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19歳の大学生が生まれて初めて党首討論を最後まで見てみた結果

2015/9/16

寒川倫

寒川倫

9月13日の9時から放送された、NHK「緊急生討論 10党に問う どうする安保法案採決」を視聴した。

■人生初の討論番組視聴

実はこういう政治家同士が議論する形態の番組を本腰入れて視聴したのはこれが初めてである。普段は見ようとも思わないし、見たほうがいいかな、と思ってつけても見ていられなくなって消してしまうことが多い。相手の言葉を遮って喋る結論の出ない議論を見ているのは気持ちが良くないのだ。

ではなぜ見る気になったかというと、「下から選挙入門」の小池みきさんに視聴を勧められたからである。新聞やニュースですでにまとめられたものしか知らなかった政治家の話を、実際に聞くのもいい機会かもしれない、と思いテレビをつけた。

■もやもやする議論

単刀直入に言って、なんだかもやもやした。与野党の立場が果てしなく違うのだな、と改めて実感したし、それに伴ってどうしようもなく落とし所が無い。ラストは司会者が時間ですと制止するのを振り切って喋る自民党の高村副総裁を白けた画面が映し続けていた。これ討論形式にする意味あるのかな、とまで思った。時間が短すぎて、おそらく出演者の誰も求めていた解答は得られていない。視聴者に見せたいなら、もはや一人一人に主張を喋らせたほうが早い。いや、もちろん討論という場は大事なのだろうが、う〜〜ん……。10の党の代表をそれぞれ呼んで議論させるには、一時間半という尺はあまりにも短いのだ。私はあまりそれぞれの話を飲み込めていないし、メモを取りながら考えるにはあまりにもスピードが速すぎたように感じられた。番組中は、国会の答弁のように、野党が与党に質問をぶつけたり、所属する党の主張を述べたりする、ごく一般的な形式で流れていったが、国会答弁と討論番組は異なるし、もう少し「見せる努力」をして欲しかったと思う。せめて自分の党の主張はフリップで出すとか。

■気になったことの諸々

内容に関して気になった点は、自衛隊の活動範囲の拡大に関しての議論だった。

自衛隊の活動範囲が「非戦闘地域」から「現に戦闘行為が行われている現場ではない場所」に変わることについて、与党は国会で「活動場所は、戦闘行為が発生しないと見込まれる地域を選ぶし、実態は今までとは変わらない」と答弁している。これが答弁ではそう答えているものの、法案の中に明文化されていないので、政府の裁量で決められてしまうのではないか、という追及があった。

これについて、今回の番組では、今までよりそれほど危険度は変わらない、戦闘がどこで起きるかを見越すなんて不可能だ、という話をするだけで、なぜ明文化しないのかという問いには回答がなかったのである。

「答弁ではそう言っていても明文化はされていない」という場合があることを、改めて直視して恐ろしくなった。この人がこう言っているから大丈夫だ、なんて、将来が不確定な中では信じられるわけがない。与党が明確な回答を述べていない部分は多々あったが、やはり一番気になったのはここであった。

■論理的に見えた人とそうでない人

そしてせっかくなので、無知な大学生の目から見て、主張の内容を問わず、「主張がはっきり伝わってきた人」と「よくわからなかった人」をピックアップしてみた。なお、国会答弁など前後の文脈を私は知らないし、この番組だけを見てそう感じた、という話なので、ご了承いただきたい。

主張がはっきり伝わってきた人

維新の党 松野頼久
国の自衛は必要だが、海外派兵の地理的限定を外すべきではなく、そもそもこれは憲法解釈の変更ではなく憲法改正でやるべき作業である、という主張がよく理解できた。自分がどういう立場で発言しているのかがしっかり伝わってきたので、その後の発言も飲み込みやすかったと思う。

共産党 志位和夫
何を糾弾しているのかが明確だったし、どういう点がおかしいと思うので、結論はこうである、という道筋を持たせた話し方が分かりやすかったと思う。ただ司会者の制止を振り切って喋る場面も多く、その点は冷静でないなと感じた。

よくわからなかった人

生活の党と山本太郎となかまたち 山本太郎
主張内容ははっきりしているのだが、論点が毎度ズレており、討論に出る必要性がないのではないか……という気になった。確かに言いたいことを言うには時間的制限の大きな場ではあったが、場に合わせることもある程度必要なのではなかろうか。

次世代の党 中山恭子
申し訳ないのだが何を言っていたのかほぼほぼ印象がない。憲法解釈変更、自衛隊の活動範囲拡大について賛成だ、という点は分かったが、それ以外はもやもやしていて私には理解できなかった。もっと順序立てて、何に対してどう思っているのか話してもらえるとありがたい……。

■政治家の話を聞くこと

正直、面白いと思える番組ではなかった。メモをとりながら本当に疲れたし、たった一時間半でこれか……という気持ちになった。

やっぱり、文面で読みたい。落ち着いて、何について何を述べているのか、明確に知るためには、文面の方が分かりやすいと思われる。私は街頭で行われているスピーチに足を止めたことはないし、ビラももらったことがないが、有権者になる来月に備えて、政治家への関心の払い方も考えていきたいと思う。

それにしても、政治家の話のつまらないこと……いや、つまらない/面白いとかそういう問題ではないのは分かっているのだが……。

 

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寒川倫

寒川倫

1995年生まれの大学3年生。イラク戦争の頃にデモに初参加し、現在も一人でデモに出ている。「正しい倫理子」名義でねとらぼなどで執筆中。

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