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現役女子大生だけど、ティーンエイジャーに混じって18歳選挙権イベントに参加してきた



寒川倫
寒川倫

選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられるというニュースは、選挙ドットコム読者ならば既に耳にたこが出来るほど聞いていることだろう。では当事者となるティーンエイジャーたちはどうだろうか?……多分今から身構えている人間は、そう多くはあるまい。

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12月5日の昼下がり、私は総務省が主催する18歳選挙権に関するイベント「選挙権年齢が18歳以上に。Inシンポジウム supported by SCHOOL OF LOCK!」に潜り込んできた。若者に政治・選挙への興味を持たせることほど難しいことってなかなかない気がするが、果たして総務省のPRは成功しているのだろうか?

高校生を呼ぶ工夫がわりと成功している


このイベントはどういった趣旨なのかというと、「SCHOOL OF LOCK!」というティーン向け音楽番組のパーソナリティーをMCに、政治や選挙について考える機会を作ろう、というものだ。メインターゲットは高校生。

なるほど、総務省の特設ホームページでは、女優の広瀬すずが制服姿でPRを行っていたり、「本能寺の変」ネタでおなじみのダンスユニット「エグスプロージョン」が選挙権をテーマにしたダンス動画を披露していたりして、かなり広報に気を使っている様子がうかがえる。私も受験勉強のお供によくSCHOOL OF LOCK! を聞いていたし、中々悪くない人選だと思う。

開催直前に申し込みをしたところ、イベント前日夜に1枚で2名が入場できるというハガキが速達で届いたので、「もしかして参加者がものすごく少ないのではないか」と思ったのだが、会場に着いてみると全くそんなことはなかった。

制服姿の女の子二人連れや親子での参加者など、ちゃんと当事者層がたくさん来ている! 16、7歳の、再来年以降に選挙権がもらえるのだろうな、という年のほどの参加者が一番多い印象だ。そしてプレスが多い! 多くのメディアが注目しているようで、立派なカメラを携えた記者に混じりつつ私は一人で腰を抜かしていた。ひええ……。

配布資料には、架空の市の市長を選ぶ模擬選挙の投票用紙がついていて、イベントが始まる前に投票を行うよう誘導される。配布資料はこんな感じで、候補者プロフィールと街の状況がプリントにまとめられていた。

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郊外なら子育て支援に力を入れたほうが今後の為になるだろうと思い、B山アキコ氏に一票を投じてみる。周りの若者たちも各々投票に挑戦しているようだった。

総務大臣も登壇


イベントはSCHOOL OF LOCK! パーソナリティーの「とーやま校長」「あしざわ教頭」による軽妙なトークから始まった。いかにもラジオっぽい他愛もない会話をしつつ、「自分たちも選挙については無知だから一緒に学ぼう」という姿勢を見せる。堅苦しくないイベントなのだということを強調する狙いだろう。

そして登壇者として、二人の他に女優の小芝風花、NPO法人「YouthCreate」代表の原田謙介氏、さらに総務大臣の高市早苗氏が紹介される。「政治のことなんか考えたことない」と言う小芝さんは「女子生徒」役で、「ハラケン先生と呼んでください」と気さくに話す原田氏が講師役だ。高市大臣は自分の人生初選挙で、「今のダーリンに似ているイケメン」に投票した、というサムいエピソードを語っていた。選挙のハードルを下げたいのはわかったが、ちょっと若者を舐めすぎではないのか……と思わなくもない。

ゼロから教えてくれました


大臣が退出し、いよいよ本題となるディスカッション「政治と選挙についてゼロから教えて下さい」がスタート。「本当にわからないのでリンゴとミカンとかで例えて教えて下さい」など、やはりラジオっぽい明るいギャグで会場も盛り上がっていた。

まず出てきたのは「政治ってなんですか?」という根本的な問題。もし聞かれたとしても、私なら「何を以て政治とするか?!」という信念を問われている気がして即答できなさそうだ。しかしハラケン先生は「政治とは、社会を良くする動きだと思う」と、非常にさっぱりした答えを明示した。

