる投票弱者といわれる方々が行きやすく、安全性の高い場所も含めての検討が必要ですよね。

さらに、今回の改正では、選挙を執行する自治体側も、経費的・人員的負担が増えることになります。役所の中でも「選挙は選挙管理委員会の仕事」、「選挙管理委員会にまかせておけばいい」、「自分たちは選挙管理委員会のお手伝い」という後ろ向きの姿勢ではなく、自治体全体の仕事と捉える意識を持つことが重要です。こうした、自治体側と有権者側の意識の向上が相乗効果となって、日本全体の「選挙」、「政治」への意識の底上げに繋がり、良質な政治家を産む土壌となるはずです。

この「小さな1歩」が、地方を、そして国を動かす道につながっている。

小島氏の話は、いつも熱気を孕んでいて、選挙に対するすごい情熱を感じてしまう。たしかに今回、環境が整った事は、投票への小さな一歩だ。でも、そもそも、選挙ってムリクリ行くものじゃないはず。「この国はこのままじゃいけないんじゃないか」、とか、「この政策って本当に住民の役にたつの?」という不安、疑問が元になって、それが投票行動に結びついていくものだ。この「小さな1歩」が、地方を、そして国を動かす道につながっている。この道筋を、ちゃんと意識することが大切だ。

「デートに行くついでに選挙」じゃなくて、「選挙に行ってからデート」。小島氏の話を聞いて、最初に浮かんだ記事の結末を、早速、書き換えた。

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