「音楽についてだけでも、アーティストの著作権を守る法律やライブハウスのキャパを決めることも政治が関わっている」と、SCHOOL OF LOCK! のリスナーに分かりやすいよう政治が身近であることを印象付けた上で、要望があるなら何でも政治家に伝えてみるといい、と付け加えた。

確かに、若者の政治離れは若者自身が「自分の意見は無価値だ」と感じていることに端を発している気がする。声を上げること自体に意味があるんだと伝えないことには、政治への無気力は改善されないだろう。

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次の問いは「選挙ってなんですか?」。これも丁寧に噛み砕かれて「自分たちの代表を選ぶ機会」と定義される。「住む街がチームだとして、そこのキャプテンを決める」「自分の意見に近い候補者を選ぶ」といった優しい言い回しは、やはり高校生の想像力が及ぶ範囲を大人が一生懸命考えているのだろうなあと思った。

悪く言っちゃえば「きれいごと」


続いて提示されたのは「なぜこのタイミングで対象年齢が下がったのか」という問いで、ここでけっこう重要な話が飛び出した。つまり、10代の若者に選挙権が解放されたところで、少子化の進む現在、大人の意見に潰される結果しかないのではないか、という話だ。

先ほどもちらっと言った通り、政治に対して若者がコミットしたがらないのは、「自分の干渉では何も変えられない」という認識があるせいではないかと思う。状況に反映されないなら何もしないほうがマシ、という論理は、現状を見るとあっさり腑に落ちてしまうのだが、ハラケン先生はそこで「大人は敵じゃない」と言ったのである。つまり、若者自身が発信者の側に回ってみろ、と言うのだ。
……明る〜い!

確かに何も知らない、知識0状態の高校生ならそれを信じてくれるかもしれないけれど、発信することとそれを受信させることはまた別の問題だし、そんなに世の中甘くない……とヒネくれた私なんかは思ってしまうのだけど、どうなんでしょう! 政治家にはどんどんリプライやメールをしろという話も出てきたけれど、この中にそれを実践する子がいるだろうか、とふっと思った。

主役は有権者


最後に出てきたのは「より良い未来を作るにはどうすればいいのか」という壮大な問いだ。ハラケン先生は「こんな未来を作りたい」という具体的なビジョンを持ち、その希望のために政治家を使うのだ、と話していた。「おじさんたちが話し合っているよくわからない異次元」という若者から見た「政治」のイメージを、もっと主体的に関われるものだと捉え直してほしい、ということだと思う。

同時に、「一人一人求める未来は異なるため、自分の希望を大切にしつつ、色々な意見があることも考えるべきだ」という、世の全ての人間の家に掲示したくなるような言葉も聞けた。

多様な価値観の人間がどうやって共同体を形成するのかを采配するのが政治であろう。これから私も政治活動の当事者として主体的に行動しないといけない。結局、出来る限り政治に「向き合っていく」しかないのだな、と感じた。

まとめと恐怖


時間の都合でその後の企画は見ることができず、私は会場を後にした。そんなに政治ってきれいかな、と思うこともあったが、若者向けイベントとしては成功していたように見える。政治に主体的になろう、という意識は芽生えたのではないだろうか。18歳選挙権が施行されるのは来年6月19日以降の選挙からだ。初回の投票率がどうなることやら、今後もなるべく丁寧に考えながら見守っていきたいと思う。

……ここまで書いてきて、自分がめちゃくちゃこの事案に他人事だったことに気づく。怖っ。私、こんなに政治のこと諦めてたのか。

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寒川倫

寒川倫

1995年生まれの大学3年生。イラク戦争の頃にデモに初参加し、現在も一人でデモに出ている。「正しい倫理子」名義でねとらぼなどで執筆中。

Twitter : https://twitter.com/rinsura_com

Webサイト : https://note.mu/rinriko

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